上 下
599 / 942
2年生2学期

11月23日(水)雨 明莉との日常その68

しおりを挟む
 勤労に感謝しながら休む水曜日。
 だけど、この日も普通に仕事がある人が多いようで、一番勤労から遠い学生の方が恩恵がある……という話を去年も書いたかもしれない。

 そんな今日は雨も降っているので僕も明莉も外に出ておらず、久しぶりに2人での昼食タイムとなった。
 今日は昨日の晩ご飯だったクリームシチューが残っているので、それを温めるだけで済む。

「ねぇ、りょうちゃん。どうせお昼で食べ終わるんだし、大胆に味変してみない?」

「シチューを? うーん……後でブラックペッパーかけるとか、それくらいでいい気がするけど」

「いや、もっと大胆な味変だよ。ウニがプリンになるくらいのヤツ」

「それ味変じゃないような……しょうがない、何か調べてみるか」

 鍋物は2日目でもそのまま食べて美味しいと思うけど、明莉は少し飽きているらしい。
 スマホでシチューのアレンジについて検索をかけると、だいたいのメニューがチーズを混ぜてグラタンやドリアにするようになっていた。
 それを見た僕はふと疑問に思う。

「なぁ、明莉はご飯にシチューをかけて食べるのって大丈夫なんだっけ?」

「自分ではあんまりやらないけど、やる人がいても引いたりしないかな。最近はご飯にかける用もあるみたいだし。逆にりょうちゃんは?」

「僕もやってはないけど、文句は言わない方。でも、テレビだと駄目な人がいるって話は聞くよね」

「誰かは忘れたけど、あかりの友達にもあり得ないって言う子はいたよ?」

「じゃあ……そういう子からすると、シチューをアレンジしたドリアもアウトだったりするのかな」

「うーん……?」

「いや、結果的にはご飯にシチューをかけた状態になるから。レシピの候補でこれだけ出てたらやる人も多いだろうし」

「ドリアとして出されたらセーフ……なんじゃない?」

「じゃあ、カレーみたいに最初からシチューがかけてあったらいいのかな」

「あかりに聞かれても……って、あかり達は別に大丈夫なんだから考える必要ないじゃん」

「そ、そうか」

 思わず気になって聞いてしまったけど、僕と明莉はそれほど気にしないタイプだから結論は見えてこなかった。
 それからドリアを作るようにした後、検索してみると、どうやらご飯にシチューをかける派の方が多い調査結果が出ていた(サイトによるから要検証かもしれないけど)。
 何となく駄目だという意見がよくピックアップされるから、かけない方が多数を占めているのだと思っていたけど、意外とそうではないらしい。
 何事も否定する意見の方が大きく聞こえるものなんだなぁ、とこんなところで実感した。
 ちなみにシチュードリアは非常に美味しくできたので、今度シチューが余った時は両親にも勧めてみようと思う……まずは否定派じゃないか確認してから。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

通り道のお仕置き

おしり丸
青春
お尻真っ赤

バッサリ〜由紀子の決意

S.H.L
青春
バレー部に入部した由紀子が自慢のロングヘアをバッサリ刈り上げる物語

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...