202 / 942
1年生2学期
10月22日(金)曇り 花園華凛との和解
しおりを挟む
テスト3日目。この時点で7教科が終わって残りの3教科が次週の月曜日に持ち越しとなる。その中には岸本さんが苦手する数Ⅰも残っていた。
そのことから今日は松永とは帰らず、僕は1組の教室へ向かう。すると、ちょうど教室岸本さんと花園さんが出てきた。
「あっ、産賀くん、お疲れ様」
「そっちもお疲れ様。それで来週に数Ⅰのテストあるけど、どうする?」
「それをちょうど言おうと思っていたの。産賀くんが良ければなのだけど……明日、一緒に勉強して貰ってもいい?」
「明日というと……どこかに集まって勉強する感じ?」
「うん。先週のカフェでもいいし、図書館でもいいかなと……も、もちろん、産賀くんが一人で勉強したければ全然断って貰っても……」
岸本さんはそう言うけど、そんな風に頼られてしまったら僕も断れない。というか、普通に嬉しかった。今まで以上に積極的にそういうことを言ってくれることが。
「大丈夫。一緒に勉強した方がサボらないようにできるし……このまま途中まで帰りながら場所決めようか」
「ありがとう、産賀くん」
そのまま明日の勉強会の計画を話しつつ、僕たちは下校していく。ただ、岸本さんとは帰る方向が真逆になるので、それほど一緒にいる時間はなかった。
「詳しい話はまた連絡するわ。産賀くん、かりんちゃん、また明日」
手を振りながら帰って行く岸本さんを僕と花園さんは見送る。何だか文化祭前よりも元気になっている気がするけど、それほどポジティブな気持ちになっていることはいいことだと思う。
しかし、僕の方はそんな呑気なことを思っている暇はなかった。
「えっと……」
「華凛は駅まで行くのでもう少し同じ道です」
「あっ、花園さんって登下校に電車使ってたんだ」
「はい。自宅は高校からは遠いので」
「そうなんだ。僕はこの通り自転車なんだ」
「はい」
「…………」
「…………」
まずい。友達の友達と残されてしまうなんて状況を本当に味わうことになるとは思わなった。電車通学どころか好きな食べ物から聞かなければならないほど、僕は花園さんのことをよく知らない。先週は勢いで一緒に行動していたけど、その中心には岸本さんがいた。その岸本さんがいないと、どんなことを話せばいいかさっぱりわからない。
でも、明日も一緒に勉強会をするのだからここで踏み止まってはいけない。少しでもいいから話題を振ろうと僕は今まで岸本さんから聞かされた花園さんの情報を思い出してみる。確かちょっと不思議な感じがして……それだけしか思い出せない。他の基本的なことや趣味趣向の話は全く聞いていなかった。
「産賀さん」
「は、はい!?」
完全に考えに耽っていた僕は花園さんの呼びかけにオーバーな声をあげる。
「そんなに驚くものですか……?」
「ご、ごめん! 何かあった?」
「何かと言われれば困るのですが……言いたいことがあって声をかけました」
「そ、そうなんだ」
「…………」
「…………」
駄目だ、これは僕が聞こうとする姿勢ができていないのが良くない。僕の中で何を聞かれてしまうのだろうという警戒心が出てしまっている。
「その……明日の勉強会について」
「う、うん。勉強会が何か?」
「華凛も……教えて貰えませんか?」
「な、何を……?」
「何を、と言われましても勉強会なのですから残りのテスト科目についてです。その……正直に言うと華凛はそれほど勉強が得意ではありません。ミチちゃんに教えるどころか自分の方が危ういくらいで……」
そう言われてみると、月曜日に勉強していた時に花園さんは黙々とやっていた気がする。その空気から僕に圧をかけていたのだと思っていたけど、自分の勉強に集中していたんだ。
「もちろん産賀さんが嫌なら無理は言いませんが」
「全然そんなことないよ! 僕で良ければ……というか僕も全部の教科が得意なわけじゃないから教えられるとは限らないけど、できる範囲なら一緒に勉強しよう」
「……本当にいいのですか?」
「そのための勉強会でもあるからね」
「産賀さん……今まで失礼を言ってすみませんでした」
花園さんはいきなり立ち止ってそう言う。あまりの唐突さに僕は驚いて何を返せばいいかわからない。
「……今のは別に勉強を教えて貰えるからという理由で謝ったわけではありません」
「そ、それはわかるけど、どうして今このタイミングで……」
「それは……他に言う機会がなかっただけで……」
花園さんは顔を逸らしながら恥ずかしそうにする。今までそんなに表情が読めなかったけど、今この瞬間はそれがよくわかった。
「正直ついでに言っておきますが……華凛は産賀さんのことをずっと警戒していました。男子なのにミチちゃんの初めての友達になるなんて、どんな手段を使ってたぶらかしたのだと」
「そんな風に思われてたの!?」
「はい。なので、ミチちゃんの目を覚まさせるべく色々と話を聞かせて貰ったのですが……どうにも華凛が想像するような男子とは違うようで、実際に会ってみればなんてことのない普通の男子でした」
「な、なんてことのない」
