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1年生2学期

9月2日(木)曇り時々雨 大山亜里沙との距離間

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 学校再開から二日目にして実力テストの日。今回は校内実力テストなので、偏差値を出して志望校判定するのではなく、夏休み中に勉強をサボってないかを見たり、今の自分が校内でどれくらいの実力があるかがわかったりするテストになる。それに1年生の僕らの場合は高校の範囲よりも中学の復習に近いところがある。

 マークシート方式のテストを終えた手応えとしては悪くない感じだ。まだ受験勉強の時の知識がやんわりと残っていたのかもしれない。

「うぶクンと本田はテストどうだった?」

 帰り支度を始める中で、大山さんはそう聞いてくる。大山さんも夏休み中にそこそこ会ったけど、隣の席で話しかけれられるといつもの空気が戻ってきた感じがする。

「オレはできたと思う。そんなに難しくなかった」

「えー 本田、やけに強気じゃん」

 ただ、本田くんと大山さんはこれからどうなっていくのか、僕には予想がつかない。最後の夏祭りで桜庭先輩が言ったことが引っかかるけど、今日の様子を見る限りだと二人はいい距離間に見える。

「うぶクン? どしたの?」

「あっ、いや……今回は勝負しないのかなって」

「お? うぶクンがやる気なんて珍しいねー」

「これは順位が出るから比べやすいと思うぞ」

「なになに、本田もやる気ある感じ?」

 そんなつもりはなかったけど、確かに今回は校内で順位が出るから点数以上にわかりやすいものだ。いや、合計点が高ければ順位は上だから勝負の結果は変わらないけど、全体の順位が出るとお互いの実力差が明確に見える。

「でも、今回は何か賭けるとかはいいかなー」

「なんだ。珍しいな」

「たまにはね。ただ、結果が出たら二人とも見せてね!」

 そう言った大山さんは僕の方を見てウインクをした。一瞬意味がわからなかったけど、それは恐らく僕が夏休みにケーキをおごったから今回の勝負はなしにしてくれたという合図なのだろう。そうなると、僕がまた負けて何かさせるのが悪いと言われている気もするけど……今まで勝ててないから何も言えない。
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