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本編
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更新が遅くなってしまい申し訳ありません。先週末から忙しく来週にかけて更新が遅くなってしまう可能性があります。大変申し訳ありません。
あれから目を覚ましたルーカスは、倒れてから2日間眠っていたと聞かされて驚いた。
そして、眠っている間にテオドールとハロルドが訪ねてきたことも聞かされた。しかし、次の日に授業があるからと学園に帰って行ったらしい。
「ハロルド様って·····」
「ハロルド様はこの国の皇太子です。テオドール様の学友·····幼馴染みたいな存在ですね。」
「そんな偉い人が来てたのに·····俺はずっと寝てたんですね。」
皇太子が訪ねてきたの目を覚まさなかったことは不敬に当たるのではないかとルーカスは考えた。
俯いてしまったルーカスをみたハンナは、何も気にしなくても大丈夫だとルーカスに伝えた。
「確かにハロルド様の方が立場は上です。しかし、そこまでルーカス様が恐るほど悪い方ではないですよ。」
「·····そうなんですか?」
「はい!そうです。幼い頃のエルド様がハロルド様にイタズラしても怒らなかったらしいのでとても優しい方ですよ。」
ルーカスは怒らないハロルドにも驚いたがイタズラをしたエルドの方が更に驚いた。
「でも、せっかく来てくださったのに何だか申し訳ないです。」
「ルーカス様はお優しいですね。」
2人が話しているとドアがノックする音が聞こえた。ルーカスがどうぞと言うと中にセバスが入ってきた。
「ルーカス様失礼します。」
「どうされたんですか?」
「·····午後からお客様が来られます。」
セバスが伝えに来るということは大きな用事があるという事だ。普通の用事であればメイドが伝えに来る。
「誰が来るんですか?」
「ハロルド様です。」
「·····えっ?」
ルーカスは耳を疑った。なぜなら、ハロルドは先程まで会話に出てきた人物である。しかも、皇太子だ。そんな人が何故自分をわざわざ訪ねてくるのかルーカスには理解出来なかった。
「なんの用で·····」
「申し訳ありません。用事の内容までは存じ上げません。ただ、ルーカス様に会いに来られるとしか·····」
「·····わかりました。でも、俺どうやってもてなせばいいかとかわかりません。」
「そこは、私共にお任せ下さい。」
そう言うとセバスは部屋を後にした。
「ハロルド様がいらっしゃるのであればお召し換えした方がよろしいですね。」
ハンナはそう言うと部屋を1度後にし、服を抱え再びやってきた。
「さぁ、どちらがよろしいでしょうか?」
「·····迷いますね」
そこには数着の服があった。しかし、ルーカスは自分で服を選ぶということはあまりしたことがない。なので、どの色が自分に合うのかすらもわからないのである。
「そうですね。こちらとこちらでしたらどちらがよろしいでしょうか?」
ルーカスが迷うとハンナはさりげなく選びやすいように候補を出してくれる。
「こっち·····でしょうか?」
「はい!とてもお似合いだと思います。それでは、私はこちらの服を戻しますのでその間にお召し換え下さい。」
ルーカスが頷くとハンナは再び服を抱え部屋を後にした。ルーカスは選んだ服に着替え、先程まで座っていた椅子に座った。
(うぅ·····1人か·····大丈夫かな?)
作法などは少しずつ教えて貰っているがまだ完璧ではない。それなのにいきなり王族と対面しろというのは難易度が高すぎる。
そそうを起こさないようにしないといけないと考え始めると自然と手に力が籠った。すると、目の前に淹れたてのお茶が置かれた。
ルーカスが顔を上げるとそこにはハンナがいた。いつの間にか戻ってきていたらしい。
「緊張しなくても大丈夫です。」
「·····そう·····ですね。」
目の前に置かれたカップを手に取りルーカスはお茶を飲んだ。その温かさと紅茶の香りが無意識に身体に入れていた力を抜かせてくれた。
そこからしばらく時間が経ち、急に廊下が騒がしくなった。何があったのか確認しようと思い席をたった瞬間ルーカスの部屋のドアがバンッと音をたてながら開いた。
「·····えっ?」
そこには息を切らしたテオドールがいた。何事かと思いルーカスはテオドールに近づいた。次の瞬間、テオドールがルーカスの肩をガシッと掴んだ。
「ハルに何もされてない!?あぁ、まだ来てないのか。よし、来る前に屋敷から逃げ出そう!」
今までに見たことの無い勢いで話すテオドールにルーカスは驚いた。
「あっ、あのそんなに急いでどうかしたのですか?」
「あ、大丈夫だよ。それよりも早く行こう。」
そう言ってテオドールが部屋から出ようと後ろを振り向いた瞬間だった。
「よう!テオ。どこ行くんだ?」
「ハルじゃないか。これから用があるんだ」
「そうなのか?残念だが俺も用があるんだ。·····後ろの末っ子くんにさ。」
そう言ってハロルドはテオドールの横を通り過ぎルーカスの前に立った。
「やぁ末っ子くん。俺は、ハロルド=フォーサイス。一応この国の皇太子だ。」
「おっ、お初にお目にかかります!ジュナー公爵家の三男ルーカス=ジュナーです。」
ルーカスが頭を下げるとハロルドは笑いだした。
「いやぁ、小さいのにしっかりしてるね。あっ、あと初めまして·····ではないよ。俺の顔覚えてる?」