「ですが、それでも油断はできないので一週間ほど前までは華凛の意志は変っていませんでしたが……今はもう認めざるを得ません。産賀さんはただのお人好しだと」
「それって褒められてる……?」
「表現を間違えました。ええっと……なんか良い人だと」
思わず口を出してしまったけど、恐らく花園さんからすれば良い評価になったということなのだろう。
「それに……ミチちゃんが華凛に話しかける勇気を出したのは産賀さんのおかげだと聞きています。その点だけは警戒していた頃から感謝していましたが、そうでなければ今の華凛の生活はありません。華凛もミチちゃんを同じように今の生活が楽しいのです」
花園さんはその出来事を思い出すように笑う。
「それも踏まえて今までの失礼を謝罪しました。それと……お礼も言わせて頂きます。色々とありがとうございます」
「そんな大したことはしてないよ。それで言うと……僕も花園さんをちょっと避けてたし……」
「は? どうしてですか?」
「だ、だって、警戒されてるとは知らなかったけど、僕に対して何か良く思ってない感じだったから……」
「今のは華凛の心象を減点する言葉です。お礼を取り消させてください」
「ええっ!?」
「……と言いたいところですが、お互いに思うところはあったということで収めておきます」
僕は今しがた岸本さんが抱いた花園さんの不思議な部分を体験している気がする。全くこちらの会話の主導権を握らせてくれない。でも、この感じは不思議と嫌じゃなかった。その理由の一つは今の花園さんの表情がはっきりとわかるようになったからだ。
「それじゃあ、僕も避けていた件についてはごめん……ということで」
「はい。あっ……」
花園さんが足を止めると、駅舎がもう近くまで見えていた。話が盛り上がっていたおかげか僕も花園さんも全然気付いていなかった。
「……それでは産賀さん、華凛はここで失礼します」
「わかった。また明日もよろしく、花園さん」
「はい。さようなら、産賀さん」
微笑みかける花園さんを見送ってから僕は自転車にまたがって走り出す。
こんな流れになると思っていなかったけど、花園さんと和解(?)できたのは本当に良かった。僕も警戒していたせいで踏み込む勇気がなかなか出なかったからこれは花園さんに助けて貰った形になる。これからは花園さんに対しても遠慮なく……と言いたいところだけど、それとは別に花園さんとの会話は一筋縄ではいかないような気がした。
そのことから今日は松永とは帰らず、僕は1組の教室へ向かう。すると、ちょうど教室岸本さんと花園さんが出てきた。
「あっ、産賀くん、お疲れ様」
「そっちもお疲れ様。それで来週に数Ⅰのテストあるけど、どうする?」
「それをちょうど言おうと思っていたの。産賀くんが良ければなのだけど……明日、一緒に勉強して貰ってもいい?」
「明日というと……どこかに集まって勉強する感じ?」
「うん。先週のカフェでもいいし、図書館でもいいかなと……も、もちろん、産賀くんが一人で勉強したければ全然断って貰っても……」
岸本さんはそう言うけど、そんな風に頼られてしまったら僕も断れない。というか、普通に嬉しかった。今まで以上に積極的にそういうことを言ってくれることが。
「大丈夫。一緒に勉強した方がサボらないようにできるし……このまま途中まで帰りながら場所決めようか」
「ありがとう、産賀くん」
そのまま明日の勉強会の計画を話しつつ、僕たちは下校していく。ただ、岸本さんとは帰る方向が真逆になるので、それほど一緒にいる時間はなかった。
「詳しい話はまた連絡するわ。産賀くん、かりんちゃん、また明日」
手を振りながら帰って行く岸本さんを僕と花園さんは見送る。何だか文化祭前よりも元気になっている気がするけど、それほどポジティブな気持ちになっていることはいいことだと思う。
しかし、僕の方はそんな呑気なことを思っている暇はなかった。
「えっと……」
「華凛は駅まで行くのでもう少し同じ道です」
「あっ、花園さんって登下校に電車使ってたんだ」
「はい。自宅は高校からは遠いので」
「そうなんだ。僕はこの通り自転車なんだ」
「はい」
「…………」
「…………」
まずい。友達の友達と残されてしまうなんて状況を本当に味わうことになるとは思わなった。電車通学どころか好きな食べ物から聞かなければならないほど、僕は花園さんのことをよく知らない。先週は勢いで一緒に行動していたけど、その中心には岸本さんがいた。その岸本さんがいないと、どんなことを話せばいいかさっぱりわからない。
でも、明日も一緒に勉強会をするのだからここで踏み止まってはいけない。少しでもいいから話題を振ろうと僕は今まで岸本さんから聞かされた花園さんの情報を思い出してみる。確かちょっと不思議な感じがして……それだけしか思い出せない。他の基本的なことや趣味趣向の話は全く聞いていなかった。
「産賀さん」
「は、はい!?」
完全に考えに耽っていた僕は花園さんの呼びかけにオーバーな声をあげる。
「そんなに驚くものですか……?」
「ご、ごめん! 何かあった?」
「何かと言われれば困るのですが……言いたいことがあって声をかけました」
「そ、そうなんだ」
「…………」
「…………」
