上 下
408 / 942
2年生1学期

5月16日(月)曇り 拡散する大山亜里沙その6

しおりを挟む
 またも微妙な天気で始まった月曜日。3日後がテストということで、クラス内でもテスト範囲を確認したり、教科書から出題し合ったりするテスト前の光景が増えてきた。

 そして、テスト前に恒例となっている大山さんとのあのこともこの日聞くことになった。

「ねぇねぇ。中間テストでどっちがいい点取るか勝負してみない……ミチ?」

「しょ、勝負?」

 ただ、勝負を持ちかけられたのは僕ではなく路ちゃんだった。それが予想外だったので、僕は思わず大山さんの方を見てしまう。

「そうそう。競い合う相手がいた方がモチベーション上がるでしょ? 1年生の時もクラスの人とやってたんだ。うぶクンとか、ね?」

「あ、ああ。うん」

 大山さんは自然な流れで僕に振ってきた。

「でも、わたしは競えるほどいい点数取れないから……」

「そうなの? ミチは頭良さそうに見え――」

「お、大山さん! ちょっと!」

 大山さんの言葉に路ちゃんが小さくなっていくのがわかったので僕は強引に止める。それから大山さんをこちらへ手招きした。

「もしかして……アタシ良くないこと言った?」

「まぁ、うん……別に極端に良くないわけじゃないんだけどね」

「ごめん、ミチ! アタシの言ったことは忘れて!」

「ううん。その……勝負できるかはわからないけれど、亜里沙ちゃんのモチベーションになるならそのつもりで今回のテストを挑んむのいいかも」

「いやいや。アタシのことは全然気にしないで……そうだ! それなら一緒にテスト勉強するとかどう? アタシも全部の教科得意なわけじゃないから、お互いに教え合うカンジで!」

「そ、それは……」

 路ちゃんは言葉に詰まりながら僕の方を一瞬見る。テストの時期と言えば、路ちゃんや花園さんと一緒にやるテスト勉強も恒例だった。
 路ちゃんはそれを気にしてくれているのかもしれないけど、僕は首を横に振った。それを確認した上で路ちゃんは少し考えた後、大山さんに喋りかける。

「わたしで良ければ。たぶん教えて貰うばかりなるとは思うけれど……」

「任せといて! じゃあじゃあ、ぞのサンも誘って――」

 その後の話は僕に関係なさそうだったので、自分のことに意識を向けることにした。

 テストの時の恒例と言ってはいるけど、学年が変われば色々と違ってくることもあるだろう。
 まぁ、大事なのはちゃんとテストに向けた準備をすることなので、大山さんや路ちゃんが一番やりやすい勉強方法を取ってくれればそれが一番いい。
 なんてことを上から言えるほど、余裕があるわけじゃないので僕も恒例のことだけじゃなく、新たな勉強方法を試してみようと思った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

通り道のお仕置き

おしり丸
青春
お尻真っ赤

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

処理中です...