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2年生2学期

12月15日(木)晴れ時々曇り 大倉伴憲との日常その26

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 期末テスト4日目の木曜日。
 朝のまだ暖房が効いていない教室だと、シャーペンを握る手が震えてしまうのは、ようやく冬本番が来たと知らせるようだ。
 でも、テストの時は集中力が切れる原因になるので、風流を感じてはいられない。

 そんな今日もテストの合間の時間では大倉くんと問題を出し合いながら備えていた。
 よく考えると、テスト勉強をしていた時間は各々やっていたので、直接的に協力するのはテスト中になってからかもしれない。

「ふぅ……あと一日……」

 そして、今日のテストを終えると、後ろの席の大倉くんはひと息つきながらそう言った。

「だね。やっぱり一週間連続だと長く感じるなぁ」

「う、うん。一気に終わるから楽な感じもするけど……今回は特にがんばってるせいか、より疲れてる気がする。も、もちろん、がんばってるのはいいことなんだけど!」

「実感するくらいがんばれてるんだから凄いと思うよ」

「そ、そうかな……?」

 僕の言葉に大倉くんは照れているようだった。
 誰目線かと思われるかもしれないけど、今回の大倉くんはいつもよりも自信に溢れているように見える。

「こ、今回はゲームや動画の視聴もテストが終わるまでは止めてるから、がんばっているのは間違いないか……あと一日……あと一日テストを受ければ……」

「そうそう。あと一日……」

「で、でも、今日はその……推しの配信があるから一瞬だけ見ても……いや、後でアーカイブ見れるし……だけど、生配信は1回限りで……」

「ああ、配信も見てないのか。でもまぁ、一瞬くらいなら……」

「どうしたらいいと思う!?」

 僕は軽く答えようとしたけど、大倉くんは今日一番大きな声で聞いてくる。
 先ほどまで自信に溢れているように見えた表情は、追い詰められているように見え始めた。
 あと一日という言葉はがんばるための決意ではなく、我慢の限界が近づいている知らせだったのか。

「えっと……ここまで禁止にしてたなら貫き通した方がいいじゃないかな」

「な、生配信が一回限りでも……?」

「ほら、アーカイブの再生数も大事って言うし、そっちで貢献するのもアリだと思う」

「そ、そうか。そうだよね……せっかくここまでいい調子なんだから……よし、今日は我慢だ!」

 聞かれる前と言う事を変えてしまったけど、あのまま一瞬見る方を進めたら駄目な気がした。
 それから解散するまで大倉くんはあと一日……を呟きながら自分を鼓舞していた。
 正直な話をすると……僕は息抜きにちょっとだけ動画を見てたりするので、大倉くんの完全な禁止は本当に凄いと思う。
 テストが上手くいった暁には謝罪と共に打ち明けてもいいかもしれない。
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