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2年生3学期
1月26日(木)曇り 明莉との日常その74
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結局、雪は溶けずに残った金曜日。
明莉の私立入試は予定通り行われることになったけど、道路は昨晩の積もった雪が凍ってかなり大変なことになっていた。
休みを取った父さんが早めに起きて家の周りの雪を払っていたので、僕も起きてからすぐでその作業を少し手伝う。
そして、明莉は父さんに車で送られて会場に向かった。
一方の僕も今回は自転車で行けるわけがなかったので、早めに出て徒歩で登校する。
母さんは送ってくれると言ったけど、この道を車で行く方が怖いので丁重に断っておいた。
学校に近づくにつれて人が通ったことで雪は無くなっていくけど、そうなると地面が凍結して……滑りやすくなる。
明莉の前では決して言えない言葉だけど、この日記に書くのは許されるだろう。
「うぶクン! 明莉ちゃんは無事に出れたの!?」
学校に到着すると、明莉について最初に声をかけてくれたのは大山さんだった。
最近は受験前とわかっていたので明莉に連絡はしていなかったけど、気にかけてくれていたようだ。
「ちょっと待って……うん。父さんから到着したって連絡来てた」
「良かったぁ~……って、うぶクン、めっちゃ顔白いよ?」
「た、たぶん、歩いてる間に体冷えたから……」
「歩いてきたの!? 来れない距離じゃないんだろうケド、さすがに今日は送って貰った方が良かったんじゃ……」
「ま、まぁ、辿り着けたから」
それから始業前になると、いつも以上に欠席者が目立っていた。
昨日と同じ様に電車が止まってしまった人や、家の都合的に来れなかった人が多かったようだ。
そんな中でも入試が決行されたと考えると、どこの誰とも知らない他の受験生のことが少し可哀想になる。
これだけの雪なら特別な措置をして貰えるのかもしれないけど、タイミングが悪いことこの上ない。
「良助くん。妹さんから何か連絡は来た……?」
「ううん。試験が終わるのはまだ先だし、終わるまでは来ないと思う」
「そ、それはそうよね。何だか気になってしまってつい……」
路ちゃんはそう言ってくれるけど、当日になった僕は意外と心配する気持ちは出てこなかった。
いや、それまでが心配し過ぎていたのもあるけど、雪という一番の障害が何とかなったことで、安心感を得られたのかもしれない。
実際、明莉の普段の成績から考えれば、十分合格できるはずだ。
それから、時刻は放課後。
この時間になっても明莉からは特に連絡が来ていなかった。
今日も部活を中止するところが多い中、僕は気にかけてくれた人に帰ってからまた連絡すると言って帰宅する。
雪は少しずつ溶けて朝よりは帰りやすかったけど、普通に歩くよりは時間がかかってしまった。
そして……
「おお、お帰り良助。行き帰りは大変だったんじゃないか」
家に帰ると出迎えてくれたのは父さんだった。
「う、うん。それで明莉は……」
「ああ。疲れたからちょっと寝るって言って、帰ってから寝てるよ」
「そ、そうなんだ……」
「でも、テストも面接も大丈夫そうだったと言ってた」
父さんから聞かされるとは思っていなかったけど、それを聞いてひとまず安心する。
自分で大丈夫そうだと思えたのなら間違いないだろう。
「ふわぁ……あー、りょうちゃん、おかえりー」
「た、ただいま。明莉もお疲れ様」
「ありがとー……いやぁ、早起きしたから眠くてさー」
「終わったんだから遠慮なく寝るといい。あっ、でもその前に、大山さんや路……岸本さんが気にかけてくれてたのは伝えとく」
「おお、それは何ともありがたい。大山先輩には返事しとくから、岸本先輩にはりょうちゃんからよろしく」
「わかった」
「でも、岸本先輩って、あかりは一回くらいしか……ああ! そういえばりょうちゃんの彼女だった!? というか、いつ本格的に紹介してくれるの!?」
「まぁ、明莉の受験が終わってからかな……」
「3月くらいまでお預け!? 別にすぐでもいいじゃーん」
その後、なぜか路ちゃんに会わせろという話になったので、路ちゃんも会う機会を窺っていると伝えておいた。
昨日は結構不安そうだったのに、終わったらこのテンションになれるのだから、僕よりも区切りを付けるのは上手だと思った。
