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2年生2学期
10月22日(土)曇り 明莉との日常その63
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2学期中間テスト前の土曜日。
この日は数日前までのやる気の無さを取り返すようにしっかりとテスト勉強をした。
塾に通い始めてから初めてのテストでもあり、これで成績が下がってしまったら元も子もない。
受講している数学と英語については、テスト対策用のプリントが配布されたので、有効活用させて貰った。
「りょうちゃん、今日はあかりもお邪魔させて貰うね」
そんな中、居間での勉強中に明莉も教材一式を持ってやって来る。
最近は一人で勉強する時間が増えているようだけど、今日は僕がやる気を出しているから、その影響を受けに来たのだ。
「いやぁ、やっぱりこたつ布団があるっていいねぇ」
違った、こたつ付きの机にしたいだけだった。
急に寒くなったことから例年通り居間の机はこたつ仕様に変わっていて、まだ電気コードは繋いでないけど、今の時期なら十分温かい。
「というか、りょうちゃんはこのこたつでよく勉強できるよね。あかりなんかもう入った時点でちょいねむだよ?」
「その話も毎年恒例な気がするけど、今回の僕はそんな場合じゃないんだ。正直、あんまり勉強できてない」
「塾通ってるんだから勉強はしてるんじゃないの?」
「いや、塾は授業受けてるのと同じ感覚があるから、普通の勉強とはまた別なんだよ。だから、普通の勉強時間も必要」
「そうなんだー でも、りょうちゃんが焦ってるのはなんか珍しいし、本当にピンチなんだね」
「ああ。お喋りはほどほどにしてくれ」
「はーい。じゃあ、あかりも始めますかー」
そう言った後、明莉は本当に大人しく勉強を始めてくれたので、かなり集中して勉強が進められた。
やっぱり他の人の目がある中だと、ちょっとだけやる気が底上げされる気がする。
テスト期間中は塾も早めの時間から教室を解放してくれるらしいので、利用してみてもいいかもしれないと思った。
「ふわぁ……一旦休憩~」
「……おお。いい時間だった」
「だねー なんかりょうちゃんとこうやって勉強してるところ見張り合うの久しぶりな感じだった」
「まぁ、テスト期間しかやらないからね」
「あかりの場合は最近正弥くんと勉強してるせいもあるかも」
「そ、そうか……」
「あれ? りょうちゃん、もしかして寂しいの? ジェラってるの?」
「そ、それは……ちょっとくらいは」
「うお。マジのやつだった。もう、しょうがないお兄ちゃんだな~」
そう言いながらも明莉は嫌そうじゃなかったので、僕は安心する。
ただ、彼氏ができたことで明莉が僕よりも色々と進んでいる気がするから、僕もそろそろ妹離れを考えなければいけないのかもしれない。
もっと早く考えるべきだったんじゃないかという意見は……聞かないこととする。
この日は数日前までのやる気の無さを取り返すようにしっかりとテスト勉強をした。
塾に通い始めてから初めてのテストでもあり、これで成績が下がってしまったら元も子もない。
受講している数学と英語については、テスト対策用のプリントが配布されたので、有効活用させて貰った。
「りょうちゃん、今日はあかりもお邪魔させて貰うね」
そんな中、居間での勉強中に明莉も教材一式を持ってやって来る。
最近は一人で勉強する時間が増えているようだけど、今日は僕がやる気を出しているから、その影響を受けに来たのだ。
「いやぁ、やっぱりこたつ布団があるっていいねぇ」
違った、こたつ付きの机にしたいだけだった。
急に寒くなったことから例年通り居間の机はこたつ仕様に変わっていて、まだ電気コードは繋いでないけど、今の時期なら十分温かい。
「というか、りょうちゃんはこのこたつでよく勉強できるよね。あかりなんかもう入った時点でちょいねむだよ?」
「その話も毎年恒例な気がするけど、今回の僕はそんな場合じゃないんだ。正直、あんまり勉強できてない」
「塾通ってるんだから勉強はしてるんじゃないの?」
「いや、塾は授業受けてるのと同じ感覚があるから、普通の勉強とはまた別なんだよ。だから、普通の勉強時間も必要」
「そうなんだー でも、りょうちゃんが焦ってるのはなんか珍しいし、本当にピンチなんだね」
「ああ。お喋りはほどほどにしてくれ」
「はーい。じゃあ、あかりも始めますかー」
そう言った後、明莉は本当に大人しく勉強を始めてくれたので、かなり集中して勉強が進められた。
やっぱり他の人の目がある中だと、ちょっとだけやる気が底上げされる気がする。
テスト期間中は塾も早めの時間から教室を解放してくれるらしいので、利用してみてもいいかもしれないと思った。
「ふわぁ……一旦休憩~」
「……おお。いい時間だった」
「だねー なんかりょうちゃんとこうやって勉強してるところ見張り合うの久しぶりな感じだった」
「まぁ、テスト期間しかやらないからね」
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「そ、そうか……」
「あれ? りょうちゃん、もしかして寂しいの? ジェラってるの?」
「そ、それは……ちょっとくらいは」
「うお。マジのやつだった。もう、しょうがないお兄ちゃんだな~」
そう言いながらも明莉は嫌そうじゃなかったので、僕は安心する。
ただ、彼氏ができたことで明莉が僕よりも色々と進んでいる気がするから、僕もそろそろ妹離れを考えなければいけないのかもしれない。
もっと早く考えるべきだったんじゃないかという意見は……聞かないこととする。
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