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2年生2学期
9月17日(土)曇り 前進する清水夢愛
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3連休が始まった土曜日。
しかし、ちょうど台風がやってくるから良い日和とは言えないし、今回は規模も大変なことになっているので、無事に通り過ぎるのを祈るしかない。
そんな日の朝、僕にメッセージが送られて来る。
僕はそれを見た時、どうしようかと一瞬悩んでしまったけど、すぐに返信した。
それから20分後。僕が集合場所に到着すると……
「おはよう、良助……久しぶり」
清水先輩がいつものように待っていた。
会うのは……夏休みぶりになる。
「お久しぶりです。それじゃあ、行きましょうか」
僕は少し急かすようにそう言って散歩を始めた。
僕は……あの夏祭りで清水先輩にフラれてしまった。
シチュエーションが悪かったのか、あまりに唐突だったせいか。
理由は色々あるかもしれないけど、僕が想いを伝えた時、清水先輩が見せたのは拒否でも落胆でもなく、驚きの表情だった。
それから少し間が空いて、清水先輩は僕に謝った。
「良助と恋愛はできない……で、でも、良助のことは嫌いじゃないんだ。むしろ、好きなんだ。だけど……」
必死に言葉を選んでくれる清水先輩を見て、僕は「ああ、やってしまった」と思った。
清水先輩が僕に見せる信頼は、友情だったのだ。
いや、友情よりもさらに深いものなのかもしれないけど、それは僕が抱いた恋愛感情とは違う。
そういう考え方をするのが清水先輩で、僕はそこに惹かれていた。
そして、清水先輩がそれを受け入れてくれるんじゃないかと勝手に思っていた。
ただ、それで清水先輩を困らせてしまうくらいなら……言わなければ良かったと思った。
「すみません……」
気付けば僕も謝っていた。
自分の悪い癖だ。
たぶん、これは謝ることなんかじゃない。
謝った方が相手に罪悪感を与えてしまう。
フラれたのを割り切って、笑って済ませるぐらいが良かった。
でも、できなかった。
本気で辛かったからだ。
フラれたこともそうだし、清水先輩を狼狽させるほど困らせたことも。
「……さっきのことは忘れてとは言いません。ただ、清水先輩がいいのなら、僕はこれからも……」
「……りょ、良助はそれでいいのか?」
「……はい」
それがあの夏祭りの結末だった。
だから、今日こうして僕はまた、清水先輩と一緒に散歩している。
いや、実際のところは清水先輩から言ってくれなければ、僕はもう一度顔を会わせる勇気は出なかっただろう。
「……そんな感じだ。最近は」
「そうですか。でも、良かったじゃないですか。受験的には何も問題なさそうで」
「ああ。それで良助は最近どうなんだ?」
「僕は……」
何事もなかったかのように、僕と清水先輩は最近の自分のことを語った。
だけど、僕は心の中でまだ燻っていた。
未練と言われたら否定できないけど、どちらかといえば罪悪感のようなものが。
清水先輩に言った最近の出来事の裏側でいつもちらついていた。
それでも清水先輩とこうして元に戻れたのだから、僕もそろそろ割り切らないといけない。
清水先輩が受験に前進していくように、僕も少しずつ……
しかし、ちょうど台風がやってくるから良い日和とは言えないし、今回は規模も大変なことになっているので、無事に通り過ぎるのを祈るしかない。
そんな日の朝、僕にメッセージが送られて来る。
僕はそれを見た時、どうしようかと一瞬悩んでしまったけど、すぐに返信した。
それから20分後。僕が集合場所に到着すると……
「おはよう、良助……久しぶり」
清水先輩がいつものように待っていた。
会うのは……夏休みぶりになる。
「お久しぶりです。それじゃあ、行きましょうか」
僕は少し急かすようにそう言って散歩を始めた。
僕は……あの夏祭りで清水先輩にフラれてしまった。
シチュエーションが悪かったのか、あまりに唐突だったせいか。
理由は色々あるかもしれないけど、僕が想いを伝えた時、清水先輩が見せたのは拒否でも落胆でもなく、驚きの表情だった。
それから少し間が空いて、清水先輩は僕に謝った。
「良助と恋愛はできない……で、でも、良助のことは嫌いじゃないんだ。むしろ、好きなんだ。だけど……」
必死に言葉を選んでくれる清水先輩を見て、僕は「ああ、やってしまった」と思った。
清水先輩が僕に見せる信頼は、友情だったのだ。
いや、友情よりもさらに深いものなのかもしれないけど、それは僕が抱いた恋愛感情とは違う。
そういう考え方をするのが清水先輩で、僕はそこに惹かれていた。
そして、清水先輩がそれを受け入れてくれるんじゃないかと勝手に思っていた。
ただ、それで清水先輩を困らせてしまうくらいなら……言わなければ良かったと思った。
「すみません……」
気付けば僕も謝っていた。
自分の悪い癖だ。
たぶん、これは謝ることなんかじゃない。
謝った方が相手に罪悪感を与えてしまう。
フラれたのを割り切って、笑って済ませるぐらいが良かった。
でも、できなかった。
本気で辛かったからだ。
フラれたこともそうだし、清水先輩を狼狽させるほど困らせたことも。
「……さっきのことは忘れてとは言いません。ただ、清水先輩がいいのなら、僕はこれからも……」
「……りょ、良助はそれでいいのか?」
「……はい」
それがあの夏祭りの結末だった。
だから、今日こうして僕はまた、清水先輩と一緒に散歩している。
いや、実際のところは清水先輩から言ってくれなければ、僕はもう一度顔を会わせる勇気は出なかっただろう。
「……そんな感じだ。最近は」
「そうですか。でも、良かったじゃないですか。受験的には何も問題なさそうで」
「ああ。それで良助は最近どうなんだ?」
「僕は……」
何事もなかったかのように、僕と清水先輩は最近の自分のことを語った。
だけど、僕は心の中でまだ燻っていた。
未練と言われたら否定できないけど、どちらかといえば罪悪感のようなものが。
清水先輩に言った最近の出来事の裏側でいつもちらついていた。
それでも清水先輩とこうして元に戻れたのだから、僕もそろそろ割り切らないといけない。
清水先輩が受験に前進していくように、僕も少しずつ……
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