合格発表は来週になるので、結果がわかり次第、おごる約束を果たそう……できれば合格祝いで。
明莉の私立入試は予定通り行われることになったけど、道路は昨晩の積もった雪が凍ってかなり大変なことになっていた。
休みを取った父さんが早めに起きて家の周りの雪を払っていたので、僕も起きてからすぐでその作業を少し手伝う。
そして、明莉は父さんに車で送られて会場に向かった。
一方の僕も今回は自転車で行けるわけがなかったので、早めに出て徒歩で登校する。
母さんは送ってくれると言ったけど、この道を車で行く方が怖いので丁重に断っておいた。
学校に近づくにつれて人が通ったことで雪は無くなっていくけど、そうなると地面が凍結して……滑りやすくなる。
明莉の前では決して言えない言葉だけど、この日記に書くのは許されるだろう。
「うぶクン! 明莉ちゃんは無事に出れたの!?」
学校に到着すると、明莉について最初に声をかけてくれたのは大山さんだった。
最近は受験前とわかっていたので明莉に連絡はしていなかったけど、気にかけてくれていたようだ。
「ちょっと待って……うん。父さんから到着したって連絡来てた」
「良かったぁ~……って、うぶクン、めっちゃ顔白いよ?」
「た、たぶん、歩いてる間に体冷えたから……」
「歩いてきたの!? 来れない距離じゃないんだろうケド、さすがに今日は送って貰った方が良かったんじゃ……」
「ま、まぁ、辿り着けたから」
それから始業前になると、いつも以上に欠席者が目立っていた。
昨日と同じ様に電車が止まってしまった人や、家の都合的に来れなかった人が多かったようだ。
そんな中でも入試が決行されたと考えると、どこの誰とも知らない他の受験生のことが少し可哀想になる。
これだけの雪なら特別な措置をして貰えるのかもしれないけど、タイミングが悪いことこの上ない。
「良助くん。妹さんから何か連絡は来た……?」
「ううん。試験が終わるのはまだ先だし、終わるまでは来ないと思う」
「そ、それはそうよね。何だか気になってしまってつい……」
路ちゃんはそう言ってくれるけど、当日になった僕は意外と心配する気持ちは出てこなかった。
いや、それまでが心配し過ぎていたのもあるけど、雪という一番の障害が何とかなったことで、安心感を得られたのかもしれない。
実際、明莉の普段の成績から考えれば、十分合格できるはずだ。
それから、時刻は放課後。
この時間になっても明莉からは特に連絡が来ていなかった。
今日も部活を中止するところが多い中、僕は気にかけてくれた人に帰ってからまた連絡すると言って帰宅する。
雪は少しずつ溶けて朝よりは帰りやすかったけど、普通に歩くよりは時間がかかってしまった。
そして……
「おお、お帰り良助。行き帰りは大変だったんじゃないか」
家に帰ると出迎えてくれたのは父さんだった。
「う、うん。それで明莉は……」
「ああ。疲れたからちょっと寝るって言って、帰ってから寝てるよ」
「そ、そうなんだ……」
「でも、テストも面接も大丈夫そうだったと言ってた」
父さんから聞かされるとは思っていなかったけど、それを聞いてひとまず安心する。
自分で大丈夫そうだと思えたのなら間違いないだろう。
「ふわぁ……あー、りょうちゃん、おかえりー」
「た、ただいま。明莉もお疲れ様」
「ありがとー……いやぁ、早起きしたから眠くてさー」
「終わったんだから遠慮なく寝るといい。あっ、でもその前に、大山さんや路……岸本さんが気にかけてくれてたのは伝えとく」
「おお、それは何ともありがたい。大山先輩には返事しとくから、岸本先輩にはりょうちゃんからよろしく」
「わかった」
「でも、岸本先輩って、あかりは一回くらいしか……ああ! そういえばりょうちゃんの彼女だった!? というか、いつ本格的に紹介してくれるの!?」
「まぁ、明莉の受験が終わってからかな……」
「3月くらいまでお預け!? 別にすぐでもいいじゃーん」
その後、なぜか路ちゃんに会わせろという話になったので、路ちゃんも会う機会を窺っていると伝えておいた。
昨日は結構不安そうだったのに、終わったらこのテンションになれるのだから、僕よりも区切りを付けるのは上手だと思った。
合格発表は来週になるので、結果がわかり次第、おごる約束を果たそう……できれば合格祝いで。
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