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1年生2学期
9月6日(月)晴れ 主人公補正はかからない
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9月初めての月曜日。この日は早速4時間目を使って体育祭の練習が行われた。とはいっても小中学校の時のようにしっかりした練習ではなく、入場からの流れと整列を少しやっただけで、それほどキツさは感じなかった。
そんな練習を終えてからホームルームを迎えた時だ。
「新学期を迎えたし、席替えやるぞー」
担任の杉岡先生はまたしても何の前触れもなく席替えを宣言した。確かにタイミングとしては全然あると思うけど、さらりと言われるから普通に驚く。
「この席ともお別れか」
そう呟いたのは本田くんだった。本田くんからすれば大山さんと席が近い絶好の席だったから席替えに思うところはあるのかもしれない。
「そうだねー うぶクンも長い間お世話になりました……」
一方、芝居がかった感じで言う大山さんはそんなに惜しんでいる感じではない。いや、これは僕に対して言っているので本田くんのことは関係ないし、大山さんはこの前の席替えもこんな感じだった。
「お世話なんてそんな……これからはちゃんと現社の授業受けてね」
「……でも、二度あることは三度あるって言うじゃない?」
新学期を迎えても大山さんは現社の授業をまともに受けるつもりはないらしい。さすがに今回も隣の席になることはないだろうけど、近くの席だったらまた頼られてしまうかもしれない。
そんなことを思いながらクラスの全員がクジを引き終わると、黒板に数字を割り振った用紙が張り出される。少しばかりざわついた後に移動が始まると、教室は新しい景色になった。
そして、僕の新しい席は……窓際の一番後ろになった。そう、様々な作品における主人公の席だ。以前、大倉くんと話したように今までこの席になった覚えがないから初めての位置になる。特に窓際が好きというわけではないけど、後ろの席として最上級の位置は何となく優越感があるものだ。
そんな感想を抱いた僕の隣の席に来たのは……
「あはは、産賀くんじゃーん。ボウリング以来だっけ?」
栗原さんだった。夏休み中に二回遊んだせいか、栗原さん的に距離が縮まっているのかもしれないが、改めて教室で会うと少し緊張する。
「えっ? 栗原さんって産賀くんと仲いいの!?」
「うんうん。夏休みに何回か遊んだよ」
「へぇ~ ふーん……」
栗原さんの発言に喰い付いたのは一つ前の席にいた野島さんだった。僕からすれば茶道部の野島さんで合ってるよなというくらいの認識だけど、野島さんは僕のことをしっかり認識しているらしい。
「ねぇ、産賀くん。夏休み中にも桜庭先輩や清水先輩に会ってたって話だけど……」
「えっ!? 誰からそんな話を……」
「桜庭先輩と清水先輩」
いやマジですか先輩。僕の知らない間に茶道部で僕のことが話されてるなんて考えてもなかった。
それに対して、僕が何とも言えない表情をしていると、今度は栗原さんが野島さんの話に喰い付く。
「えー! なになに? その先輩との関係って!」
「私も詳しくはわかんないんだけど、どうなの?」
興味津々に聞いて来る二人に僕はお茶を濁す笑いを返す。新しい席は位置としては絶好だけど、環境としては大変なところになってしまったかもしれない。
そんな練習を終えてからホームルームを迎えた時だ。
「新学期を迎えたし、席替えやるぞー」
担任の杉岡先生はまたしても何の前触れもなく席替えを宣言した。確かにタイミングとしては全然あると思うけど、さらりと言われるから普通に驚く。
「この席ともお別れか」
そう呟いたのは本田くんだった。本田くんからすれば大山さんと席が近い絶好の席だったから席替えに思うところはあるのかもしれない。
「そうだねー うぶクンも長い間お世話になりました……」
一方、芝居がかった感じで言う大山さんはそんなに惜しんでいる感じではない。いや、これは僕に対して言っているので本田くんのことは関係ないし、大山さんはこの前の席替えもこんな感じだった。
「お世話なんてそんな……これからはちゃんと現社の授業受けてね」
「……でも、二度あることは三度あるって言うじゃない?」
新学期を迎えても大山さんは現社の授業をまともに受けるつもりはないらしい。さすがに今回も隣の席になることはないだろうけど、近くの席だったらまた頼られてしまうかもしれない。
そんなことを思いながらクラスの全員がクジを引き終わると、黒板に数字を割り振った用紙が張り出される。少しばかりざわついた後に移動が始まると、教室は新しい景色になった。
そして、僕の新しい席は……窓際の一番後ろになった。そう、様々な作品における主人公の席だ。以前、大倉くんと話したように今までこの席になった覚えがないから初めての位置になる。特に窓際が好きというわけではないけど、後ろの席として最上級の位置は何となく優越感があるものだ。
そんな感想を抱いた僕の隣の席に来たのは……
「あはは、産賀くんじゃーん。ボウリング以来だっけ?」
栗原さんだった。夏休み中に二回遊んだせいか、栗原さん的に距離が縮まっているのかもしれないが、改めて教室で会うと少し緊張する。
「えっ? 栗原さんって産賀くんと仲いいの!?」
「うんうん。夏休みに何回か遊んだよ」
「へぇ~ ふーん……」
栗原さんの発言に喰い付いたのは一つ前の席にいた野島さんだった。僕からすれば茶道部の野島さんで合ってるよなというくらいの認識だけど、野島さんは僕のことをしっかり認識しているらしい。
「ねぇ、産賀くん。夏休み中にも桜庭先輩や清水先輩に会ってたって話だけど……」
「えっ!? 誰からそんな話を……」
「桜庭先輩と清水先輩」
いやマジですか先輩。僕の知らない間に茶道部で僕のことが話されてるなんて考えてもなかった。
それに対して、僕が何とも言えない表情をしていると、今度は栗原さんが野島さんの話に喰い付く。
「えー! なになに? その先輩との関係って!」
「私も詳しくはわかんないんだけど、どうなの?」
興味津々に聞いて来る二人に僕はお茶を濁す笑いを返す。新しい席は位置としては絶好だけど、環境としては大変なところになってしまったかもしれない。
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