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1年生3学期
3月3日(木)晴れ 松永浩太との昔話その7
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桃の節句の木曜日。そんな空気感は全く感じられない中、学期末テストが開始される。この日は大きな問題なく終わったけど、土日を挟んで水曜日までテストがあるので油断できない。
「りょーちゃんの家って今日はひな人形飾ってるの?」
そんな僕とは違って帰り道の松永はちゃんと今日の話題に乗っかっていた。
「いや、飾ってない」
「あれ? 前この時期に行った時には飾ってあったような……」
「明莉が小学校高学年になってからは飾らなくなってるから結構前の話だよ」
僕自身はひな祭りに関係ないけど、妹の明莉が生まれた時にはちゃんとひな人形を購入して、小さい頃には僕も飾るを手伝っていた。でも、用意するだけでも結構大変なのでここ数年は省略されている。
「まぁ、形式上は飾った方がいいのかもしれないけど」
「いや、そうじゃなくて明莉ちゃんは飾りたいって言わなくなったの? 俺の家……というか、親戚含めて女の子がほとんどいないからわからないけど、女の子にとってひな人形って憧れるもんじゃないの?」
「うーん……確かに小さい頃は明莉も喜んで出してたような気がするけど、最近はひなより団子になってるかな」
「あっ、それで言うなら給食のちらし寿司と三食餅! あれは俺も結構楽しみだったりした」
「なんか特別感あるよな」
「えっ? りょーちゃんは毎回食べてるんじゃないの?」
「給食があった時は家で食べた覚えはない……あれ? 何なら最近も食べてないわ」
そう考えると、我が家からひな祭りらしい要素がすっかり消えている。いや、明莉は中学の給食があるから恐らくそのひな祭りセットを頂いているのだろうけど。
「なーんだ。じゃあ、俺とりょーちゃんで大した違いはないわけだ」
「むしろ何であると思ったんだ。女の子が主体の日だから仮に何かあっても僕は関係ないぞ」
「そこは妹いるから違うのかなーって思っただけ。あとは昨日の夜に茉奈ちゃんから話を振られたけど、なんもわからなかったから情報収集したかった」
「そういうことか。悪いな、何も参考にならなくて」
「いいよいいよ。りょーちゃんも同じって思ったら昨日苦いリアクションされたのは誰でもそうなったと思えるから」
松永は笑い飛ばしながらそう言う。ということは、松永はひな祭りに関して空気が読めないことを伊月さんに口走ってしまったのかもしれない。色々と話を合わせられる松永もそういう失敗をすることもあるのだ。
そうやって男子目線のひな祭りの話をしているうちに僕は家へ到着した。テスト中だというのに今日の感想も明日以降の話も出ないのは松永との会話らしい。
そして、その日の晩御飯はやっぱりひな祭り感はない食卓だったし、明莉から給食の話を聞いたらいつものセットだったようなので、今年もひな祭りは明莉の特権だった。
「りょーちゃんの家って今日はひな人形飾ってるの?」
そんな僕とは違って帰り道の松永はちゃんと今日の話題に乗っかっていた。
「いや、飾ってない」
「あれ? 前この時期に行った時には飾ってあったような……」
「明莉が小学校高学年になってからは飾らなくなってるから結構前の話だよ」
僕自身はひな祭りに関係ないけど、妹の明莉が生まれた時にはちゃんとひな人形を購入して、小さい頃には僕も飾るを手伝っていた。でも、用意するだけでも結構大変なのでここ数年は省略されている。
「まぁ、形式上は飾った方がいいのかもしれないけど」
「いや、そうじゃなくて明莉ちゃんは飾りたいって言わなくなったの? 俺の家……というか、親戚含めて女の子がほとんどいないからわからないけど、女の子にとってひな人形って憧れるもんじゃないの?」
「うーん……確かに小さい頃は明莉も喜んで出してたような気がするけど、最近はひなより団子になってるかな」
「あっ、それで言うなら給食のちらし寿司と三食餅! あれは俺も結構楽しみだったりした」
「なんか特別感あるよな」
「えっ? りょーちゃんは毎回食べてるんじゃないの?」
「給食があった時は家で食べた覚えはない……あれ? 何なら最近も食べてないわ」
そう考えると、我が家からひな祭りらしい要素がすっかり消えている。いや、明莉は中学の給食があるから恐らくそのひな祭りセットを頂いているのだろうけど。
「なーんだ。じゃあ、俺とりょーちゃんで大した違いはないわけだ」
「むしろ何であると思ったんだ。女の子が主体の日だから仮に何かあっても僕は関係ないぞ」
「そこは妹いるから違うのかなーって思っただけ。あとは昨日の夜に茉奈ちゃんから話を振られたけど、なんもわからなかったから情報収集したかった」
「そういうことか。悪いな、何も参考にならなくて」
「いいよいいよ。りょーちゃんも同じって思ったら昨日苦いリアクションされたのは誰でもそうなったと思えるから」
松永は笑い飛ばしながらそう言う。ということは、松永はひな祭りに関して空気が読めないことを伊月さんに口走ってしまったのかもしれない。色々と話を合わせられる松永もそういう失敗をすることもあるのだ。
そうやって男子目線のひな祭りの話をしているうちに僕は家へ到着した。テスト中だというのに今日の感想も明日以降の話も出ないのは松永との会話らしい。
そして、その日の晩御飯はやっぱりひな祭り感はない食卓だったし、明莉から給食の話を聞いたらいつものセットだったようなので、今年もひな祭りは明莉の特権だった。
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