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2年生夏休み
8月12日(金)曇り 祖父母宅での夏休みⅡ
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夏休み23日目。台風の動向は気になるところだけど、今日は1泊2日で京都の祖父母の家に向かうことになる。いざとなったら滞在を増やすという手もある……けど、その場合運転で苦しむのは父さんと母さんだ。
今回も僕と明莉は父さんの頑張りに甘えて、祖父母宅に着くまでは寝たり起きたりを繰り返していた。いつも通りパーキングエリアの2回の休憩を挟み、自然溢れる景色が見え始めると祖父母宅へ到着する。
「よく来たねぇ、良助。また大きゅうなって」
出迎えてくれたばあちゃんに恒例の挨拶をされて、僕は「今年はそんなに変わってなかったよ」と返す。でも、これからばあちゃんの腰が曲がったりすると、僕が大きくなったように見えてしまうのかもしれない。
「明莉もまたべっぴんさんに……ああ、そうだ。おめでとう、明莉」
「ありがとう、おばあちゃん」
一方、明莉の方は恒例の挨拶とは少々違った反応だった。その様子を僕が意外そうに見ていると、母さんが横から言う。
「明莉、おばあちゃんには報告してたのよ。彼氏ができたら教えて欲しいって言われたから」
「へぇ、マメだなぁ……あれ? おばあちゃんには?」
「まぁ、その……おじいちゃんも喜ぶとは思うんだけどね」
母さんが濁すように言うのは伝えていない証拠だった。こういう時、孫の顔が見られると喜ぶ人もいるだろうけど、うちのじいちゃんはどちらかといえば僕や父さん寄りなので、ショックの方が大きい可能性がある。これは慎重に伝えないと……
「あっ、おじいちゃん。あかり、彼氏できたから」
「ほうかえ……は?」
「いやぁ、でも、今年はあかりも受験生だから大変だよ」
明莉が選んだ行動はさらりと伝えるというものだった。じいちゃんはその事実をまだかみしめられていないように見えるけど、これくらいがちょうどいいのかもしれない。きっと僕らが帰った頃、ばあちゃんと色々話すに違いない。
そんな明莉の彼氏ショックを和らげるわけじゃないけど、僕は先日買ったお土産を取り出す。
「じいちゃん、お土産を持って来たんだ。友達に和菓子の家の子がいて、そこで買ってきたんだよ」
「ほ、ほうかえ。わざわざありがとうな、良助。」
「いやいや、いつもご馳走して貰ってるから。ちなみにちょっと聞きたいんだけど……京都の人って和菓子は頻繁に食べるの?」
「どうじゃろうか? お菓子はよく貰っとるが……ばあさんや」
「頻繁かと言われるとわからないけど、良助達よりは食べる機会があるかもしれないねぇ。いってもばあちゃん達のとこは田舎だから」
「そうなんだ」
「それより、ばあちゃんも良助と明莉のためにお菓子を買い込んでたんだよ。今出すからねぇ」
そう言うとあっという間にテーブルには大量のお菓子が並んだ。そうか、よく考えれば祖父母の家で食べてるのはこちらでも馴染みのある駄菓子の方が多かった。
恐らくばあちゃん達からすれば僕と明莉は小さい頃の印象が残っているから、和菓子よりかはこういう駄菓子の方が喜ぶと思われている。
「わーい、お菓子だぁ! あっ、りょうちゃん、酸っぱいの当たる奴あるよ」
そして、実際明莉と……なんやかんや僕もそれで喜んでしまうタイプだった。駄菓子はいくつになっても美味しいし、それに祖父母の家で食べるから何となくいい感じな気がするのだ。
「あっ!」
「ん? どしたの、りょうちゃん」
「今のいいアイデアが降ってきた気がする!」
その時、長らく止まっていた短歌で詠みたいことが浮かんできた。去年と近いネタにはなってしまうけど、そういうシリーズとして作るのも悪くない。もしかしたら、京都の祖父母の家は僕のとってのパワースポットになるかもしれない。
