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1年生1学期
7月13日(火)雨のち曇り 岸本路子との交流その15
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期末テスト最終日。それに加えて今日は2時間のテストを終えると、3時間目以降は普通に授業が入っていた。来週にはもう夏休みだからテストを返却する時間や全体的な授業日数を満たすために、こういう時間割になっているんだと思う。
そして、放課後には文芸部のミーティングが行われた。月一回のミーティングにはなるけど、今回は夏休み前最後のミーティングであるせいか、いつもよりも部員が多く見える。
森本先輩はプリントを配布した後、黒板前に立って喋り始める。
「えー 皆さん、期末テストお疲れ様でしたー 今日のミーティングですが、夏休み中の予定をお伝えしまーす。例年通り、7月は終業式の20日以降も部室は自由に使っていいことにしまーす。鍵は最初に来た人が開けて貰って、グループLINE等で開けたこと報告してくださーい。8月は1日から16日まで部活は完全停止になりまーす」
ということはお盆の時期は部活を気にしなくて良いということだ。お盆は祖父母の家に行く可能性が高いからありがたい。
「そしてー 肝心な文化祭に寄稿する作品についてですが、停止日明けの17日に部室で8月のミーティングを開催しまーす。参加が無理な人はLINEでの報告で構いませんが、その日に作品の進捗状況を聞く予定でーす。あー、別に全然できてなくても大丈夫なので、できてないならそれを報告するようにー」
自分に言われているわけじゃないけど、少しドキっとした。まだ時間があると思い続けていたけど、夏休み明けには文化祭が近づくし、実際に冊子としてまとめるならそれよりも前に完成させなければならない。普通の宿題以上に大変な課題だ。
「えっとー あと、これも例年通り、豊田ちゃんからで、夏休み中に一つ短歌を創ってくるようにお願いされていまーす。文化祭でそれも展示する予定なので、できれば考えてくださーい」
豊田先生からのお願いか。古文の授業では毎回見るけど、結局部室で見かけることは一度もなかった。忙しいなら仕方ないけど、文化祭が近づいたら先生も顔を見せるようになるんだろうか。
「ウーブくんと岸本ちゃんは短歌がよくわからなかったらまた個人的に聞いてくださーい。ミーティング終わりー」
いつもより情報量が多いミーティングだった。自分の作品を考えるのは当然として、短歌も考える必要があるのは初めてだから大変かもしれない。
「産賀くん、あの……」
「ああ、岸本さん。ちょうど良かった。短歌について聞きに行かない?」
「えっ? う、うん……わたしもそう思ってた」
他の先輩方が帰宅する中で、僕と岸本さんは森本先輩のところへ行った。
「森本先輩、短歌について聞いていいですか?」
「はーい。何でもどうぞー」
「短歌って、確か五七五七七のやつですよね?」
「そうそうー サラダ記念日とかが有名なやつー 俳句と違って季語はいらないし、音をぴったりにしなくてもいいから結構何でもいいよー」
「そうなんですね。でも、初めてやって展示できるほどのものが創れるものなんですか?」
「そんな大そうなものじゃないよー 完成品は豊田ちゃんに見て貰って多少手直しすることもあるけど、普通はそのままにするし、見たまま感じたまま書いてくれればいいからー」
文芸は得てしてそういうものなのかもしれなけど、やっぱり展示されると言われると、ある程度のものを創った方がいいように思ってしまう。
すると、岸本さんが口を開く。
「その、今までの作品とかは見れたりしませんか? 参考にしたいので」
「あー 豊田ちゃんがデータで持ってくれてるかもー 後で聞いておくー あとは、部室の本に短歌の本も何冊かあるからそれコピーして持って帰ってもいいよー」
「ありがとうございます」
「でも、参考よりも本当に直感的に書いて貰った方が面白いからー 自由に書いてねー」
そこを念押しするのは、そうやって自由に書くのが短歌の面白いところなのかもしれない。僕はその前に文化祭の作品を固める方を優先すべきだろうけど。
「産賀くん、あの……」
森本先輩との話終えた後、岸本さんはさっきと同じように僕を呼ぶ。
「ん? どうしたの?」
「さっき言いそびれたのだけれど……夏休み中は部室に来る予定はある?」
「あっ、そっちで話しかけようとしてたんだ。ごめん、勝手に巻き込んで」
「ううん。短歌の方も気になってたから……それで、予定はどう?」
「全く考えてないよ。作業自体は家でもできそうだか――」
「良ければだけど!」
「わっ!?」
僕が全部言い終える前に岸本さんは一歩詰め寄りながら言葉を遮る
「今と同じように火曜と金曜には部室に来て……くれないかしら?」
「それは……うん。構わないよ」
「もちろん、予定があったら無理にとは言わないわ。わたしも予定があったら連絡する……LINEで」
「わかった。僕も部室行く日は岸本さんへメッセージ送って確認するよ」
