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2年生3学期
2月23日(木)曇りのち雨 大倉伴憲との日常その31
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天皇誕生日の木曜日。
この日は大倉くんからお誘いを受けて図書館でテスト勉強することになった。
移動距離的には大倉くんが遠くなってしまうけど、勉強に適した場所が大倉くんの家周辺にはなかったので、またしてもこちらに来て貰うことになった。
「ぜ、全然気にしないで大丈夫。最近はこっちに本を借りに来てるし」
少し申し訳なさそうにする僕に、大倉くんはフォローを入れてくれる。
前に来た時にゲーム作り関連の本を見つけたことから、大倉くんは僕よりもこの図書館を利用するようになっていた。
「すごいなぁ。僕なんか文芸部のくせに全然読めてないから……」
「ぼ、ボクもそんなには読めてはないよ。先に返却期限がきてもう一回借りてるくらいだし」
「あっ、もう一回借りるとかあるんだ」
「予約がなかったらその場で言って借りられるみたい。さすがに3回目は遠慮して欲しいとは言われちゃったけど……」
「知らなかった。昔は結構来てたのに」
「でも、それは期限までに読み終わってるってことじゃない?」
「そうだとは思うけど……そういえば、大倉くん。自分で文章を読むスピードはどれくらいだと思ってる?」
ふと疑問が湧いたので僕はそう聞いてみる。
「う、うーん……ボクは読んでる途中で一旦戻っちゃうことがあるから結構遅いかも」
「あー、読み間違えに気付いたり?」
「そうそう。あとはそんな話の流れだっけって急に不安になったり」
「そういうのもあるんだ。僕は自分で結構早いと思ってる。今はあんまり授業じゃやらないけど、小学校で黙読する時に早く顔を上げていた印象があるから」
「あったあった。それで考えると……やっぱり遅かったかも。でも、1つだけ早く読める本があるよ」
「えっ? 何の本?」
「アニメを先に見た時の原作小説。たぶん、読み飛ばしてる部分もあるんだろうけど、情景が浮かんでるから話の流れも掴みやすい」
「確かに」
「つまりは文章問題もなるべくアニメ映像化して考えれば……」
「映像化して整理するのは良さそうだけど……やり過ぎると問題を解く時間が無くなりそう」
「そっかぁ……」
そんな話を休憩でしながらも本題のテスト勉強はお互いに頑張れたと思う。
テストが明けたら僕も読書に使う時間を増やすようにしなければ。
この日は大倉くんからお誘いを受けて図書館でテスト勉強することになった。
移動距離的には大倉くんが遠くなってしまうけど、勉強に適した場所が大倉くんの家周辺にはなかったので、またしてもこちらに来て貰うことになった。
「ぜ、全然気にしないで大丈夫。最近はこっちに本を借りに来てるし」
少し申し訳なさそうにする僕に、大倉くんはフォローを入れてくれる。
前に来た時にゲーム作り関連の本を見つけたことから、大倉くんは僕よりもこの図書館を利用するようになっていた。
「すごいなぁ。僕なんか文芸部のくせに全然読めてないから……」
「ぼ、ボクもそんなには読めてはないよ。先に返却期限がきてもう一回借りてるくらいだし」
「あっ、もう一回借りるとかあるんだ」
「予約がなかったらその場で言って借りられるみたい。さすがに3回目は遠慮して欲しいとは言われちゃったけど……」
「知らなかった。昔は結構来てたのに」
「でも、それは期限までに読み終わってるってことじゃない?」
「そうだとは思うけど……そういえば、大倉くん。自分で文章を読むスピードはどれくらいだと思ってる?」
ふと疑問が湧いたので僕はそう聞いてみる。
「う、うーん……ボクは読んでる途中で一旦戻っちゃうことがあるから結構遅いかも」
「あー、読み間違えに気付いたり?」
「そうそう。あとはそんな話の流れだっけって急に不安になったり」
「そういうのもあるんだ。僕は自分で結構早いと思ってる。今はあんまり授業じゃやらないけど、小学校で黙読する時に早く顔を上げていた印象があるから」
「あったあった。それで考えると……やっぱり遅かったかも。でも、1つだけ早く読める本があるよ」
「えっ? 何の本?」
「アニメを先に見た時の原作小説。たぶん、読み飛ばしてる部分もあるんだろうけど、情景が浮かんでるから話の流れも掴みやすい」
「確かに」
「つまりは文章問題もなるべくアニメ映像化して考えれば……」
「映像化して整理するのは良さそうだけど……やり過ぎると問題を解く時間が無くなりそう」
「そっかぁ……」
そんな話を休憩でしながらも本題のテスト勉強はお互いに頑張れたと思う。
テストが明けたら僕も読書に使う時間を増やすようにしなければ。
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