471 / 942
2年生1学期
7月18日(月)曇り 拡散する大山亜里沙その15
しおりを挟む
海の日の月曜日。去年も同じようなことを書いたかもしれないけど、僕は海にあまり縁がない人生を送っているし、今日も特別海の日らしいことはしない。それなら海の情景でも少し想像してみようかと思ったけど、今日の曇り空だと何となく荒れた海が浮かんでしまうのは残念なところだ。
そんな中、今日の珍しく僕からメッセージを送った。本当なら昨日のうちに送りたかったけど、僕の中でも情報を整理する時間が欲しかったから今日になってしまった。
『えー!? 昨日来たんだ、明莉ちゃんの彼氏さん』
それは明莉に関わる件での功労者である大山さんへの報告だ。さすがに明莉もうちへ来ることまでは言ってなかったらしく、驚いた大山さんは勢いのまま電話までかけてきた。
『それで? どんな感じの子だったの?』
「好青年って感じだった。明莉から相談された時は特に何も聞いてなかったんだっけ?」
『ううん。ちょっと弄りがいのある子だとは聞いてた』
「弄りがいかぁ。確かに明莉の方が上手に見えたよ」
『そうなんだー うぶクンは何話したの?』
「いや、僕は挨拶しただけ」
『えー、勿体ない。もっと詳しく報告してくれないと困るんだケド。アタシが会えるかわからないんだし』
「そう言われてもあんまり絡み過ぎるのはどうかと思って……前にも聞いたかもしれないけど、大山さんはお兄さんの彼女とかと結構絡んだりしたの?」
『がっつりじゃないケド、ちょっと話したりはしたよ? だって、どういう人か気になるし。うぶクンはそれで満足しちゃったの?』
そう言われてしまうと、もう少し話しても良かった気がするけど、緊張していた桜庭くんへ色々聞くのも悪いと思ったし、兄が出しゃばり過ぎるのも良くないと思った。
「あとは男女の違いがあると思う。初対面の男子同士で話すことあんまり思い付かないし」
『そうかな? アタシはお姉ちゃんの彼氏さんとも初対面で話したケドなぁ』
「じゃあ、僕の性格的な問題か……正直なところ彼氏さんよりはマシだけど、そこそこ緊張してた」
『あはは、うぶクンらしい。アタシは……どうだったかぁ。初めての彼女さんが来る時はちょっと緊張してたけど、どんな人が来るかワクワク感もあった気がする』
「たぶん、うちの母さんもそうだったよ。僕がいない間もちょいちょい絡んでたらしいし」
『それ、アタシのとこも同じ! ある意味兄貴より気合入ってたかも』
それから暫くそれぞれ兄弟姉妹トークで盛り上がる。大山さんの場合は上の兄と姉で、僕は妹だから少しずつ違うところもあるけど、起こり得るシチュエーションは同じものが多いから共感できることも多かった。
『それじゃあ、今度はうぶクンが誰か連れて来る番にならないとね』
「それは……わからないよ」
『ちなみにアタシの兄貴が初めて連れて来たのは高1だった』
「うっ……ま、まぁ、みんなそれくらいなんだろうね……」
『あっ、別にプレッシャーかけてるわけじゃないからね。今日はありがと、わざわざ連絡してくれて』
「いやいや。大山さんには早く知って貰うべきだと思ったから」
『うん。なんか普通に嬉しかった。うぶクンから連絡くれて。いつもは全然そんなことないのに』
「……たまには僕から連絡するようにします」
『あはは。また、プレッシャーかけっちゃった? でも、そっちは期待しておくね!』
単に報告で済ませるつもりだったけど、何か所か刺されてしまった。でも、早めに報告したことは喜んで貰えたので、遠慮せずにメッセージを飛ばして良かったと思った。
そんな中、今日の珍しく僕からメッセージを送った。本当なら昨日のうちに送りたかったけど、僕の中でも情報を整理する時間が欲しかったから今日になってしまった。
『えー!? 昨日来たんだ、明莉ちゃんの彼氏さん』
それは明莉に関わる件での功労者である大山さんへの報告だ。さすがに明莉もうちへ来ることまでは言ってなかったらしく、驚いた大山さんは勢いのまま電話までかけてきた。
『それで? どんな感じの子だったの?』
「好青年って感じだった。明莉から相談された時は特に何も聞いてなかったんだっけ?」
『ううん。ちょっと弄りがいのある子だとは聞いてた』
「弄りがいかぁ。確かに明莉の方が上手に見えたよ」
『そうなんだー うぶクンは何話したの?』
「いや、僕は挨拶しただけ」
『えー、勿体ない。もっと詳しく報告してくれないと困るんだケド。アタシが会えるかわからないんだし』
「そう言われてもあんまり絡み過ぎるのはどうかと思って……前にも聞いたかもしれないけど、大山さんはお兄さんの彼女とかと結構絡んだりしたの?」
『がっつりじゃないケド、ちょっと話したりはしたよ? だって、どういう人か気になるし。うぶクンはそれで満足しちゃったの?』
そう言われてしまうと、もう少し話しても良かった気がするけど、緊張していた桜庭くんへ色々聞くのも悪いと思ったし、兄が出しゃばり過ぎるのも良くないと思った。
「あとは男女の違いがあると思う。初対面の男子同士で話すことあんまり思い付かないし」
『そうかな? アタシはお姉ちゃんの彼氏さんとも初対面で話したケドなぁ』
「じゃあ、僕の性格的な問題か……正直なところ彼氏さんよりはマシだけど、そこそこ緊張してた」
『あはは、うぶクンらしい。アタシは……どうだったかぁ。初めての彼女さんが来る時はちょっと緊張してたけど、どんな人が来るかワクワク感もあった気がする』
「たぶん、うちの母さんもそうだったよ。僕がいない間もちょいちょい絡んでたらしいし」
『それ、アタシのとこも同じ! ある意味兄貴より気合入ってたかも』
それから暫くそれぞれ兄弟姉妹トークで盛り上がる。大山さんの場合は上の兄と姉で、僕は妹だから少しずつ違うところもあるけど、起こり得るシチュエーションは同じものが多いから共感できることも多かった。
『それじゃあ、今度はうぶクンが誰か連れて来る番にならないとね』
「それは……わからないよ」
『ちなみにアタシの兄貴が初めて連れて来たのは高1だった』
「うっ……ま、まぁ、みんなそれくらいなんだろうね……」
『あっ、別にプレッシャーかけてるわけじゃないからね。今日はありがと、わざわざ連絡してくれて』
「いやいや。大山さんには早く知って貰うべきだと思ったから」
『うん。なんか普通に嬉しかった。うぶクンから連絡くれて。いつもは全然そんなことないのに』
「……たまには僕から連絡するようにします」
『あはは。また、プレッシャーかけっちゃった? でも、そっちは期待しておくね!』
単に報告で済ませるつもりだったけど、何か所か刺されてしまった。でも、早めに報告したことは喜んで貰えたので、遠慮せずにメッセージを飛ばして良かったと思った。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる