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2年生2学期
10月13日(木)晴れ 花園華凛との日常その18
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快晴で昼間の気温が少し上がった木曜日。
明日は終日文化祭の準備日になるので、
そんな日の昼休み。昼食を取り終えたタイミングで、
「リョウスケ、少し話があります」
と、花園さんから声をかけられる。
少し前にあった花園さんのお店に行く話だろうかと思ったけど、廊下に出た瞬間に花園さんの表情は真剣な表情になった。
「文化祭直前になりましたが、ミチちゃんの様子は特に変わりないですか?」
「えっ? 特に変わりないと思うけど……?」
「……まさか去年のことを忘れているのですか?」
花園さんは圧をかけながらそう聞いてくる。
そのおかげで僕は忘れていた……というよりは気にしなくなっていたことを思い出した。
「わ、忘れてないよ。直近でそういう話は出てないし」
去年の文化祭で路ちゃんに降りかかった災難。
中学時代の苦手な同級生が展示にやって来て、嫌な気持ちから思わずに逃げ出してしまったこと。
その出来事は一応去年でひと区切りついた……と僕は思っていた。
「ですが、今年も遭遇した時に同じ様になる可能性もあります」
「それは……ないとは言い切れないけど、わざわざ指摘するのもちょっと……」
「ええ。だから、リョウスケに改めて警戒するように言っているのです」
「な、なるほど」
「当日は華凛もなるべく文芸部の前を見張っています」
「ええっ!? そこまでやらなくても……」
「やらなきゃいけないのです。今年こそは……ミチちゃんに楽しい気持ちのまま2日間を終えて欲しいから」
花園さんは力強く言う。
その言葉に僕はこの件を軽く扱いそうになってしまったことを反省する。
昨年のことを知っているなら僕も意識しなければいけなかった点だ。
たとえ路ちゃんが口にしなくても、気にしないというのは間違いだった。
「迷惑をかけるつもりはありません。でも、華凛ができることはやりたいんです」
「……わかった。僕もなるべく協力するよ。ただ、花園さんも文化祭は楽しんで欲しいから……」
「それは……少々誇張して言ってしまいました。さすがに四六時中見張るようなことはしません」
花園さんがそう言ってくれたので僕は安心する。
楽しい気持ちで終わって欲しいのは花園さんも同じだ。
「でも、件の人が誰かわからないからどうしようか……」
「そこは心配いりません。騒がしい女子グループは全て報告するようにします」
「めちゃくちゃ迷惑なんだけど!?」
それは冗談だとして、花園さんが路ちゃんを想う気持ちは尊重したいと思う。
文芸部としては、来てくれる人を拒むわけにはいかないので、何事も起きないように祈っておこう。
明日は終日文化祭の準備日になるので、
そんな日の昼休み。昼食を取り終えたタイミングで、
「リョウスケ、少し話があります」
と、花園さんから声をかけられる。
少し前にあった花園さんのお店に行く話だろうかと思ったけど、廊下に出た瞬間に花園さんの表情は真剣な表情になった。
「文化祭直前になりましたが、ミチちゃんの様子は特に変わりないですか?」
「えっ? 特に変わりないと思うけど……?」
「……まさか去年のことを忘れているのですか?」
花園さんは圧をかけながらそう聞いてくる。
そのおかげで僕は忘れていた……というよりは気にしなくなっていたことを思い出した。
「わ、忘れてないよ。直近でそういう話は出てないし」
去年の文化祭で路ちゃんに降りかかった災難。
中学時代の苦手な同級生が展示にやって来て、嫌な気持ちから思わずに逃げ出してしまったこと。
その出来事は一応去年でひと区切りついた……と僕は思っていた。
「ですが、今年も遭遇した時に同じ様になる可能性もあります」
「それは……ないとは言い切れないけど、わざわざ指摘するのもちょっと……」
「ええ。だから、リョウスケに改めて警戒するように言っているのです」
「な、なるほど」
「当日は華凛もなるべく文芸部の前を見張っています」
「ええっ!? そこまでやらなくても……」
「やらなきゃいけないのです。今年こそは……ミチちゃんに楽しい気持ちのまま2日間を終えて欲しいから」
花園さんは力強く言う。
その言葉に僕はこの件を軽く扱いそうになってしまったことを反省する。
昨年のことを知っているなら僕も意識しなければいけなかった点だ。
たとえ路ちゃんが口にしなくても、気にしないというのは間違いだった。
「迷惑をかけるつもりはありません。でも、華凛ができることはやりたいんです」
「……わかった。僕もなるべく協力するよ。ただ、花園さんも文化祭は楽しんで欲しいから……」
「それは……少々誇張して言ってしまいました。さすがに四六時中見張るようなことはしません」
花園さんがそう言ってくれたので僕は安心する。
楽しい気持ちで終わって欲しいのは花園さんも同じだ。
「でも、件の人が誰かわからないからどうしようか……」
「そこは心配いりません。騒がしい女子グループは全て報告するようにします」
「めちゃくちゃ迷惑なんだけど!?」
それは冗談だとして、花園さんが路ちゃんを想う気持ちは尊重したいと思う。
文芸部としては、来てくれる人を拒むわけにはいかないので、何事も起きないように祈っておこう。
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