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2年生1学期
4月10日(日)晴れ 明莉との日常その43
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再び憩いの日となる日曜日。今週は宿題も出されていないし、実力テストも終わったから春休みの時よりもダラダラと時間を過ごしていた。
「もう、りょうちゃん。新年度からだらけちゃって」
そんな風に居間で時間を消費している僕を叱ったのは明莉だった。
「明莉。何か嫌なことでもあったのか? 僕で良ければいつでも相談を……」
「なんでそうなるの!?」
「いや、明莉らしくないこと言うから」
「ふっ、そうかもしれないね。でも、今のあかりは以前の明莉ではなく、3年生へと進化した明莉だから」
そう言った明莉は確かに今週から中学3年生になったけど、それだけで何か変わったようには思えない。少なくとも春休み中は休みが続けばいいと言っていた。
「どの辺りが?」
「全体的に」
「もっと具体的に」
「中身が劇的に成長してるもん」
「そ、そうなんだ……で、本当に何があったの?」
「だから、本当も何もないの。何事も始まりが肝心って言うじゃない」
明莉は冗談を言っている風ではなかったので、ここ数日でも何か思うところはあったのかもしれない。受験を頑張るにしろ、最後の中学校生活を楽しむにしろ、意気込みがあるのはいい事だと思う。
ただ、最初から飛ばし過ぎると息切れしてしまうのも事実だ。ここは兄としてどう対応するのが正解なのか僕は考える。
「……わかった。確かに明莉の言う通り久しぶりに学校を行ったのを言い訳にしてだらけ過ぎてたよ。散歩にでも出かけて体を動かそうかな」
「うんうん。それがいいと思う」
「ついでに何か甘いモノでも買おうと思うけど、何か希望ある?」
「えっ、いいの!? それじゃあ、シュー……いやいや。今年度のあかりはそういうのに釣られない……」
「久しく食べてないし、ダブルシューとかいいな」
「りょ、りょうちゃん……あかりのことを惑わそうとしている……?」
「別にそんなつもりはないよ。ただ、明莉が今年色々がんばるつもりなら、僕も応援したいと思って。たまに甘いモノ食べるくらいはいいでしょ?」
「……ま、まぁ、そこまで言うなら仕方ない。褒美を受け取ってやらんこともないぞ」
よくわからない語彙になっているけど、素直になったようなので僕は安心して一旦出かける。
でも、まさか甘いモノにまで抵抗してくると思わなかった。それほど明莉が新しい始まりを大事にしているのは……いや、もしかして単にふと……お肉が付いてしまったとかそんな感じだろうか。それでだらけている僕にイライラしてしまった可能性もある。
そんなことを考えながら、数十分ほど散歩して、約束通り家族4人分のダブルシューを購入して帰ると……
「すー……すー……」
居間で気持ちよさそうに寝ている明莉がいた……出かける前に僕へ言ってたことは何だったのだろうか。
「あー……りょうちゃん、おかえりー」
「ただいま。進化した明莉さんはがんばっていたようで何より」
「いやー……勉強してみようかと思ったけど、これは春眠しなきゃいけない気温だよ。明日から本気出すー」
「それは出さないやつ……まぁ、いいか」
なんというか、結果的に僕が寝ていた場所を追放されただけだったような気もするけど、ひとまずいつも通りの明莉に戻ってくれて良かった。
今年度の明莉は色々と迷うこともあるだろうけど、気合いを入れ過ぎず明莉らしくやってくれたらいいと思う。
「もう、りょうちゃん。新年度からだらけちゃって」
そんな風に居間で時間を消費している僕を叱ったのは明莉だった。
「明莉。何か嫌なことでもあったのか? 僕で良ければいつでも相談を……」
「なんでそうなるの!?」
「いや、明莉らしくないこと言うから」
「ふっ、そうかもしれないね。でも、今のあかりは以前の明莉ではなく、3年生へと進化した明莉だから」
そう言った明莉は確かに今週から中学3年生になったけど、それだけで何か変わったようには思えない。少なくとも春休み中は休みが続けばいいと言っていた。
「どの辺りが?」
「全体的に」
「もっと具体的に」
「中身が劇的に成長してるもん」
「そ、そうなんだ……で、本当に何があったの?」
「だから、本当も何もないの。何事も始まりが肝心って言うじゃない」
明莉は冗談を言っている風ではなかったので、ここ数日でも何か思うところはあったのかもしれない。受験を頑張るにしろ、最後の中学校生活を楽しむにしろ、意気込みがあるのはいい事だと思う。
ただ、最初から飛ばし過ぎると息切れしてしまうのも事実だ。ここは兄としてどう対応するのが正解なのか僕は考える。
「……わかった。確かに明莉の言う通り久しぶりに学校を行ったのを言い訳にしてだらけ過ぎてたよ。散歩にでも出かけて体を動かそうかな」
「うんうん。それがいいと思う」
「ついでに何か甘いモノでも買おうと思うけど、何か希望ある?」
「えっ、いいの!? それじゃあ、シュー……いやいや。今年度のあかりはそういうのに釣られない……」
「久しく食べてないし、ダブルシューとかいいな」
「りょ、りょうちゃん……あかりのことを惑わそうとしている……?」
「別にそんなつもりはないよ。ただ、明莉が今年色々がんばるつもりなら、僕も応援したいと思って。たまに甘いモノ食べるくらいはいいでしょ?」
「……ま、まぁ、そこまで言うなら仕方ない。褒美を受け取ってやらんこともないぞ」
よくわからない語彙になっているけど、素直になったようなので僕は安心して一旦出かける。
でも、まさか甘いモノにまで抵抗してくると思わなかった。それほど明莉が新しい始まりを大事にしているのは……いや、もしかして単にふと……お肉が付いてしまったとかそんな感じだろうか。それでだらけている僕にイライラしてしまった可能性もある。
そんなことを考えながら、数十分ほど散歩して、約束通り家族4人分のダブルシューを購入して帰ると……
「すー……すー……」
居間で気持ちよさそうに寝ている明莉がいた……出かける前に僕へ言ってたことは何だったのだろうか。
「あー……りょうちゃん、おかえりー」
「ただいま。進化した明莉さんはがんばっていたようで何より」
「いやー……勉強してみようかと思ったけど、これは春眠しなきゃいけない気温だよ。明日から本気出すー」
「それは出さないやつ……まぁ、いいか」
なんというか、結果的に僕が寝ていた場所を追放されただけだったような気もするけど、ひとまずいつも通りの明莉に戻ってくれて良かった。
今年度の明莉は色々と迷うこともあるだろうけど、気合いを入れ過ぎず明莉らしくやってくれたらいいと思う。
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