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2年生夏休み
8月13日(土)曇り時々雨 祖父母宅での夏休みⅡその2
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夏休み24日目。祖父母の家で迎えた朝は相変わらずの空模様だけど、僕らはどこかに出かけるわけではないので問題はない。京都らしさを感じられるかと来る前の道にあるコンビニの屋根が違うことくらいだけど、あくまで僕達は祖父母の家に来ているだけだ。
そんな今日も僕ら家族はお菓子をつまみながらゆったりとした時間を過ごしていた。明莉も一応勉強道具を携えて来ていたものの、実際はじいちゃんばあちゃんと話す時間を優先して、のんびりできたようだ。
一方、僕はゆったりとしつつも小説のアイデアを考えていたけど、昨日のように急な思い付きはなかった。
「どうしたんだい、良助」
僕の表情がわかりやすかったのか、ばあちゃんは心配そうに声をかけてくれた。
「実は今年の文化祭に向けた小説で書きたいテーマがなかなか固まらないんだ。ばあちゃんは短歌を考える時、スランプ……というか、思い付かないことってある>」
「そりゃあ、もちろん。スッと思い付く方が珍しいからねぇ。でも、良助はばあちゃんと違って書く期限が決まってるから、いつまでも考えるわけにもいかないのが大変だねぇ」
「一応、夏休み終わってからも時間はあるけど……」
「……良助、ちょっとこっちにおいで」
そう言われたので僕はばあちゃんに付いて行くと、ばあちゃんたちの寝室に到着した。小さい頃は遠慮を知らなかったのでよく入っていたけど、最近はばあちゃんたちのパーソナルスペースだと思っているので久しく入っていなかった。
その中でばあちゃんは引き出しから一冊のノートを取り出す。
「これ、ばあちゃんの短歌ノート。良かったら見てみてねぇ」
「あ、ありがとう。でも、急にどうして?」
「何の解決にもならないかもしれないけど、別の人の作品を読むと刺激を貰えることもあると思って。ばあちゃんも良助には文化祭の冊子も貰って学生さんの作品を読んだらちょっと書いてみようと思ったんだよ」
「なるほど……」
「あっ。でも、ばあちゃんは上手なわけではないから期待はしないでねぇ」
「いやいや、去年もばあちゃんのおかげでアイデアが浮かんだから、ばあちゃんの作品から刺激が貰えると思うよ。本当にありがとう」
「お礼なんていいよ。それより良助。この冊子の作品についてだけど、感想を聞いてくれるかい?」
「それはもちろん。でも、去年の冊子の感想覚えてるんだね」
「いや、時間があるとつい読み返してしまってねぇ。お友達にも貸して読んで貰ったりしているよ」
「そんなに何回も読んでたの!?」
「えっ? 読んで貰うものじゃないのかい?」
「そ、そうだね。それが正しい……んだけど」
それはそれとして、ばあちゃんとそのお友達に僕の拙い文章が何回も読まれていると思うと、やけに気恥ずかしい。
でも、冊子を大事そうにしながら笑うばあちゃんを見ると、本当に楽しんでくれたのがよくわかる。それだけ目を通されたのなら冊子も本望だろう。
その後、京都を離れるまではばあちゃんの作品を見たり、冊子の感想を聞いたりして時間が過ぎていった。じいちゃんも読んでくれたようだけど、感想の濃さはばあちゃんの方が圧倒的に上で、僕でも忘れかけていた他の作品もしっかり感想を言っていた。
今すぐに何か思い付くことはなかったけど、ばあちゃんの言う通りいい刺激になったと思う。
そんな今日も僕ら家族はお菓子をつまみながらゆったりとした時間を過ごしていた。明莉も一応勉強道具を携えて来ていたものの、実際はじいちゃんばあちゃんと話す時間を優先して、のんびりできたようだ。
一方、僕はゆったりとしつつも小説のアイデアを考えていたけど、昨日のように急な思い付きはなかった。
「どうしたんだい、良助」
僕の表情がわかりやすかったのか、ばあちゃんは心配そうに声をかけてくれた。
「実は今年の文化祭に向けた小説で書きたいテーマがなかなか固まらないんだ。ばあちゃんは短歌を考える時、スランプ……というか、思い付かないことってある>」
「そりゃあ、もちろん。スッと思い付く方が珍しいからねぇ。でも、良助はばあちゃんと違って書く期限が決まってるから、いつまでも考えるわけにもいかないのが大変だねぇ」
「一応、夏休み終わってからも時間はあるけど……」
「……良助、ちょっとこっちにおいで」
そう言われたので僕はばあちゃんに付いて行くと、ばあちゃんたちの寝室に到着した。小さい頃は遠慮を知らなかったのでよく入っていたけど、最近はばあちゃんたちのパーソナルスペースだと思っているので久しく入っていなかった。
その中でばあちゃんは引き出しから一冊のノートを取り出す。
「これ、ばあちゃんの短歌ノート。良かったら見てみてねぇ」
「あ、ありがとう。でも、急にどうして?」
「何の解決にもならないかもしれないけど、別の人の作品を読むと刺激を貰えることもあると思って。ばあちゃんも良助には文化祭の冊子も貰って学生さんの作品を読んだらちょっと書いてみようと思ったんだよ」
「なるほど……」
「あっ。でも、ばあちゃんは上手なわけではないから期待はしないでねぇ」
「いやいや、去年もばあちゃんのおかげでアイデアが浮かんだから、ばあちゃんの作品から刺激が貰えると思うよ。本当にありがとう」
「お礼なんていいよ。それより良助。この冊子の作品についてだけど、感想を聞いてくれるかい?」
「それはもちろん。でも、去年の冊子の感想覚えてるんだね」
「いや、時間があるとつい読み返してしまってねぇ。お友達にも貸して読んで貰ったりしているよ」
「そんなに何回も読んでたの!?」
「えっ? 読んで貰うものじゃないのかい?」
「そ、そうだね。それが正しい……んだけど」
それはそれとして、ばあちゃんとそのお友達に僕の拙い文章が何回も読まれていると思うと、やけに気恥ずかしい。
でも、冊子を大事そうにしながら笑うばあちゃんを見ると、本当に楽しんでくれたのがよくわかる。それだけ目を通されたのなら冊子も本望だろう。
その後、京都を離れるまではばあちゃんの作品を見たり、冊子の感想を聞いたりして時間が過ぎていった。じいちゃんも読んでくれたようだけど、感想の濃さはばあちゃんの方が圧倒的に上で、僕でも忘れかけていた他の作品もしっかり感想を言っていた。
今すぐに何か思い付くことはなかったけど、ばあちゃんの言う通りいい刺激になったと思う。
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