それから、墓参りの時間以外は祖父母の家でゆっくりと過ごしながら僕は短歌を考えていた。この調子で小説の方のテーマも思い浮かべていきたい。
今回も僕と明莉は父さんの頑張りに甘えて、祖父母宅に着くまでは寝たり起きたりを繰り返していた。いつも通りパーキングエリアの2回の休憩を挟み、自然溢れる景色が見え始めると祖父母宅へ到着する。
「よく来たねぇ、良助。また大きゅうなって」
出迎えてくれたばあちゃんに恒例の挨拶をされて、僕は「今年はそんなに変わってなかったよ」と返す。でも、これからばあちゃんの腰が曲がったりすると、僕が大きくなったように見えてしまうのかもしれない。
「明莉もまたべっぴんさんに……ああ、そうだ。おめでとう、明莉」
「ありがとう、おばあちゃん」
一方、明莉の方は恒例の挨拶とは少々違った反応だった。その様子を僕が意外そうに見ていると、母さんが横から言う。
「明莉、おばあちゃんには報告してたのよ。彼氏ができたら教えて欲しいって言われたから」
「へぇ、マメだなぁ……あれ? おばあちゃんには?」
「まぁ、その……おじいちゃんも喜ぶとは思うんだけどね」
母さんが濁すように言うのは伝えていない証拠だった。こういう時、孫の顔が見られると喜ぶ人もいるだろうけど、うちのじいちゃんはどちらかといえば僕や父さん寄りなので、ショックの方が大きい可能性がある。これは慎重に伝えないと……
「あっ、おじいちゃん。あかり、彼氏できたから」
「ほうかえ……は?」
「いやぁ、でも、今年はあかりも受験生だから大変だよ」
明莉が選んだ行動はさらりと伝えるというものだった。じいちゃんはその事実をまだかみしめられていないように見えるけど、これくらいがちょうどいいのかもしれない。きっと僕らが帰った頃、ばあちゃんと色々話すに違いない。
そんな明莉の彼氏ショックを和らげるわけじゃないけど、僕は先日買ったお土産を取り出す。
「じいちゃん、お土産を持って来たんだ。友達に和菓子の家の子がいて、そこで買ってきたんだよ」
「ほ、ほうかえ。わざわざありがとうな、良助。」
「いやいや、いつもご馳走して貰ってるから。ちなみにちょっと聞きたいんだけど……京都の人って和菓子は頻繁に食べるの?」
「どうじゃろうか? お菓子はよく貰っとるが……ばあさんや」
「頻繁かと言われるとわからないけど、良助達よりは食べる機会があるかもしれないねぇ。いってもばあちゃん達のとこは田舎だから」
「そうなんだ」
「それより、ばあちゃんも良助と明莉のためにお菓子を買い込んでたんだよ。今出すからねぇ」
そう言うとあっという間にテーブルには大量のお菓子が並んだ。そうか、よく考えれば祖父母の家で食べてるのはこちらでも馴染みのある駄菓子の方が多かった。
恐らくばあちゃん達からすれば僕と明莉は小さい頃の印象が残っているから、和菓子よりかはこういう駄菓子の方が喜ぶと思われている。
「わーい、お菓子だぁ! あっ、りょうちゃん、酸っぱいの当たる奴あるよ」
そして、実際明莉と……なんやかんや僕もそれで喜んでしまうタイプだった。駄菓子はいくつになっても美味しいし、それに祖父母の家で食べるから何となくいい感じな気がするのだ。
「あっ!」
「ん? どしたの、りょうちゃん」
「今のいいアイデアが降ってきた気がする!」
その時、長らく止まっていた短歌で詠みたいことが浮かんできた。去年と近いネタにはなってしまうけど、そういうシリーズとして作るのも悪くない。もしかしたら、京都の祖父母の家は僕のとってのパワースポットになるかもしれない。
それから、墓参りの時間以外は祖父母の家でゆっくりと過ごしながら僕は短歌を考えていた。この調子で小説の方のテーマも思い浮かべていきたい。
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