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1年生3学期
1月16日(日)曇り 明莉との日常その31
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1月も折り返し始めた日曜日。今日も世間的には全国共通テスト2日目の開催や警報が出て落ち着かない1日になっていた。こんな風に大きな出来事が連続したり、重なったりすることは何か運命めいたものがあるのだろうか。僕はその辺りのオカルトは絶対的に信じているわけではないけど、無いとは言い切れないと思っている。
「ねむ……」
「おはよう、明莉。昨日は夜更かししてたの?」
「違うよ。アラートが鳴ってから寝られなくなったの」
そんな日の10時過ぎ。少し遅めの起床をした明莉は愚痴るように言う。確かに昨日……というか日付的には今日に入った0時頃にアラートが1回鳴っていた。
「むしろ、りょうちゃんは眠そうじゃないのなんで?」
「昨日は遊びに行って疲れてたから早めに寝てたからだと思う。アラート鳴った時は起きたけど、その後はぐっすりだったし」
「なるほど……体力の無さがいい方向に働いたんだね……」
明莉にそう言われてしまうけど、本当のことだから否定できない。今年は体力向上も……と一瞬考えたけど、去年も筋トレを習慣付けようとして何回も挫折したから今適当に思うだけではどうにもできなさそうだ。
「うわぁ。また色んな通知来てる……もしかして結構ヤバい感じ……?」
明莉はスマホをスクロールしながら呟く。
「この辺りは影響ないと思うけど、今までにない現象みたいだよ」
「へー あかり的にはそんなわけないって思ってるけど、どこかで読んだ世界の終末が近づいてる……みたいなことなのかな?」
「そういう記事も読むんだ」
「信じるか信じないかはあなた次第!」
「ちょっと胡散臭くなった」
「あかりもこのセリフはそう思う。でも、本当にそうなったら……りょうちゃんはどうする? 最後の日には何してる?」
いつの間にか話は普段の雑談に変わっていた。でも、無いとは言い切れない世界だから僕は少しだけ真面目に考えてみる。
「うーん……よくある回答だと思うけど、やっぱり家族や友人と過ごすかなぁ」
「……あー それね。あかりもそうすると思う!」
「えっ。もしかして別のことしようって考えてた?」
「ち、違うよ。それは当たり前の大前提として、好きな物食べるとか、買いたい物全部買うとか、そういう話をしようと思ってたから……」
「そういうことか。でも、それで考えてもあんまり特別なことはできないと思うな。なんだかんだ今みたいに普通の時間を過ごしているのが一番いいと思う」
「りょうちゃんは真面目だねぇ。あかりは……うん。自分で振っておいてなんだけど、あかりも具体的には思い付かないや。最後の日でも次の季節の期間限定メニューは食べたいって考えてそうだし」
そんな風に僕と明莉が考えてしまうのは危機感がないのか、平和な世界に慣れているのか。それが悪いことだとは思わないけど、最後の日なんていう空想的なことを考える前に有事に対応できるような準備をしておいた方がいいのかもしれない。
それ以外に僕ができる事と言えば、今日のことが何事もなく終わるよう祈ることだけだ。
「ねむ……」
「おはよう、明莉。昨日は夜更かししてたの?」
「違うよ。アラートが鳴ってから寝られなくなったの」
そんな日の10時過ぎ。少し遅めの起床をした明莉は愚痴るように言う。確かに昨日……というか日付的には今日に入った0時頃にアラートが1回鳴っていた。
「むしろ、りょうちゃんは眠そうじゃないのなんで?」
「昨日は遊びに行って疲れてたから早めに寝てたからだと思う。アラート鳴った時は起きたけど、その後はぐっすりだったし」
「なるほど……体力の無さがいい方向に働いたんだね……」
明莉にそう言われてしまうけど、本当のことだから否定できない。今年は体力向上も……と一瞬考えたけど、去年も筋トレを習慣付けようとして何回も挫折したから今適当に思うだけではどうにもできなさそうだ。
「うわぁ。また色んな通知来てる……もしかして結構ヤバい感じ……?」
明莉はスマホをスクロールしながら呟く。
「この辺りは影響ないと思うけど、今までにない現象みたいだよ」
「へー あかり的にはそんなわけないって思ってるけど、どこかで読んだ世界の終末が近づいてる……みたいなことなのかな?」
「そういう記事も読むんだ」
「信じるか信じないかはあなた次第!」
「ちょっと胡散臭くなった」
「あかりもこのセリフはそう思う。でも、本当にそうなったら……りょうちゃんはどうする? 最後の日には何してる?」
いつの間にか話は普段の雑談に変わっていた。でも、無いとは言い切れない世界だから僕は少しだけ真面目に考えてみる。
「うーん……よくある回答だと思うけど、やっぱり家族や友人と過ごすかなぁ」
「……あー それね。あかりもそうすると思う!」
「えっ。もしかして別のことしようって考えてた?」
「ち、違うよ。それは当たり前の大前提として、好きな物食べるとか、買いたい物全部買うとか、そういう話をしようと思ってたから……」
「そういうことか。でも、それで考えてもあんまり特別なことはできないと思うな。なんだかんだ今みたいに普通の時間を過ごしているのが一番いいと思う」
「りょうちゃんは真面目だねぇ。あかりは……うん。自分で振っておいてなんだけど、あかりも具体的には思い付かないや。最後の日でも次の季節の期間限定メニューは食べたいって考えてそうだし」
そんな風に僕と明莉が考えてしまうのは危機感がないのか、平和な世界に慣れているのか。それが悪いことだとは思わないけど、最後の日なんていう空想的なことを考える前に有事に対応できるような準備をしておいた方がいいのかもしれない。
それ以外に僕ができる事と言えば、今日のことが何事もなく終わるよう祈ることだけだ。
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