そういえば最近、岸本さんから男子学生に関する質問をされていなかった。この夏休み中で本格的に完成させるならまた僕の出番があるのかもしれない。
こうして、夏休み中の予定が少しだけ埋まった。
そして、放課後には文芸部のミーティングが行われた。月一回のミーティングにはなるけど、今回は夏休み前最後のミーティングであるせいか、いつもよりも部員が多く見える。
森本先輩はプリントを配布した後、黒板前に立って喋り始める。
「えー 皆さん、期末テストお疲れ様でしたー 今日のミーティングですが、夏休み中の予定をお伝えしまーす。例年通り、7月は終業式の20日以降も部室は自由に使っていいことにしまーす。鍵は最初に来た人が開けて貰って、グループLINE等で開けたこと報告してくださーい。8月は1日から16日まで部活は完全停止になりまーす」
ということはお盆の時期は部活を気にしなくて良いということだ。お盆は祖父母の家に行く可能性が高いからありがたい。
「そしてー 肝心な文化祭に寄稿する作品についてですが、停止日明けの17日に部室で8月のミーティングを開催しまーす。参加が無理な人はLINEでの報告で構いませんが、その日に作品の進捗状況を聞く予定でーす。あー、別に全然できてなくても大丈夫なので、できてないならそれを報告するようにー」
自分に言われているわけじゃないけど、少しドキっとした。まだ時間があると思い続けていたけど、夏休み明けには文化祭が近づくし、実際に冊子としてまとめるならそれよりも前に完成させなければならない。普通の宿題以上に大変な課題だ。
「えっとー あと、これも例年通り、豊田ちゃんからで、夏休み中に一つ短歌を創ってくるようにお願いされていまーす。文化祭でそれも展示する予定なので、できれば考えてくださーい」
豊田先生からのお願いか。古文の授業では毎回見るけど、結局部室で見かけることは一度もなかった。忙しいなら仕方ないけど、文化祭が近づいたら先生も顔を見せるようになるんだろうか。
「ウーブくんと岸本ちゃんは短歌がよくわからなかったらまた個人的に聞いてくださーい。ミーティング終わりー」
いつもより情報量が多いミーティングだった。自分の作品を考えるのは当然として、短歌も考える必要があるのは初めてだから大変かもしれない。
「産賀くん、あの……」
「ああ、岸本さん。ちょうど良かった。短歌について聞きに行かない?」
「えっ? う、うん……わたしもそう思ってた」
他の先輩方が帰宅する中で、僕と岸本さんは森本先輩のところへ行った。
「森本先輩、短歌について聞いていいですか?」
「はーい。何でもどうぞー」
「短歌って、確か五七五七七のやつですよね?」
「そうそうー サラダ記念日とかが有名なやつー 俳句と違って季語はいらないし、音をぴったりにしなくてもいいから結構何でもいいよー」
「そうなんですね。でも、初めてやって展示できるほどのものが創れるものなんですか?」
「そんな大そうなものじゃないよー 完成品は豊田ちゃんに見て貰って多少手直しすることもあるけど、普通はそのままにするし、見たまま感じたまま書いてくれればいいからー」
文芸は得てしてそういうものなのかもしれなけど、やっぱり展示されると言われると、ある程度のものを創った方がいいように思ってしまう。
すると、岸本さんが口を開く。
「その、今までの作品とかは見れたりしませんか? 参考にしたいので」
「あー 豊田ちゃんがデータで持ってくれてるかもー 後で聞いておくー あとは、部室の本に短歌の本も何冊かあるからそれコピーして持って帰ってもいいよー」
「ありがとうございます」
「でも、参考よりも本当に直感的に書いて貰った方が面白いからー 自由に書いてねー」
そこを念押しするのは、そうやって自由に書くのが短歌の面白いところなのかもしれない。僕はその前に文化祭の作品を固める方を優先すべきだろうけど。
「産賀くん、あの……」
森本先輩との話終えた後、岸本さんはさっきと同じように僕を呼ぶ。
「ん? どうしたの?」
「さっき言いそびれたのだけれど……夏休み中は部室に来る予定はある?」
「あっ、そっちで話しかけようとしてたんだ。ごめん、勝手に巻き込んで」
「ううん。短歌の方も気になってたから……それで、予定はどう?」
「全く考えてないよ。作業自体は家でもできそうだか――」
「良ければだけど!」
「わっ!?」
僕が全部言い終える前に岸本さんは一歩詰め寄りながら言葉を遮る
「今と同じように火曜と金曜には部室に来て……くれないかしら?」
「それは……うん。構わないよ」
「もちろん、予定があったら無理にとは言わないわ。わたしも予定があったら連絡する……LINEで」
「わかった。僕も部室行く日は岸本さんへメッセージ送って確認するよ」
そういえば最近、岸本さんから男子学生に関する質問をされていなかった。この夏休み中で本格的に完成させるならまた僕の出番があるのかもしれない。
こうして、夏休み中の予定が少しだけ埋まった。
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