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1年生1学期
5月26日(水)晴れのち曇り 大山亜里沙との会話その9
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テスト3日目。今日は何事もなく(それが普通だけど)登校からテストまで終えた。テスト自体は2時間で終わっているけど、まだ1日あるのかという空気がクラス全体にあった。
そんな中で今日のテストの出来も悪い感じはしていない。でも、それとは別に僕は気になることがあった。
「大山さん、今日はどうだった?」
「もちろん、めっちゃできた! ……ってなんで不思議そうな顔してるの」
その気になることは中間テスト前まで大山さんがほとんど寝ていたであろう現社のことだ。そのテストをそこそこならまだしもめっちゃできたと言われたらそんな顔にもなる。
「その……現社もできてるなんてすごいなぁと」
「暗記は得意って言ったじゃん! あ~、もしかして……」
「いや、決して授業中の件を言ってるわけじゃ――」
「うぶクンのノートが活用されたのか気になったんでしょ? あれ、マジで助かったから!」
「……へ?」
大山さんから返ってきたのは僕が考えていない話だった。確かにノートは僕のやつを写しているけど、あれは一応撮っているだけだと思っていた。
「うぶクンのやつ、いろいろ書いてあるけど、きれいで見やすかったし! 字だけじゃなくて、えーっと……行の空け方的な?」
「詰め過ぎないようには書いてるから何となく綺麗に見えたのかな……?」
「でもでも、ちょっとしたメモのおかげで関連付けて覚えれたやつもあるし、アタシが書いてたら絶対にあんな風になってなかったよ?」
「そ、そうかな?」
褒められているような気がして僕は照れてしまう……じゃない。本来は授業中は起きて自分で板書すべきなんだから、これで僕が調子に乗ってはいけない。
「そんなわけだから現社はアタシできてる自信あり!」
「なら良かったけど……」
「けど?」
「うん、まぁいいか。後一日お互いがんばろう」
でも、やっぱり悪い気はしないから今日のところは授業中のことは言わないでおこう。きっとこのテストが終われば真面目に授業を受けてくれるようになるはず……とそもそもどうして僕が心配しているんだろう、と思うのだった。
そんな中で今日のテストの出来も悪い感じはしていない。でも、それとは別に僕は気になることがあった。
「大山さん、今日はどうだった?」
「もちろん、めっちゃできた! ……ってなんで不思議そうな顔してるの」
その気になることは中間テスト前まで大山さんがほとんど寝ていたであろう現社のことだ。そのテストをそこそこならまだしもめっちゃできたと言われたらそんな顔にもなる。
「その……現社もできてるなんてすごいなぁと」
「暗記は得意って言ったじゃん! あ~、もしかして……」
「いや、決して授業中の件を言ってるわけじゃ――」
「うぶクンのノートが活用されたのか気になったんでしょ? あれ、マジで助かったから!」
「……へ?」
大山さんから返ってきたのは僕が考えていない話だった。確かにノートは僕のやつを写しているけど、あれは一応撮っているだけだと思っていた。
「うぶクンのやつ、いろいろ書いてあるけど、きれいで見やすかったし! 字だけじゃなくて、えーっと……行の空け方的な?」
「詰め過ぎないようには書いてるから何となく綺麗に見えたのかな……?」
「でもでも、ちょっとしたメモのおかげで関連付けて覚えれたやつもあるし、アタシが書いてたら絶対にあんな風になってなかったよ?」
「そ、そうかな?」
褒められているような気がして僕は照れてしまう……じゃない。本来は授業中は起きて自分で板書すべきなんだから、これで僕が調子に乗ってはいけない。
「そんなわけだから現社はアタシできてる自信あり!」
「なら良かったけど……」
「けど?」
「うん、まぁいいか。後一日お互いがんばろう」
でも、やっぱり悪い気はしないから今日のところは授業中のことは言わないでおこう。きっとこのテストが終われば真面目に授業を受けてくれるようになるはず……とそもそもどうして僕が心配しているんだろう、と思うのだった。
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