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2年生2学期
9月13日(火)晴れ時々曇り 後輩との日常・岸元日葵の場合その8
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2日連続で夏のような暑さになった火曜日。
この日は先週引き延ばしになった部活対抗リレーの順番を決めることになったアンカー
「それじゃあ、順番を決めたいと思いまーす!」
その取り決めの中心に立っているのは、部長の路ちゃんでも副部長の僕でもなく日葵さんだった。
正直なところ、リレーに関しては何も言えることがないから、イベント好きな日葵さんに任せた方が良いと判断したのだ。
「まずは……1番走りたい人ー!」
「いや、そういう決め方なの……?」
「そういうとこ雑だよな」
日葵さんの発言に伊月さんと桐山くんがツッコミを入れる。
どうやら1年生の間でも日葵さんは常にこんな感じらしい。
姫宮さんと共に2人を……いや、この場合はたぶん伊月さんを振り回しているのだろう。
「やっぱ自主性が大事かなって思って。勝手にアンカーとかやらされるの嫌でしょ?」
「それはそうなんだけど……産賀さんと路さんはあんまり走るの得意じゃないんですよね?」
伊月さんにそう聞かれて僕と路ちゃんは「面目ない」と返した。
5人の50メートル走のタイムで比べると、2人とも1年生に負けているのは既に知られていた。
「じゃあ、アンカーは俺かな。最後で捲る方がいいと思うし」
「おお。やけにやる気じゃん、桐山」
「ふっ。男にはやらねばならない時があるんだよ」
「そうなんだー 茉奈はどうする?」
「ちょっとは興味持てよ!?」
「はいはい。アンカー期待してるよ」
桐山くんの発言を日葵さんは軽くあしらう。
あんなに姫宮さんと話す時は緊張している桐山くんだけど、日葵さんの前だとかなり自然体で過ごせている。
何とも上手くいかないものだなぁと僕は勝手に思った。
「わたしと日葵ならわたしの方が早いから最初にリードを広げるか、桐山に繋げるように後から捲るか……どっちにしてもまずは先輩方の順番を決めた方がいいかも」
「そ、そうだよね……やっぱりわたしが走る順番が一番重要だよね……」
「あっ!? ち、違うんです、路さん! 決してそういう意味で言ったわけじゃなくて!」
「もう、路センパイは気にし過ぎですよー 部活対抗リレーなんだから楽しくやりましょ?」
その日葵さんの言葉に僕を含めた他の4人は「えっ?」と驚く。
それに対して日葵さんはポカンとしていた。
「えっ? ひまり、変なこと言った?」
「先週、絶対優勝するって言ってたじゃない」
「そうだっけ? まぁ、それはその時のノリ的なものだから。最近は何でも優勝したもん勝ちみたいな感じだし」
「何だか頭痛が痛いみたいな言い方な気がするけど……」
「伊月、いちいちツッコんでたらキリないぞ。順番的にはそこそこ早い日葵が最初に走って、そこから徐々に早くしていくのがいいんじゃないか」
「いいじゃん、それ! 桐山の意見を採用で!」
結局、話の中心だったはずの日葵さんはあまり役割を果たせず、伊月さんと桐山くんが作戦を考える結果になった。
なんというか、今までも視界の端で見えていた関係性ではあったけど、こういう場面になるとそれがよりはっきりわかる。
それはさておき、僕のリレーの順番は3番目になった。
去年よりも早い出番になったけど、今年は他3人が早いから胸を借りるつもりで走らせて貰おう。
「良助くん……バトン渡す前にこけたらごめんね……」
……路ちゃんの走っているところを見たことがないからわからないけど、そんな露骨に何か起こることはないだろう……たぶん。
この日は先週引き延ばしになった部活対抗リレーの順番を決めることになったアンカー
「それじゃあ、順番を決めたいと思いまーす!」
その取り決めの中心に立っているのは、部長の路ちゃんでも副部長の僕でもなく日葵さんだった。
正直なところ、リレーに関しては何も言えることがないから、イベント好きな日葵さんに任せた方が良いと判断したのだ。
「まずは……1番走りたい人ー!」
「いや、そういう決め方なの……?」
「そういうとこ雑だよな」
日葵さんの発言に伊月さんと桐山くんがツッコミを入れる。
どうやら1年生の間でも日葵さんは常にこんな感じらしい。
姫宮さんと共に2人を……いや、この場合はたぶん伊月さんを振り回しているのだろう。
「やっぱ自主性が大事かなって思って。勝手にアンカーとかやらされるの嫌でしょ?」
「それはそうなんだけど……産賀さんと路さんはあんまり走るの得意じゃないんですよね?」
伊月さんにそう聞かれて僕と路ちゃんは「面目ない」と返した。
5人の50メートル走のタイムで比べると、2人とも1年生に負けているのは既に知られていた。
「じゃあ、アンカーは俺かな。最後で捲る方がいいと思うし」
「おお。やけにやる気じゃん、桐山」
「ふっ。男にはやらねばならない時があるんだよ」
「そうなんだー 茉奈はどうする?」
「ちょっとは興味持てよ!?」
「はいはい。アンカー期待してるよ」
桐山くんの発言を日葵さんは軽くあしらう。
あんなに姫宮さんと話す時は緊張している桐山くんだけど、日葵さんの前だとかなり自然体で過ごせている。
何とも上手くいかないものだなぁと僕は勝手に思った。
「わたしと日葵ならわたしの方が早いから最初にリードを広げるか、桐山に繋げるように後から捲るか……どっちにしてもまずは先輩方の順番を決めた方がいいかも」
「そ、そうだよね……やっぱりわたしが走る順番が一番重要だよね……」
「あっ!? ち、違うんです、路さん! 決してそういう意味で言ったわけじゃなくて!」
「もう、路センパイは気にし過ぎですよー 部活対抗リレーなんだから楽しくやりましょ?」
その日葵さんの言葉に僕を含めた他の4人は「えっ?」と驚く。
それに対して日葵さんはポカンとしていた。
「えっ? ひまり、変なこと言った?」
「先週、絶対優勝するって言ってたじゃない」
「そうだっけ? まぁ、それはその時のノリ的なものだから。最近は何でも優勝したもん勝ちみたいな感じだし」
「何だか頭痛が痛いみたいな言い方な気がするけど……」
「伊月、いちいちツッコんでたらキリないぞ。順番的にはそこそこ早い日葵が最初に走って、そこから徐々に早くしていくのがいいんじゃないか」
「いいじゃん、それ! 桐山の意見を採用で!」
結局、話の中心だったはずの日葵さんはあまり役割を果たせず、伊月さんと桐山くんが作戦を考える結果になった。
なんというか、今までも視界の端で見えていた関係性ではあったけど、こういう場面になるとそれがよりはっきりわかる。
それはさておき、僕のリレーの順番は3番目になった。
去年よりも早い出番になったけど、今年は他3人が早いから胸を借りるつもりで走らせて貰おう。
「良助くん……バトン渡す前にこけたらごめんね……」
……路ちゃんの走っているところを見たことがないからわからないけど、そんな露骨に何か起こることはないだろう……たぶん。
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