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2年生夏休み
8月27日(土)曇り 松永浩太との夏歓談その3
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夏休み38日目。夏祭り前日。多くの学生にとっては残り少ない夏休みに悲観する、あるいは既に2学期が始まってしまった学生が一旦体を休める日になっていることだろう
そんな今日は緊張をほぐすために松永の家に行った。明日は伊月さんと夏祭りへ行くから今日は暇かもしれないと思って連絡したけど、本当に暇だったようで助かった。そうでなければ今日一日落ち着かないままだったと思う。
「茉奈ちゃんには文芸部の方に行ってもいいって言ったんだけどさー あっ、りょーちゃんは用事あるから行けないんでしょ? 茉奈ちゃんから聞いたよ」
「あー……用事があるのはそうなんだけど……僕も夏祭りには行く予定なんだ」
「あっ、別で行く予定が……あれ? なんか聞いてた話と違うんだけど、誰と行くの?」
「……清水先輩」
「ははーん、なるほど。それなら納得したわ」
「それでまぁ……告白しようかと思ってる」
「おお、やるじゃん、りょーちゃん! …………えっ???」
僕は夏祭りの話題が出たらそのまま言ってしまった。話を聞いて貰うのが一番心を落ち着けさせられると思っていたからだ。
でも、大山さんの時と同じく前振りなしで言ってしまったから、松永を固まらせてしまった。
「はぁ!? 全然そんな話してなかったじゃん!? よりにもよって前日に言う!?」
「べ、別にいいだろ。本当は終わってから言おうと思ってたけど……」
「ならよし! 事前に言ってくれて良かった!」
「何がいいんだよ」
「それはまぁ今から的確なアドバイスができるからですよ。りょーちゃんもそれを聞きたかったんでしょ?」
「それもあるけど…………単に聞いて欲しかったのもある」
僕が素直に言うと、松永はおちゃらけるのをやめて「そっか」と言ってくれる。もちろん、アドバイスも欲しいところだけど、今の僕に必要なのは話せる相手だった。
「ぶっちゃけるとさ。りょーちゃんは相当前から惚れてたと思ってたよ」
「相当前って……どれくらい?」
「少なくとも2年生になってからは意識してんなーって思うところはあった。りょーちゃん的にはつい最近だったのかもしれないけど」
「いや……たぶん合ってるよ。それに気付かないだけで、もっとも前からドキドキすることもあったし」
「まぁ、わかるよ。清水先輩はシンプル美人だし、りょーちゃんとは距離間近かったからそりゃあ惚れるでしょうって感じ」
「ぼ、僕は美人かどうかじゃなく……」
「そこはわかってるって。なんていうか、俺にはあんまり興味無さそうだったけど、りょーちゃんは信頼してる感じだったし、りょーちゃんも内から来るものに惹かれたんだと思うよ」
僕自身が言い表せないことを松永は的確に指摘してくる。松永と清水先輩が直接会った回数はそれほど多くないけど、それだけでも察せられるものはあったようだ。
「……なんかめっちゃ恥ずかしくなってきた」
「俺とりょーちゃんの仲なんだからなんだから今更気にしないでいいって」
「そう言われてもなぁ」
「ははっ。それで……何か手伝った方がいい事ある? 現場にはいるから一緒に行動してもいいよ。茉奈ちゃんにも事情を説明するし」
「いや……一人で何とかやるよ。ありがとう」
「……そっか」
「それに伊月さんに知られるのはもっと恥ずかしい……」
「確かに。茉奈ちゃんは張り切ると思うけどなー」
それに対して「勘弁して」と言いながら僕と松永は笑い合った。
もっとからかわれるものかと思ったけど、僕が真剣だと気付いてくれたから松永の中でも真面目な対応してくれた。おかげで前日に悶々と悩まずに済んだし、勝手ながら後押しされた気持ちになった。
だから、あとは本番を迎えるのみだ。
そんな今日は緊張をほぐすために松永の家に行った。明日は伊月さんと夏祭りへ行くから今日は暇かもしれないと思って連絡したけど、本当に暇だったようで助かった。そうでなければ今日一日落ち着かないままだったと思う。
「茉奈ちゃんには文芸部の方に行ってもいいって言ったんだけどさー あっ、りょーちゃんは用事あるから行けないんでしょ? 茉奈ちゃんから聞いたよ」
「あー……用事があるのはそうなんだけど……僕も夏祭りには行く予定なんだ」
「あっ、別で行く予定が……あれ? なんか聞いてた話と違うんだけど、誰と行くの?」
「……清水先輩」
「ははーん、なるほど。それなら納得したわ」
「それでまぁ……告白しようかと思ってる」
「おお、やるじゃん、りょーちゃん! …………えっ???」
僕は夏祭りの話題が出たらそのまま言ってしまった。話を聞いて貰うのが一番心を落ち着けさせられると思っていたからだ。
でも、大山さんの時と同じく前振りなしで言ってしまったから、松永を固まらせてしまった。
「はぁ!? 全然そんな話してなかったじゃん!? よりにもよって前日に言う!?」
「べ、別にいいだろ。本当は終わってから言おうと思ってたけど……」
「ならよし! 事前に言ってくれて良かった!」
「何がいいんだよ」
「それはまぁ今から的確なアドバイスができるからですよ。りょーちゃんもそれを聞きたかったんでしょ?」
「それもあるけど…………単に聞いて欲しかったのもある」
僕が素直に言うと、松永はおちゃらけるのをやめて「そっか」と言ってくれる。もちろん、アドバイスも欲しいところだけど、今の僕に必要なのは話せる相手だった。
「ぶっちゃけるとさ。りょーちゃんは相当前から惚れてたと思ってたよ」
「相当前って……どれくらい?」
「少なくとも2年生になってからは意識してんなーって思うところはあった。りょーちゃん的にはつい最近だったのかもしれないけど」
「いや……たぶん合ってるよ。それに気付かないだけで、もっとも前からドキドキすることもあったし」
「まぁ、わかるよ。清水先輩はシンプル美人だし、りょーちゃんとは距離間近かったからそりゃあ惚れるでしょうって感じ」
「ぼ、僕は美人かどうかじゃなく……」
「そこはわかってるって。なんていうか、俺にはあんまり興味無さそうだったけど、りょーちゃんは信頼してる感じだったし、りょーちゃんも内から来るものに惹かれたんだと思うよ」
僕自身が言い表せないことを松永は的確に指摘してくる。松永と清水先輩が直接会った回数はそれほど多くないけど、それだけでも察せられるものはあったようだ。
「……なんかめっちゃ恥ずかしくなってきた」
「俺とりょーちゃんの仲なんだからなんだから今更気にしないでいいって」
「そう言われてもなぁ」
「ははっ。それで……何か手伝った方がいい事ある? 現場にはいるから一緒に行動してもいいよ。茉奈ちゃんにも事情を説明するし」
「いや……一人で何とかやるよ。ありがとう」
「……そっか」
「それに伊月さんに知られるのはもっと恥ずかしい……」
「確かに。茉奈ちゃんは張り切ると思うけどなー」
それに対して「勘弁して」と言いながら僕と松永は笑い合った。
もっとからかわれるものかと思ったけど、僕が真剣だと気付いてくれたから松永の中でも真面目な対応してくれた。おかげで前日に悶々と悩まずに済んだし、勝手ながら後押しされた気持ちになった。
だから、あとは本番を迎えるのみだ。
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