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1年生1学期
4月15日(木)晴れ 友人との日常その2
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男子はいつまで経っても子どもなんて言われるけど、それでも高校生にもなれば少しずつ大人に近づいている感覚は生まれてくる。中学までとは違う雰囲気に包まれて、勉学やスポーツに励み、時に助け、時に助けられを繰り返すことで、僕たち男子も立派な大人へと成長していく……
「巨乳と貧乳どっち派?」
……なんて、思ったことはまだない。昼食を終えると意外にやることがない昼休みに、松永のひと言が他三人を停止させる。残念ながら僕たち男子高生の日常会話は、好きな漫画やゲームの話と昨日見たテレビや動画の共有と、周りの女子に聞かれてはいけない思春期特有の話題で主に構成されている。
そして、意外にも先陣は切ったのは本田くんだった。
「巨乳」
端的な回答に松永と大倉くんは「おお……」と謎の感嘆の声をあげる。いや、恥ずかしがらずにスパッと言ってのける様子は、何故かわからないけど漢気があるように見えた。たぶん、気のせいだけど。
「じゃあ、クラさんは?」
「え、えっと……」
松永はすかさず大倉くんへの回答を促す。大倉くんがこの手の話題が得意かわからないけど、振られてしまったからには答えるしかない。
「ど、どちらかといえば……大きい方」
やや恥ずかしそうに言った大倉くんに、松永と本田くんは静かに頷く。そうだ、別に恥ずかしがる必要はない。だって、この話題自体が既に恥ずかしいのだから、僕らは皆同じ穴の狢だ。
さて、そうなれば話題を振った松永が最後に答えることになるから、次は僕の番だ。不本意ではあるが、勇気を持って発言した二人に対して、僕も敬意を表さねばならな――
「ということは、俺とりょーちゃんも巨乳派だからここは平和だ~」
「おい!?」
「え、まさかりょーちゃんの好み変わった?」
「いや、変わってないけど……」
そこは僕自身の口から言わないと、なんかこう……上手く言い訳できないというか、僕も大倉くんのようにどちらかといえばという枕詞を付けたかったというか、そもそも僕のいつかの答えを何で覚えてるんだというか……ともかく色々な思いがあったのである。
しかし、そんな微妙な空気が流れそうになったのを止めたのも本田くんだった。
「だけど、時には大きさだけで語れないこともあると……オレは思う」
その言葉に今度は僕も含めた三人が「おお……」と感嘆の声をあげる。
まぁ、こんな風に僕たちの会話は中学から変わらないので、恐らく男子が内面的な大人になることはないのだろうと僕は思った。
「巨乳と貧乳どっち派?」
……なんて、思ったことはまだない。昼食を終えると意外にやることがない昼休みに、松永のひと言が他三人を停止させる。残念ながら僕たち男子高生の日常会話は、好きな漫画やゲームの話と昨日見たテレビや動画の共有と、周りの女子に聞かれてはいけない思春期特有の話題で主に構成されている。
そして、意外にも先陣は切ったのは本田くんだった。
「巨乳」
端的な回答に松永と大倉くんは「おお……」と謎の感嘆の声をあげる。いや、恥ずかしがらずにスパッと言ってのける様子は、何故かわからないけど漢気があるように見えた。たぶん、気のせいだけど。
「じゃあ、クラさんは?」
「え、えっと……」
松永はすかさず大倉くんへの回答を促す。大倉くんがこの手の話題が得意かわからないけど、振られてしまったからには答えるしかない。
「ど、どちらかといえば……大きい方」
やや恥ずかしそうに言った大倉くんに、松永と本田くんは静かに頷く。そうだ、別に恥ずかしがる必要はない。だって、この話題自体が既に恥ずかしいのだから、僕らは皆同じ穴の狢だ。
さて、そうなれば話題を振った松永が最後に答えることになるから、次は僕の番だ。不本意ではあるが、勇気を持って発言した二人に対して、僕も敬意を表さねばならな――
「ということは、俺とりょーちゃんも巨乳派だからここは平和だ~」
「おい!?」
「え、まさかりょーちゃんの好み変わった?」
「いや、変わってないけど……」
そこは僕自身の口から言わないと、なんかこう……上手く言い訳できないというか、僕も大倉くんのようにどちらかといえばという枕詞を付けたかったというか、そもそも僕のいつかの答えを何で覚えてるんだというか……ともかく色々な思いがあったのである。
しかし、そんな微妙な空気が流れそうになったのを止めたのも本田くんだった。
「だけど、時には大きさだけで語れないこともあると……オレは思う」
その言葉に今度は僕も含めた三人が「おお……」と感嘆の声をあげる。
まぁ、こんな風に僕たちの会話は中学から変わらないので、恐らく男子が内面的な大人になることはないのだろうと僕は思った。
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