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2年生2学期
11月19日(土)晴れ 明莉との日常その67
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朝と昼の寒暖差をよく感じた土曜日。
この日は久しぶりに明莉の友達の原田さんが我が家を訪れる。
最近家に来るのは桜庭くんばかりだったから、僕の感覚では1年以上会っていないような気がしてしまった。
「あっ、お久しぶりです。あか兄さん」
そして、実際にやって来た原田さんは以前見た時よりも日焼けしていなくて、どこか落ち着いた感じになっていた。
やはり部活を引退して、受験が近くなっている影響なのだろうか。
「何畏まった感じになってるの、ちゆりん」
「……だってぇ~ あかちの家来るなんか久しぶりなんだもん! 緊張っていうかぁ、懐かしいっていうかぁ」
そうかと思ったら明莉と話し出すとよく見た原田さんが戻って来た。
明莉からも時々話は聞いていたから、元気なことは間違いなかったけれど。
「というか、聞いてくださいよ、あか兄さん! あかりってば彼氏ができてから完全にあたしのこと後回しなんですよ!」
「ち、違うよ!? 後回しにしてないよ!」
「その証拠にあたしが一緒に勉強しようって言っても、今日は彼ピとなんで……って断られてたし」
「それはそうだけど、彼ピとは言ってない!」
原田さんの恨み節に明莉は反論するけど、客観的に聞くと明莉が桜庭くんの方を優先しているように聞こえた。
実際に友達と恋人を選べと言われたら……なかなか難しいところだけど、どちらか片方に寄り過ぎてしまうのも問題なのかもしれない。
「まぁまぁ、2人とも落ち着いて」
「あか兄さんならわかってくれますよね? 可愛い妹を桜庭が独占してるんですよ!」
「それは確かに……」
「お兄ちゃん……」
「じょ、冗談だから。でも、実際に原田さんが長らく家に来なかった事実はある」
「そ、それは……」
「そーだそーだ!」
独占している件は置いといて、僕はひとまず原田さん側について明莉の言葉を促してみる。
明莉は原田さんのことを間違いなく親友と思っているのだけど、前々から素直に言えないところがある。
……まぁ、僕も同じようなところがあるからわかってしまう気持ちもあるんだど。
「……ちゆりんの方が断る時にわかってくれると思ってるから」
「えっ……?」
「付き合いで言えばちゆりんの方が長いし、正弥くんと付き合い始めたてはあんまり断らない方がいいかなって思っちゃって。だから、ちゆりんの方を断ることが多くなってたけど……ちょっと甘えてたところはあるかも」
明莉はやや恥ずかしがりながら言う。
それを聞いた原田さんは……
「あかち!」
すぐさま明莉に熱い抱擁をする。
「もう……言わなくてもわかってるくせに」
「えへへー それでもあかちのわかりやすいデレが欲しい時があるの」
それに対して、明莉は原田さんの頭を優しくポンポンとした。
……なんだろう。急に少女漫画っぽい空気感が出てきた。
今思うと原田さんの明莉への絡み方は、かまって欲しい彼女感があるし、明莉の普段の態度もちょっと面倒くさい彼氏感がある。
「……見世物じゃないんだけど」
「ご、ごめん」
「いやいや。あか兄さん、何ならこの光景を写真に撮ってもいいですよ?」
「調子に乗るなー!」
明莉は原田さんを引き剝がしながら自分の部屋に向かっていくのを、原田さんはニコニコしながら追っていった。
前にもこんな流れを見たような気がするので、もしかしたら2人はこんな感じで定期的に友情を確かめ合う時間が必要なのかもしれない。
それにしても……原田さんもスキンシップ強めなタイプの女子だったことを改めて思い出した。
大山さんの言う通り、僕が思っているよりは普通のことなのだろう。
この日は久しぶりに明莉の友達の原田さんが我が家を訪れる。
最近家に来るのは桜庭くんばかりだったから、僕の感覚では1年以上会っていないような気がしてしまった。
「あっ、お久しぶりです。あか兄さん」
そして、実際にやって来た原田さんは以前見た時よりも日焼けしていなくて、どこか落ち着いた感じになっていた。
やはり部活を引退して、受験が近くなっている影響なのだろうか。
「何畏まった感じになってるの、ちゆりん」
「……だってぇ~ あかちの家来るなんか久しぶりなんだもん! 緊張っていうかぁ、懐かしいっていうかぁ」
そうかと思ったら明莉と話し出すとよく見た原田さんが戻って来た。
明莉からも時々話は聞いていたから、元気なことは間違いなかったけれど。
「というか、聞いてくださいよ、あか兄さん! あかりってば彼氏ができてから完全にあたしのこと後回しなんですよ!」
「ち、違うよ!? 後回しにしてないよ!」
「その証拠にあたしが一緒に勉強しようって言っても、今日は彼ピとなんで……って断られてたし」
「それはそうだけど、彼ピとは言ってない!」
原田さんの恨み節に明莉は反論するけど、客観的に聞くと明莉が桜庭くんの方を優先しているように聞こえた。
実際に友達と恋人を選べと言われたら……なかなか難しいところだけど、どちらか片方に寄り過ぎてしまうのも問題なのかもしれない。
「まぁまぁ、2人とも落ち着いて」
「あか兄さんならわかってくれますよね? 可愛い妹を桜庭が独占してるんですよ!」
「それは確かに……」
「お兄ちゃん……」
「じょ、冗談だから。でも、実際に原田さんが長らく家に来なかった事実はある」
「そ、それは……」
「そーだそーだ!」
独占している件は置いといて、僕はひとまず原田さん側について明莉の言葉を促してみる。
明莉は原田さんのことを間違いなく親友と思っているのだけど、前々から素直に言えないところがある。
……まぁ、僕も同じようなところがあるからわかってしまう気持ちもあるんだど。
「……ちゆりんの方が断る時にわかってくれると思ってるから」
「えっ……?」
「付き合いで言えばちゆりんの方が長いし、正弥くんと付き合い始めたてはあんまり断らない方がいいかなって思っちゃって。だから、ちゆりんの方を断ることが多くなってたけど……ちょっと甘えてたところはあるかも」
明莉はやや恥ずかしがりながら言う。
それを聞いた原田さんは……
「あかち!」
すぐさま明莉に熱い抱擁をする。
「もう……言わなくてもわかってるくせに」
「えへへー それでもあかちのわかりやすいデレが欲しい時があるの」
それに対して、明莉は原田さんの頭を優しくポンポンとした。
……なんだろう。急に少女漫画っぽい空気感が出てきた。
今思うと原田さんの明莉への絡み方は、かまって欲しい彼女感があるし、明莉の普段の態度もちょっと面倒くさい彼氏感がある。
「……見世物じゃないんだけど」
「ご、ごめん」
「いやいや。あか兄さん、何ならこの光景を写真に撮ってもいいですよ?」
「調子に乗るなー!」
明莉は原田さんを引き剝がしながら自分の部屋に向かっていくのを、原田さんはニコニコしながら追っていった。
前にもこんな流れを見たような気がするので、もしかしたら2人はこんな感じで定期的に友情を確かめ合う時間が必要なのかもしれない。
それにしても……原田さんもスキンシップ強めなタイプの女子だったことを改めて思い出した。
大山さんの言う通り、僕が思っているよりは普通のことなのだろう。
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