駄目だ、これは僕が聞こうとする姿勢ができていないのが良くない。僕の中で何を聞かれてしまうのだろうという警戒心が出てしまっている。
「その……明日の勉強会について」
「う、うん。勉強会が何か?」
「華凛も……教えて貰えませんか?」
「な、何を……?」
「何を、と言われましても勉強会なのですから残りのテスト科目についてです。その……正直に言うと華凛はそれほど勉強が得意ではありません。ミチちゃんに教えるどころか自分の方が危ういくらいで……」
そう言われてみると、月曜日に勉強していた時に花園さんは黙々とやっていた気がする。その空気から僕に圧をかけていたのだと思っていたけど、自分の勉強に集中していたんだ。
「もちろん産賀さんが嫌なら無理は言いませんが」
「全然そんなことないよ! 僕で良ければ……というか僕も全部の教科が得意なわけじゃないから教えられるとは限らないけど、できる範囲なら一緒に勉強しよう」
「……本当にいいのですか?」
「そのための勉強会でもあるからね」
「産賀さん……今まで失礼を言ってすみませんでした」
花園さんはいきなり立ち止ってそう言う。あまりの唐突さに僕は驚いて何を返せばいいかわからない。
「……今のは別に勉強を教えて貰えるからという理由で謝ったわけではありません」
「そ、それはわかるけど、どうして今このタイミングで……」
「それは……他に言う機会がなかっただけで……」
花園さんは顔を逸らしながら恥ずかしそうにする。今までそんなに表情が読めなかったけど、今この瞬間はそれがよくわかった。
「正直ついでに言っておきますが……華凛は産賀さんのことをずっと警戒していました。男子なのにミチちゃんの初めての友達になるなんて、どんな手段を使ってたぶらかしたのだと」
「そんな風に思われてたの!?」
「はい。なので、ミチちゃんの目を覚まさせるべく色々と話を聞かせて貰ったのですが……どうにも華凛が想像するような男子とは違うようで、実際に会ってみればなんてことのない普通の男子でした」
「な、なんてことのない」
「ですが、それでも油断はできないので一週間ほど前までは華凛の意志は変っていませんでしたが……今はもう認めざるを得ません。産賀さんはただのお人好しだと」
「それって褒められてる……?」
「表現を間違えました。ええっと……なんか良い人だと」
思わず口を出してしまったけど、恐らく花園さんからすれば良い評価になったということなのだろう。
「それに……ミチちゃんが華凛に話しかける勇気を出したのは産賀さんのおかげだと聞きています。その点だけは警戒していた頃から感謝していましたが、そうでなければ今の華凛の生活はありません。華凛もミチちゃんを同じように今の生活が楽しいのです」
花園さんはその出来事を思い出すように笑う。
「それも踏まえて今までの失礼を謝罪しました。それと……お礼も言わせて頂きます。色々とありがとうございます」
「そんな大したことはしてないよ。それで言うと……僕も花園さんをちょっと避けてたし……」
「は? どうしてですか?」
「だ、だって、警戒されてるとは知らなかったけど、僕に対して何か良く思ってない感じだったから……」
「今のは華凛の心象を減点する言葉です。お礼を取り消させてください」
「ええっ!?」
「……と言いたいところですが、お互いに思うところはあったということで収めておきます」
僕は今しがた岸本さんが抱いた花園さんの不思議な部分を体験している気がする。全くこちらの会話の主導権を握らせてくれない。でも、この感じは不思議と嫌じゃなかった。その理由の一つは今の花園さんの表情がはっきりとわかるようになったからだ。
「それじゃあ、僕も避けていた件についてはごめん……ということで」
「はい。あっ……」
花園さんが足を止めると、駅舎がもう近くまで見えていた。話が盛り上がっていたおかげか僕も花園さんも全然気付いていなかった。
「……それでは産賀さん、華凛はここで失礼します」
「わかった。また明日もよろしく、花園さん」
「はい。さようなら、産賀さん」
微笑みかける花園さんを見送ってから僕は自転車にまたがって走り出す。
こんな流れになると思っていなかったけど、花園さんと和解(?)できたのは本当に良かった。僕も警戒していたせいで踏み込む勇気がなかなか出なかったからこれは花園さんに助けて貰った形になる。これからは花園さんに対しても遠慮なく……と言いたいところだけど、それとは別に花園さんとの会話は一筋縄ではいかないような気がした。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
彼ノ女人禁制地ニテ
フルーツパフェ
ホラー
古より日本に点在する女人禁制の地――
その理由は語られぬまま、時代は令和を迎える。
柏原鈴奈は本業のOLの片手間、動画配信者として活動していた。
今なお日本に根強く残る女性差別を忌み嫌う彼女は、動画配信の一環としてとある地方都市に存在する女人禁制地潜入の動画配信を企てる。
地元住民の監視を警告を無視し、勧誘した協力者達と共に神聖な土地で破廉恥な演出を続けた彼女達は視聴者たちから一定の反応を得た後、帰途に就こうとするが――
女神と共に、相談を!
