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2年生1学期

7月11日(月)曇り時々雨 野島実香との日常その6

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 戻り梅雨の空から始まる月曜日。来週にはもう夏休みが始まるので、テスト返却は今日のうちから始まっていて、このペースには今週中に全て返却が終わりそうだ。

 そんな始まりの中、僕の隣の席では一喜一憂する姿が見えた。

「よし! 赤点回避!」

「おー 良かっ……いや、赤点ギリギリなの?」

「いやいや。産賀くん含めた勉強会のおかげで結構余裕の点数ですよ」

「それなら本当に良かったよ」

 僕がそう言うと、野島さんは満足気に頷いた。色々あった気がする今回の勉強会だけど、野島さんにとっては身になるものだったようだ。

「これで夏休みを満喫できる準備は整った」

「こう言うのは良くないかもしれないけど、まだ気が早いんじゃない?」

「そんなことないよ。マジで今回は不安要素少ないし。産賀くんも余裕だろうから夏休みの予定立ててるんじゃない?」

「いや、全く考えてないな」

「えー!? 高2の夏休みは一番遊べる最後の休みなのに!?」

 そう言われてしまうと、来年は受験ないし就職活動に追われているだろうから、遊べる夏休みは今年が最後になるだろう。でも、最後だからといって何か特別なことをしようとは思っていなかった。恐らくこれは去年の夏休みも考えていたことだ。

「うん。逆に来年のこと意識して遊んでおこうって考えられるの凄いと思う」

「いや~ それほどでも……と言いつつ、私も具体的にはあんまり考えられてないんだけどね。でも、親とか先輩とかはしきりに遊んでおけって言うもんだから」

「僕も直接言われたわけじゃないけど、その話はよく聞くね」

「現役の私たちからすると困っちゃうよねー うちの高校じゃバイトもできないからあんま出費多いこともできないし……」

「僕も思い付く限りでは普段より読書やゲームで時間を使うくらいだなぁ」

「あー 産賀くんの場合は読書って選択肢があるのか。ということは、私は茶道部としてお茶を……いや、茶道部でやる分で十分だわ。となると、また産賀くんを巻き込んでカラオケでも行くか……」

「ぼ、僕も? まぁ、事前に言ってくれてたら全然行くけど……」

「産賀くん……すっかり馴染んじゃって。ちょっと嬉しいよ」

 野島さんは謎に感動していた。以前の僕はそんなに乗り気じゃない風に見られていたのだろうか。まぁ、確かに野島さんとの絡み方がわかってきたのはここ最近ではあるけど。

 そんなこんなでこの日の休み時間は野島さんとテストの結果や夏休みについて色々喋った。本当にカラオケへ行くかはわからないけど、野島さんの言うように一番遊べる夏休みの予定はなるべく埋めていきたいと思う。
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