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2年生2学期
11月30日(水)曇り 後援する大山亜里沙その10
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11月最終日の水曜日。
先日、本田くんに松永の欲しい物を探って貰うように言ったけど、バレないように聞くのは難しいらしく、なかなか思ったような答えは返ってきていないようだった。
「いやぁ、松永から情報を引き出すのにこんな苦戦するとは思わないよね。勝手に喋るイメージがあるくらいなのに」
その報告を聞いた大山さんは少し愚痴っぽく言う。
でも、言っている通り、もっと簡単に済む話だと思っていた。
「やっぱり伊月さんに直接聞いた方がいいかもって言うべきかな……」
「なんかここまで来たら意地でもサプライズを成功させたい気持ちはあるケド……これでプレゼント変えなかったりしたら意味ないしね」
「うん。それと、伊月さんのためにと考えたら我慢できるけど、松永のために悩まされてると思ったらなんか無駄に使ってる気分になる」
「ははは。うぶクンにそんなこと言わせるとは、松永もなかなかやるじゃん」
本気で怒っているわけではないけど、地味に苦戦させられているのは非常にもどかしさを感じる。
しかし、過去の記憶を掘り起こしてもそれらしい会話が思い出せないから困ったものだ。
「あっ」
そう思っていると、大山さんは何か思い付いた顔をして僕を見る。
「ねぇ、松永とミチも一応知り合いだよね」
「一応……というか、普通に知り合いだと思う」
「じゃあ、ミチに探って貰うとかどう?」
「う、うーん……」
「ダメ?」
「路ちゃんにとっても伊月さんは後輩だから2人とも知り合いではあるんだけど、逆に知り合い過ぎてバレずに聞くのは難しいような気がする」
「そう? ちなみにこのことはミチに話した?」
「いや、話してないけど……」
「じゃあ、試しにちょっと聞いてみよう……っと、その前に伊月ちゃん的にはあんまり広めない方がいい感じ?」
そこについては友達にも協力してもらうと伊月さんに伝えていたので、問題はないと返事する。
大山さんはすぐに路ちゃんの元へ駆けていき、用件を説明していった。
すると、大山さんは路ちゃんを連れて戻って来る。
「うぶクン……ミチ、やる気だよ」
「えっ、本当に?」
「う、うん。素敵なサプライズに協力できるなら喜んで。ただ、バレないように聞くとなると、少々難しいのは事実だけれど……」
「ミチは松永の連絡先わかるの?」
「少し前にLINE交換したから大丈夫」
「えっ、そうなの!?」
僕が驚いてしまうと、大山さんと路ちゃんはぽかんとした表情になる。
「な、なに……?」
「いや、別に驚くようなことかなと思って。松永なら全然やるでしょ」
「松永くんとはちょっと話す機会も増えてたし……良助くん的には意外だったの?」
「ま、まぁ……うん」
僕が歯切れの悪い反応を返すと、大山さんは路ちゃんと肩を組んで何か話し始めた。
恐らく聞かない方がいい内容なので、僕は暫く2人から目線を逸らす。
「よし。とにかくミチが探りを入れるってことで」
「が、がんばります!」
「いや、がんばり過ぎるとバレちゃうから程々に!」
「程々にがんばります!」
こうして、新しい作戦は立てられたのは喜ばしいことだけど、若干、事を大きくしている感じは否めない。
その雰囲気を松永に察せられる前に松永の欲しい物を……いや、本当に早く言ってくれ。ここに書いても仕方ないのはわかってるけど。
先日、本田くんに松永の欲しい物を探って貰うように言ったけど、バレないように聞くのは難しいらしく、なかなか思ったような答えは返ってきていないようだった。
「いやぁ、松永から情報を引き出すのにこんな苦戦するとは思わないよね。勝手に喋るイメージがあるくらいなのに」
その報告を聞いた大山さんは少し愚痴っぽく言う。
でも、言っている通り、もっと簡単に済む話だと思っていた。
「やっぱり伊月さんに直接聞いた方がいいかもって言うべきかな……」
「なんかここまで来たら意地でもサプライズを成功させたい気持ちはあるケド……これでプレゼント変えなかったりしたら意味ないしね」
「うん。それと、伊月さんのためにと考えたら我慢できるけど、松永のために悩まされてると思ったらなんか無駄に使ってる気分になる」
「ははは。うぶクンにそんなこと言わせるとは、松永もなかなかやるじゃん」
本気で怒っているわけではないけど、地味に苦戦させられているのは非常にもどかしさを感じる。
しかし、過去の記憶を掘り起こしてもそれらしい会話が思い出せないから困ったものだ。
「あっ」
そう思っていると、大山さんは何か思い付いた顔をして僕を見る。
「ねぇ、松永とミチも一応知り合いだよね」
「一応……というか、普通に知り合いだと思う」
「じゃあ、ミチに探って貰うとかどう?」
「う、うーん……」
「ダメ?」
「路ちゃんにとっても伊月さんは後輩だから2人とも知り合いではあるんだけど、逆に知り合い過ぎてバレずに聞くのは難しいような気がする」
「そう? ちなみにこのことはミチに話した?」
「いや、話してないけど……」
「じゃあ、試しにちょっと聞いてみよう……っと、その前に伊月ちゃん的にはあんまり広めない方がいい感じ?」
そこについては友達にも協力してもらうと伊月さんに伝えていたので、問題はないと返事する。
大山さんはすぐに路ちゃんの元へ駆けていき、用件を説明していった。
すると、大山さんは路ちゃんを連れて戻って来る。
「うぶクン……ミチ、やる気だよ」
「えっ、本当に?」
「う、うん。素敵なサプライズに協力できるなら喜んで。ただ、バレないように聞くとなると、少々難しいのは事実だけれど……」
「ミチは松永の連絡先わかるの?」
「少し前にLINE交換したから大丈夫」
「えっ、そうなの!?」
僕が驚いてしまうと、大山さんと路ちゃんはぽかんとした表情になる。
「な、なに……?」
「いや、別に驚くようなことかなと思って。松永なら全然やるでしょ」
「松永くんとはちょっと話す機会も増えてたし……良助くん的には意外だったの?」
「ま、まぁ……うん」
僕が歯切れの悪い反応を返すと、大山さんは路ちゃんと肩を組んで何か話し始めた。
恐らく聞かない方がいい内容なので、僕は暫く2人から目線を逸らす。
「よし。とにかくミチが探りを入れるってことで」
「が、がんばります!」
「いや、がんばり過ぎるとバレちゃうから程々に!」
「程々にがんばります!」
こうして、新しい作戦は立てられたのは喜ばしいことだけど、若干、事を大きくしている感じは否めない。
その雰囲気を松永に察せられる前に松永の欲しい物を……いや、本当に早く言ってくれ。ここに書いても仕方ないのはわかってるけど。
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