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2年生1学期
4月27日(水)曇り 拡散する大山亜里沙その3
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休みまであと2日の水曜日。連日GWのことばかり書いて申し訳ないけど、気分的には早く休みに入って欲しい気持ちが大きくなってくる。
ただ、今のところ大きな予定は文芸部の歓迎会だけなので、実際に休み始めると暇を持て余してしまうかもしれない。
「うぶクンはGWどこか行く予定あるの?」
そんなことをぼんやりと考えていたところに大山さんからちょうど振られてしまう。僕はそれに対して素直に答えた。
「へー 文芸部は毎年この時期なんだ。バド部はGW中に予定合わせられなかったからちょっと先になんだよねぇ」
「そうなんだ。じゃあ、大山さんの他の予定は?」
「実は今のところないんだよねー」
「えっ。珍しいね」
「それってアタシが長期休みなら毎年遊んでる風に見える的な?」
「そういうわけじゃ……いや、すみません。ちょっと思いました」
「ふふっ、素直でよろしい。別に忘れてたわけじゃないんだケド、気付いたらGW直前で何にも予定立ててなかったカンジ」
「まぁ、4月は何かと忙しいからね」
そう言いつつも僕は4月の後半からがっつりGWを意識し始めていたので、わりと暇人だったのだろう。いつも通り気付けば4月自体が終わってしまいそうだ。
「それならさ、うぶクンとどっか遊びに行っちゃおうかなぁ」
「僕と……?」
「いや、春休みの時は無理矢理呼び出しちゃったし、今度はちゃんと約束してカラオケとか、またボウリングとかみんなでね」
「あ、ああ。なるほどね」
「そうだ! 明莉ちゃんも呼んでもみても面白いかも!」
「それなんだけど……うちの妹、なんか急に受験生の意識が芽生えたみたいで」
「あっ、そっか。今年中3だから高校受験……って意識早くない?」
「僕もそう思ってるんだけど、4月入った直後からそう言いだして。まぁ、この前の休みはいつも通りだったから気まぐれだったのかもしれない」
僕はそう言うけど、聞いている大山さんの方は真剣な表情になる。
「ちょっと気になるな……」
「いや、そんな大げさな話じゃないよ? 自分で言うのもなんだけど、妹のことは過保護気味に見てる可能性はあるから……」
「大げさじゃないのについ言っちゃったのは気になってるってコトでしょ?」
「まぁ……うん」
「うぶクン。遊ぶかどうかは別としてGW中じゃなくてもいいから、明莉ちゃんと話させてくれない? 力になるは言い過ぎかもしれないケド、アタシなら色々聞けるかもしれないから」
大山さんが言っているのは恐らく同性であるからこそ聞けることもあるのではないかという話だ。その考えには一理あるし、僕が気になっているのは本当なので、少し考えてから僕は喋りだす。
「明莉に聞いてみてからになるけど、お願いするかもしれない」
「うん。もちろん、明莉ちゃんの気が向いたらで!」
「ありがとう。うちの妹なのに気にかけてくれて」
「全然。明莉ちゃんはアタシの妹みたいなもんだし」
「それは……どうなの」
「あれ? お兄ちゃん的には不服?」
「不服というか……」
「アタシもたまにはお姉ちゃんっぽくしてみたいっていうか……あっ、ちゃんと真面目に話を聞くつもりではあるからね!?」
大山さんは慌ててそう言う。僕が言いたかったのは真面目かどうかではなく、妹みたいなという発言なんだけど、大山さんが気にしていないので黙っておくことにした。
こうして、GW中……になるかはわからないけど、大山さんが明莉の悩みを聞いてくれる予定ができた。これで明莉が何ともないのであれば、僕がまだ過度なシスコンと言われるだけだし、何かっても大山さんならいい方向に舵を切ってくれるはずだ。
ただ、今のところ大きな予定は文芸部の歓迎会だけなので、実際に休み始めると暇を持て余してしまうかもしれない。
「うぶクンはGWどこか行く予定あるの?」
そんなことをぼんやりと考えていたところに大山さんからちょうど振られてしまう。僕はそれに対して素直に答えた。
「へー 文芸部は毎年この時期なんだ。バド部はGW中に予定合わせられなかったからちょっと先になんだよねぇ」
「そうなんだ。じゃあ、大山さんの他の予定は?」
「実は今のところないんだよねー」
「えっ。珍しいね」
「それってアタシが長期休みなら毎年遊んでる風に見える的な?」
「そういうわけじゃ……いや、すみません。ちょっと思いました」
「ふふっ、素直でよろしい。別に忘れてたわけじゃないんだケド、気付いたらGW直前で何にも予定立ててなかったカンジ」
「まぁ、4月は何かと忙しいからね」
そう言いつつも僕は4月の後半からがっつりGWを意識し始めていたので、わりと暇人だったのだろう。いつも通り気付けば4月自体が終わってしまいそうだ。
「それならさ、うぶクンとどっか遊びに行っちゃおうかなぁ」
「僕と……?」
「いや、春休みの時は無理矢理呼び出しちゃったし、今度はちゃんと約束してカラオケとか、またボウリングとかみんなでね」
「あ、ああ。なるほどね」
「そうだ! 明莉ちゃんも呼んでもみても面白いかも!」
「それなんだけど……うちの妹、なんか急に受験生の意識が芽生えたみたいで」
「あっ、そっか。今年中3だから高校受験……って意識早くない?」
「僕もそう思ってるんだけど、4月入った直後からそう言いだして。まぁ、この前の休みはいつも通りだったから気まぐれだったのかもしれない」
僕はそう言うけど、聞いている大山さんの方は真剣な表情になる。
「ちょっと気になるな……」
「いや、そんな大げさな話じゃないよ? 自分で言うのもなんだけど、妹のことは過保護気味に見てる可能性はあるから……」
「大げさじゃないのについ言っちゃったのは気になってるってコトでしょ?」
「まぁ……うん」
「うぶクン。遊ぶかどうかは別としてGW中じゃなくてもいいから、明莉ちゃんと話させてくれない? 力になるは言い過ぎかもしれないケド、アタシなら色々聞けるかもしれないから」
大山さんが言っているのは恐らく同性であるからこそ聞けることもあるのではないかという話だ。その考えには一理あるし、僕が気になっているのは本当なので、少し考えてから僕は喋りだす。
「明莉に聞いてみてからになるけど、お願いするかもしれない」
「うん。もちろん、明莉ちゃんの気が向いたらで!」
「ありがとう。うちの妹なのに気にかけてくれて」
「全然。明莉ちゃんはアタシの妹みたいなもんだし」
「それは……どうなの」
「あれ? お兄ちゃん的には不服?」
「不服というか……」
「アタシもたまにはお姉ちゃんっぽくしてみたいっていうか……あっ、ちゃんと真面目に話を聞くつもりではあるからね!?」
大山さんは慌ててそう言う。僕が言いたかったのは真面目かどうかではなく、妹みたいなという発言なんだけど、大山さんが気にしていないので黙っておくことにした。
こうして、GW中……になるかはわからないけど、大山さんが明莉の悩みを聞いてくれる予定ができた。これで明莉が何ともないのであれば、僕がまだ過度なシスコンと言われるだけだし、何かっても大山さんならいい方向に舵を切ってくれるはずだ。
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