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2年生3学期

1月17日(火)曇り時々晴れ 後輩との日常・姫宮青蘭の場合その13

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 部活動を行う火曜日。
 今日は花園さんが文芸部に入ってから2回目の活動だ。
 先日は座学に入るまで時間がかかってしまったので、今回が通常通りの流れになる。
 ただ、1年生の方は歓迎していても、花園さんの方はまだとこか遠慮がちで、路ちゃんと話すのが精一杯のようだった。
 まぁ、まだ2回目なので慌てる時間ではない。

「副部長。花園先輩について少し言いたいことがあります」

 しかし、姫宮さんの方から予想外の反応が返ってくる。

「ど、どうしたの?」

「花園先輩は」

「う、うん」

「私とキャラが被っている気がします」

「……は?」

 いや、本当に予想外だった。冗談で言っている感じではないから尚更に。
「いったい何がどうしてそう思ったの……?」

「全体的な雰囲気が似ていると思ったからです。副部長ならわかると思いますが」

 そう言われてみると……僕に対する言動がどこか似ているような気もする。
 多少からかい気味で、どこか乱雑な感じが……自分で言ってて少し悲しい。

「でも、キャラが被っていると何か悪いことあるの?」

「部活における存在感を奪われてしまうかもしれません。私は文芸部の懐刀なので」

「初耳なんだけど!? いや、もしかして1年生の間ではそういう二つ名的な呼び方をしている……?」

「いいえ。私が自称してるだけです」

「えぇ……」

 年明けで久しぶりに浴びる姫宮さんはなかなかに手ごわい。
 しかし、理由はともあれ姫宮さんが危機感を覚えているのは確かなようだ。
 ここは何とか説得して花園さんと仲良くして貰うきっかけを作らなければ。

「で、でも、似た雰囲気を感じるなら話が合ったりするんじゃないかな。いい意味で花園さんは個性的な人だから、話すと楽しいと思うよ?」

「もう一押し欲しいですね」

「えっ? えっと……聞いたかもしれないけど、実家が和菓子屋で時々手伝ってて……」

「そういうのではなくもっと副部長の視点の評価を」

「ぼ、僕の? うーん……わりと冗談を言いがちで、結構ツッコミが鋭くて……」

「なるほど。理解しました」

 姫宮さんはそう宣言すると、そのまま花園さんの方へ行き、何かを話し始める。
 数分後、姫宮さんは花園さんを引き連れて戻って来た。

「リョウスケ……あなたは華凛のことを冗談ばかり言う個性が尖った人間だと思っていたのですか」

「ええっ!? なんか情報が混ざってるんだけど!?」

「伝言失敗」

「いや、絶対わざとでしょ!?」

「……ひ、姫宮さん、でしたか」

「はい。青蘭・姫宮です」

「あなたは……リョウスケの扱い方をわかってるみたいですね」

「どこが!?」

「副部長は踏めば踏むほどいい出汁が出ます」

「ふふっ。いい表現です」

 僕のツッコミは完全にスルーされ、花園さんと姫宮さんには奇妙な友情が芽生えていた。
 そのおかげで2人はその後も少し話していたのは良かったけど……厄介な敵同士がタッグを組んでしまったような、そんな気持ちになった。
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