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1年生3学期
3月21日(月)曇り 花園華凛との日常その10
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春分の日の月曜日。今日は花園さんの誕生日を祝うため、僕と岸本さんも含めていつもの喫茶店に集まった。
たまには他の場所にしてもいいのかもしれないけど、僕がそういう時に使えそうなお店を知らないし、花園さんもそれで問題ないと言ってくれたのでお言葉に甘えさせて貰った。
「かりんちゃん、お誕生日おめでとう……と言うにはとても遅いのだけれど、改めてお祝いさせて貰うね」
「いえいえ、きちんと場を作ってくれるならいつでも嬉しいものです」
「良かったぁ。それじゃあ、早速になるけれど、わたしからのプレゼントをどうぞ」
そう言って岸本さんは中くらいの包みを花園さんへ渡す。
「華凛も早速開けさせて貰います。おお、この本は……」
「かりんちゃんが占いに興味があるって言ってたから、わたしも色々見て良さそうと思った本を何冊か選んだの。一応、今年全般を占っているやつだから」
「自分で買う本とは違う系統なのでありがたいです」
岸本さんのプレゼントとは僕の時と同じで得意分野の本だった。でも、占い本だから小説とは少し違うので、まさしく花園さんに選んだのだろう。
一方、僕の方は花園さんが占いに興味があることを今知ったレベルなので、満点のプレゼントを選べたとは思っていない。
土曜日に清水先輩との散歩を終えたその足でプレゼント探しへ向かった僕は、今回は電話越しに明莉先生のアドバイスを聞きながら選んでいった。
「花園さん、僕からもプレゼントどうぞ」
「ありがとうございます。リョウスケが何を選んでいるのか、結構楽しみです」
「そ、そんなにハードル上げられると困るけど……」
そう言いながら僕は小さな包みを花園さんへ渡す。
「これは……ストラップ?」
「うん。スマホの画面を拭けるようになってるんだ」
前回は電車通学からパスケースを選んだので、それ以外の選択肢で確実に外さないようにするとなると、絶対に使うスマホ関連なら良いのではないかと思ったのだ。
「リョウスケが華凛に抱くイメージはペンギンなのですか?」
「イメージというよりは、可愛いやつを選ぼうと思ってペンギンなったんだ」
「なるほど。華凛に渡すなら可愛いやつが良いと思ったのですね。ちなみにミチちゃんに同じものを渡す予定だったらどうしていましたか?」
「ええっ!? わ、わたし!?」
「今日は華凛の誕生日会ですので、華凛が仕切らせて貰います」
誕生日会とはそういうものだったろうかと思いつつ、僕は真面目に考えてみる。正直に言うと、花園さんにペンギンを選んだのは、普通の動物から少し外した方が気に入って貰えそうという意図もあった。
だから、岸本さんの分を選ぶとなると……逆に無難な選択をすることになる。
「……犬かな。見た種類の中だと」
「そ、そうなんだ……」
「リョウスケはミチちゃんを犬っぽく思ってると……」
「ち、違うよ!? あくまでこのストラップの中から選ぶ話で……!」
そのまま言い訳を続ける僕を花園さんは楽しそうに見る。そうやって主役が楽しんでくれるなら今回の会は成功なんだけど、僕としては岸本さんの反応の方が気になってしまった。
その後、ケーキや飲み物を注文して誕生日会は実質的にお喋り会になっていった。僕もこういう機会がなければ花園さんと直接話さないので、その点では楽しめたと言える。
ただ、時々探りを入れる花園さんには困ってしまったので……今度二人で話した方がいいかもしれない。
たまには他の場所にしてもいいのかもしれないけど、僕がそういう時に使えそうなお店を知らないし、花園さんもそれで問題ないと言ってくれたのでお言葉に甘えさせて貰った。
「かりんちゃん、お誕生日おめでとう……と言うにはとても遅いのだけれど、改めてお祝いさせて貰うね」
「いえいえ、きちんと場を作ってくれるならいつでも嬉しいものです」
「良かったぁ。それじゃあ、早速になるけれど、わたしからのプレゼントをどうぞ」
そう言って岸本さんは中くらいの包みを花園さんへ渡す。
「華凛も早速開けさせて貰います。おお、この本は……」
「かりんちゃんが占いに興味があるって言ってたから、わたしも色々見て良さそうと思った本を何冊か選んだの。一応、今年全般を占っているやつだから」
「自分で買う本とは違う系統なのでありがたいです」
岸本さんのプレゼントとは僕の時と同じで得意分野の本だった。でも、占い本だから小説とは少し違うので、まさしく花園さんに選んだのだろう。
一方、僕の方は花園さんが占いに興味があることを今知ったレベルなので、満点のプレゼントを選べたとは思っていない。
土曜日に清水先輩との散歩を終えたその足でプレゼント探しへ向かった僕は、今回は電話越しに明莉先生のアドバイスを聞きながら選んでいった。
「花園さん、僕からもプレゼントどうぞ」
「ありがとうございます。リョウスケが何を選んでいるのか、結構楽しみです」
「そ、そんなにハードル上げられると困るけど……」
そう言いながら僕は小さな包みを花園さんへ渡す。
「これは……ストラップ?」
「うん。スマホの画面を拭けるようになってるんだ」
前回は電車通学からパスケースを選んだので、それ以外の選択肢で確実に外さないようにするとなると、絶対に使うスマホ関連なら良いのではないかと思ったのだ。
「リョウスケが華凛に抱くイメージはペンギンなのですか?」
「イメージというよりは、可愛いやつを選ぼうと思ってペンギンなったんだ」
「なるほど。華凛に渡すなら可愛いやつが良いと思ったのですね。ちなみにミチちゃんに同じものを渡す予定だったらどうしていましたか?」
「ええっ!? わ、わたし!?」
「今日は華凛の誕生日会ですので、華凛が仕切らせて貰います」
誕生日会とはそういうものだったろうかと思いつつ、僕は真面目に考えてみる。正直に言うと、花園さんにペンギンを選んだのは、普通の動物から少し外した方が気に入って貰えそうという意図もあった。
だから、岸本さんの分を選ぶとなると……逆に無難な選択をすることになる。
「……犬かな。見た種類の中だと」
「そ、そうなんだ……」
「リョウスケはミチちゃんを犬っぽく思ってると……」
「ち、違うよ!? あくまでこのストラップの中から選ぶ話で……!」
そのまま言い訳を続ける僕を花園さんは楽しそうに見る。そうやって主役が楽しんでくれるなら今回の会は成功なんだけど、僕としては岸本さんの反応の方が気になってしまった。
その後、ケーキや飲み物を注文して誕生日会は実質的にお喋り会になっていった。僕もこういう機会がなければ花園さんと直接話さないので、その点では楽しめたと言える。
ただ、時々探りを入れる花園さんには困ってしまったので……今度二人で話した方がいいかもしれない。
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