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1年生春休み
3月31日(木)曇り時々雨 大倉伴憲との春休み
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春休み6日目。この日は午後から大倉くんと遊びに行った。しかし、それはいつものように通話するわけではなく、僕が大倉くんの家にお邪魔する珍しいパターンだった。
なぜそうなったかと言えば……今月の出費が激しいせいで欲しかったゲームを購入できなかったところ、大倉くんの厚意で遊ばせて貰えることになったからだ。
大倉くんは一度僕の家へ遊びに来てくれたけど、僕から行くのはこれが初めてだったので、多少緊張しながら教えられた地図と目印を頼りに向かって行く。
大倉くんは北中の出身なので、地域の区切りは岸本さんと同じだけど、その中で住宅地は複数あるから全く見慣れない道だった。
少しだけ小雨に遭いながらも自宅から自転車で30分ほどすると、大倉くんの家に到着する。
「い、いらっしゃい、産賀くん。天気悪い中ごめんね。迷わずに来れた?」
「大丈夫だったよ。お邪魔します」
「えっと……こっちが居間だから適当に座ってね。何か飲み物取ってくるから」
そう言った大倉くんは少し急いでいる感じがした。お客さんを迎えるとなると、そうなる気持ちはよくわかる。
でも、それを指摘するのも悪い気がするので、僕は部屋を見渡しながら大人しく迎えられることにした。他人の家なので自宅と違う独特の空気は流れているけど、テレビに繋がれたゲーム機や机の様子を見ると、それほど自宅と変わらないような気もする。
「な、何か気になるものでもあった……?」
「ううん。改めて友達の家に来るの久しぶりだったから、ちょっとその空気に浸ってた」
「そ、そう言われると、僕も産賀くんの家にいたのがかなり久しぶりだったなぁ。あれ以来、どこの家にも行ってないけど……」
「遊びに行くとしたら別のところに集まることが多いし、僕と松永以外はお互い距離もあるし仕方ないよ。でも、小学生の時は結構色んな人の家に行ってたのになぁ」
「ぼ、ボクはどっちかというと集まる場所にされてる方だった。正直、あの頃はちょっと恥ずかしさもあったよ」
「あー、わかるわかる。普段は全然気にならないのになんだか家の中散らかってる気がして、あんまり入って欲しくないと思うやつ。それから何回か来た人ならまた気にならなくなるんだけど」
「そうなんだ……ボクは今もちょっと緊張してるかも」
「……大倉くん、まさかエッチな雑誌でも隠してるとか?」
「う、産賀くん!?」
珍しく僕からそういう話題を振ったので、大倉くんは凄く驚いていた。松永と話していると時々そんな方向に行くこともあるけど、大倉くんからすれば僕らしくない言動だったらしい。
「冗談だから。僕の家に松永が来たらよく言われるやつ」
「そ、そういうこと……ち、ちなみに本当に隠してないからね」
「うん。僕も隠してない。というか、今雑誌隠してる人、本当にいるんだろうか……」
「定番のシチュエーションだけど、案外ないのかも……ということは、産賀くんは隠さない何かは持ってるってこと?」
「大倉くん……いや、まぁ、それについては……」
だけど、そこは男子二人集まればということで、決して興味がない話題ではなく、暫くどうでもいいけど口外できない話をすることになった。
もちろん、その後に新作ゲームを遊ばせて貰ったり、二人プレイできるゲームをやったりと、普通の遊びも楽しんだので、良い一日が過ごせた。
なぜそうなったかと言えば……今月の出費が激しいせいで欲しかったゲームを購入できなかったところ、大倉くんの厚意で遊ばせて貰えることになったからだ。
大倉くんは一度僕の家へ遊びに来てくれたけど、僕から行くのはこれが初めてだったので、多少緊張しながら教えられた地図と目印を頼りに向かって行く。
大倉くんは北中の出身なので、地域の区切りは岸本さんと同じだけど、その中で住宅地は複数あるから全く見慣れない道だった。
少しだけ小雨に遭いながらも自宅から自転車で30分ほどすると、大倉くんの家に到着する。
「い、いらっしゃい、産賀くん。天気悪い中ごめんね。迷わずに来れた?」
「大丈夫だったよ。お邪魔します」
「えっと……こっちが居間だから適当に座ってね。何か飲み物取ってくるから」
そう言った大倉くんは少し急いでいる感じがした。お客さんを迎えるとなると、そうなる気持ちはよくわかる。
でも、それを指摘するのも悪い気がするので、僕は部屋を見渡しながら大人しく迎えられることにした。他人の家なので自宅と違う独特の空気は流れているけど、テレビに繋がれたゲーム機や机の様子を見ると、それほど自宅と変わらないような気もする。
「な、何か気になるものでもあった……?」
「ううん。改めて友達の家に来るの久しぶりだったから、ちょっとその空気に浸ってた」
「そ、そう言われると、僕も産賀くんの家にいたのがかなり久しぶりだったなぁ。あれ以来、どこの家にも行ってないけど……」
「遊びに行くとしたら別のところに集まることが多いし、僕と松永以外はお互い距離もあるし仕方ないよ。でも、小学生の時は結構色んな人の家に行ってたのになぁ」
「ぼ、ボクはどっちかというと集まる場所にされてる方だった。正直、あの頃はちょっと恥ずかしさもあったよ」
「あー、わかるわかる。普段は全然気にならないのになんだか家の中散らかってる気がして、あんまり入って欲しくないと思うやつ。それから何回か来た人ならまた気にならなくなるんだけど」
「そうなんだ……ボクは今もちょっと緊張してるかも」
「……大倉くん、まさかエッチな雑誌でも隠してるとか?」
「う、産賀くん!?」
珍しく僕からそういう話題を振ったので、大倉くんは凄く驚いていた。松永と話していると時々そんな方向に行くこともあるけど、大倉くんからすれば僕らしくない言動だったらしい。
「冗談だから。僕の家に松永が来たらよく言われるやつ」
「そ、そういうこと……ち、ちなみに本当に隠してないからね」
「うん。僕も隠してない。というか、今雑誌隠してる人、本当にいるんだろうか……」
「定番のシチュエーションだけど、案外ないのかも……ということは、産賀くんは隠さない何かは持ってるってこと?」
「大倉くん……いや、まぁ、それについては……」
だけど、そこは男子二人集まればということで、決して興味がない話題ではなく、暫くどうでもいいけど口外できない話をすることになった。
もちろん、その後に新作ゲームを遊ばせて貰ったり、二人プレイできるゲームをやったりと、普通の遊びも楽しんだので、良い一日が過ごせた。
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