沢谷 暖日
青春
九月の初め頃。
私──古賀伊奈は、所属している部活動である『相談部』を廃部にすると担任から言い渡された。
部員は私一人、恋愛事の相談ばっかりをする部活、だからだそうだ。
まぁ。四月頃からそのことについて結構、担任とかから触れられていて(ry
重い足取りで部室へ向かうと、部室の前に人影を見つけた私は、その正体に驚愕する。
そこにいたのは、学校中で女神と謳われている少女──天崎心音だった。
『相談部』に何の用かと思えば、彼女は恋愛相談をしに来ていたのだった。
部活の危機と聞いた彼女は、相談部に入部してくれて、様々な恋愛についてのお悩み相談を共にしていくこととなる──
終わりに見えた白い明日
kio
青春
寿命の終わりで自動的に人が「灰」と化す世界。
「名無しの権兵衛」を自称する少年は、不良たちに囲まれていた一人の少女と出会う。
──これは、終末に抗い続ける者たちの物語。
やがて辿り着くのは、希望の未来。
【1】この小説は、2007年に正式公開した同名フリーノベルゲームを加筆修正したものです(内容に変更はありません)。
【2】本作は、徐々に明らかになっていく物語や、伏線回収を好む方にお勧めです。
【3】『ReIce -second-』にて加筆修正前のノベルゲーム版(WINDOWS機対応)を公開しています(作品紹介ページにて登場人物の立ち絵等も載せています)。
※小説家になろう様でも掲載しています。
樹企画第二弾作品集(Spoon内自主企画)
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
青春
◆こちらはspoonというアプリで、読み手様個人宛てに書いた作品となりますが、spoonに音声投稿後フリー台本として公開許可を頂いたものをこちらにまとめました。
1:30〜8分ほどで読み切れる作品集です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
片思いに未練があるのは、私だけになりそうです
珠宮さくら
青春
髙村心陽は、双子の片割れである姉の心音より、先に初恋をした。
その相手は、幼なじみの男の子で、姉の初恋の相手は彼のお兄さんだった。
姉の初恋は、姉自身が見事なまでにぶち壊したが、その初恋の相手の人生までも狂わせるとは思いもしなかった。
そんな心陽の初恋も、片思いが続くことになるのだが……。
少女が過去を取り戻すまで
tiroro
青春
小学生になり、何気ない日常を過ごしていた少女。
玲美はある日、運命に導かれるように、神社で一人佇む寂しげな少女・恵利佳と偶然出会った。
初めて会ったはずの恵利佳に、玲美は強く惹かれる不思議な感覚に襲われる。
恵利佳を取り巻くいじめ、孤独、悲惨な過去、そして未来に迫る悲劇を打ち破るため、玲美は何度も挫折しかけながら仲間達と共に立ち向かう。
『生まれ変わったら、また君と友達になりたい』
玲美が知らずに追い求めていた前世の想いは、やがて、二人の運命を大きく変えていく────
※この小説は、なろうで完結済みの小説のリメイクです
※リメイクに伴って追加した話がいくつかあります
内容を一部変更しています
※物語に登場する学校名、周辺の地域名、店舗名、人名はフィクションです
※一部、事実を基にしたフィクションが入っています
※タグは、完結までの間に話数に応じて一部増えます
※イラストは「画像生成AI」を使っています
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる