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1年生2学期
11月15日(月)晴れ 本田真治の報告
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11月も折り返しとなる月曜日。そんな今日は大きな出来事があった。
「産賀くん、おはよー」
朝、教室へ入るとついさっき来たであろう栗原さんが鞄から荷物を出している最中だった。
「おはよう」
「……ねぇ、産賀くんは聞いた?」
「何の話?」
「その感じはまだ聞いてないのかー それじゃあ、私が言うのはやめとく」
栗原さんは含みのある笑みを浮かべながらそう言う。主語がないので何の話かさっぱりわからない。まだ少しだけ眠気が残った頭では栗原さんから僕へ振られるような話題がその時点では思い付かなかった。
その答えがわかったのは昼休みだ。
「三人とも……ちょっといいか?」
昼食を終えたタイミングで本田くんはいつメンのそう呼びかける。そのまま一旦教室を出ると、騒がしい中庭まで連れて行かれた。
「実は報告したいことがある」
「へー? なになに?」
松永がどこか嬉しそうに聞く。この時、僕はようやく栗原さんの振りが何であったかわかった。
「……オレ、大山と付き合うことになった」
少し照れながら本田くんは言う。
「えっ……えええええっ!?」
その言葉に対して一番驚いたのは大倉くんだった。
「ほ、本田くんと大山さんって……えっ!? そういう感じだった……ええっ!?」
「すまん。倉さんには全然話してなかった」
「そ、それって二人は知ってたの!?」
「付き合ったは報告は今日初めて聞いたけど、その過程は知ってた。でも、今のクラさんみたいなリアクション要因がいてくれると助かる」
「ぼ、ボクは助からないよー!」
それも含めて大きなリアクションを取る大倉くんを見て、松永と本田くんは笑う。
「で、でも、おめでとう。これで二人目のリア充だ……」
「ありがとう。突然にはなったけど、この三人には知っておいて欲しかったから」
「嬉しいこと言ってくれるじゃん。で、いつ告白したの?」
「オレがした前提なのか……」
「まぁ、行くならぽんちゃんだと思ってる。実際のところは?」
「昨日……オレからだ」
本田くんが言う事に対して、松永は少しからかい気味に、大倉は感嘆の声を交えながら反応を返していく。
「とりあえず今日のところはこれで勘弁してくれ。これ以上言えることはない」
「しょうがないからそうしてあげますか」
「こ、今度これまでの話とかも聞きたいなぁ……」
「おお、クラさんもイケる口じゃん」
「き、聞くだけなら楽しいから……」
「……良ちゃん」
そんな中、相槌や笑いだけ返していた僕に本田くんが話しかける。
「良ちゃんには色々と世話になった。同じお返しは難しいと思うが、今度何かお礼をさせてくれ」
「……ううん。僕は特に何もしてないよ。お礼は……少しおごってくれれば十分だから」
「それだとありがたい。遊びに行ったタイミングとかで言ってくれ」
「ちょっとちょっと! それなら俺も何かおごって貰って良くない?」
「松永は……考えておく」
「何でー!?」
こうして、本田くんの恋路は見事成就することになった。本田くんががんばって色々と動いてきたことが良い結果として残るのは喜ばしい。
そして、そのついでにわかったのは……あの日の大山さんの相談が過去を清算するためのものだったということだ。恐らく大山さんから見ても本田くんの行動から感じ取れるものがあったのだろう。
恋路の進展にはあまり役に立っていないと思っていたけど、最後の最後で僕も役割を果たせたらしい。
「産賀くん、おはよー」
朝、教室へ入るとついさっき来たであろう栗原さんが鞄から荷物を出している最中だった。
「おはよう」
「……ねぇ、産賀くんは聞いた?」
「何の話?」
「その感じはまだ聞いてないのかー それじゃあ、私が言うのはやめとく」
栗原さんは含みのある笑みを浮かべながらそう言う。主語がないので何の話かさっぱりわからない。まだ少しだけ眠気が残った頭では栗原さんから僕へ振られるような話題がその時点では思い付かなかった。
その答えがわかったのは昼休みだ。
「三人とも……ちょっといいか?」
昼食を終えたタイミングで本田くんはいつメンのそう呼びかける。そのまま一旦教室を出ると、騒がしい中庭まで連れて行かれた。
「実は報告したいことがある」
「へー? なになに?」
松永がどこか嬉しそうに聞く。この時、僕はようやく栗原さんの振りが何であったかわかった。
「……オレ、大山と付き合うことになった」
少し照れながら本田くんは言う。
「えっ……えええええっ!?」
その言葉に対して一番驚いたのは大倉くんだった。
「ほ、本田くんと大山さんって……えっ!? そういう感じだった……ええっ!?」
「すまん。倉さんには全然話してなかった」
「そ、それって二人は知ってたの!?」
「付き合ったは報告は今日初めて聞いたけど、その過程は知ってた。でも、今のクラさんみたいなリアクション要因がいてくれると助かる」
「ぼ、ボクは助からないよー!」
それも含めて大きなリアクションを取る大倉くんを見て、松永と本田くんは笑う。
「で、でも、おめでとう。これで二人目のリア充だ……」
「ありがとう。突然にはなったけど、この三人には知っておいて欲しかったから」
「嬉しいこと言ってくれるじゃん。で、いつ告白したの?」
「オレがした前提なのか……」
「まぁ、行くならぽんちゃんだと思ってる。実際のところは?」
「昨日……オレからだ」
本田くんが言う事に対して、松永は少しからかい気味に、大倉は感嘆の声を交えながら反応を返していく。
「とりあえず今日のところはこれで勘弁してくれ。これ以上言えることはない」
「しょうがないからそうしてあげますか」
「こ、今度これまでの話とかも聞きたいなぁ……」
「おお、クラさんもイケる口じゃん」
「き、聞くだけなら楽しいから……」
「……良ちゃん」
そんな中、相槌や笑いだけ返していた僕に本田くんが話しかける。
「良ちゃんには色々と世話になった。同じお返しは難しいと思うが、今度何かお礼をさせてくれ」
「……ううん。僕は特に何もしてないよ。お礼は……少しおごってくれれば十分だから」
「それだとありがたい。遊びに行ったタイミングとかで言ってくれ」
「ちょっとちょっと! それなら俺も何かおごって貰って良くない?」
「松永は……考えておく」
「何でー!?」
こうして、本田くんの恋路は見事成就することになった。本田くんががんばって色々と動いてきたことが良い結果として残るのは喜ばしい。
そして、そのついでにわかったのは……あの日の大山さんの相談が過去を清算するためのものだったということだ。恐らく大山さんから見ても本田くんの行動から感じ取れるものがあったのだろう。
恋路の進展にはあまり役に立っていないと思っていたけど、最後の最後で僕も役割を果たせたらしい。
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