そう言ってハロルドはルーカスの高さ似合うよにしゃがんだ。ルーカスは恐る恐る顔を上げハロルドの顔を見た。
「··········あっ!」
その顔を見た瞬間、この間の出来事をルーカスは思い出した。
あれから目を覚ましたルーカスは、倒れてから2日間眠っていたと聞かされて驚いた。
そして、眠っている間にテオドールとハロルドが訪ねてきたことも聞かされた。しかし、次の日に授業があるからと学園に帰って行ったらしい。
「ハロルド様って·····」
「ハロルド様はこの国の皇太子です。テオドール様の学友·····幼馴染みたいな存在ですね。」
「そんな偉い人が来てたのに·····俺はずっと寝てたんですね。」
皇太子が訪ねてきたの目を覚まさなかったことは不敬に当たるのではないかとルーカスは考えた。
俯いてしまったルーカスをみたハンナは、何も気にしなくても大丈夫だとルーカスに伝えた。
「確かにハロルド様の方が立場は上です。しかし、そこまでルーカス様が恐るほど悪い方ではないですよ。」
「·····そうなんですか?」
「はい!そうです。幼い頃のエルド様がハロルド様にイタズラしても怒らなかったらしいのでとても優しい方ですよ。」
ルーカスは怒らないハロルドにも驚いたがイタズラをしたエルドの方が更に驚いた。
「でも、せっかく来てくださったのに何だか申し訳ないです。」
「ルーカス様はお優しいですね。」
2人が話しているとドアがノックする音が聞こえた。ルーカスがどうぞと言うと中にセバスが入ってきた。
「ルーカス様失礼します。」
「どうされたんですか?」
「·····午後からお客様が来られます。」
セバスが伝えに来るということは大きな用事があるという事だ。普通の用事であればメイドが伝えに来る。
「誰が来るんですか?」
「ハロルド様です。」
「·····えっ?」
ルーカスは耳を疑った。なぜなら、ハロルドは先程まで会話に出てきた人物である。しかも、皇太子だ。そんな人が何故自分をわざわざ訪ねてくるのかルーカスには理解出来なかった。
「なんの用で·····」
「申し訳ありません。用事の内容までは存じ上げません。ただ、ルーカス様に会いに来られるとしか·····」
「·····わかりました。でも、俺どうやってもてなせばいいかとかわかりません。」
「そこは、私共にお任せ下さい。」
そう言うとセバスは部屋を後にした。
「ハロルド様がいらっしゃるのであればお召し換えした方がよろしいですね。」
ハンナはそう言うと部屋を1度後にし、服を抱え再びやってきた。
「さぁ、どちらがよろしいでしょうか?」
「·····迷いますね」
そこには数着の服があった。しかし、ルーカスは自分で服を選ぶということはあまりしたことがない。なので、どの色が自分に合うのかすらもわからないのである。
「そうですね。こちらとこちらでしたらどちらがよろしいでしょうか?」
ルーカスが迷うとハンナはさりげなく選びやすいように候補を出してくれる。
「こっち·····でしょうか?」
「はい!とてもお似合いだと思います。それでは、私はこちらの服を戻しますのでその間にお召し換え下さい。」
ルーカスが頷くとハンナは再び服を抱え部屋を後にした。ルーカスは選んだ服に着替え、先程まで座っていた椅子に座った。
(うぅ·····1人か·····大丈夫かな?)
作法などは少しずつ教えて貰っているがまだ完璧ではない。それなのにいきなり王族と対面しろというのは難易度が高すぎる。
そそうを起こさないようにしないといけないと考え始めると自然と手に力が籠った。すると、目の前に淹れたてのお茶が置かれた。
ルーカスが顔を上げるとそこにはハンナがいた。いつの間にか戻ってきていたらしい。
「緊張しなくても大丈夫です。」
「·····そう·····ですね。」
目の前に置かれたカップを手に取りルーカスはお茶を飲んだ。その温かさと紅茶の香りが無意識に身体に入れていた力を抜かせてくれた。
そこからしばらく時間が経ち、急に廊下が騒がしくなった。何があったのか確認しようと思い席をたった瞬間ルーカスの部屋のドアがバンッと音をたてながら開いた。
「·····えっ?」
そこには息を切らしたテオドールがいた。何事かと思いルーカスはテオドールに近づいた。次の瞬間、テオドールがルーカスの肩をガシッと掴んだ。
「ハルに何もされてない!?あぁ、まだ来てないのか。よし、来る前に屋敷から逃げ出そう!」
今までに見たことの無い勢いで話すテオドールにルーカスは驚いた。
「あっ、あのそんなに急いでどうかしたのですか?」
「あ、大丈夫だよ。それよりも早く行こう。」
そう言ってテオドールが部屋から出ようと後ろを振り向いた瞬間だった。
「よう!テオ。どこ行くんだ?」
「ハルじゃないか。これから用があるんだ」
「そうなのか?残念だが俺も用があるんだ。·····後ろの末っ子くんにさ。」
そう言ってハロルドはテオドールの横を通り過ぎルーカスの前に立った。
「やぁ末っ子くん。俺は、ハロルド=フォーサイス。一応この国の皇太子だ。」
「おっ、お初にお目にかかります!ジュナー公爵家の三男ルーカス=ジュナーです。」
ルーカスが頭を下げるとハロルドは笑いだした。
「いやぁ、小さいのにしっかりしてるね。あっ、あと初めまして·····ではないよ。俺の顔覚えてる?」
そう言ってハロルドはルーカスの高さ似合うよにしゃがんだ。ルーカスは恐る恐る顔を上げハロルドの顔を見た。
「··········あっ!」
その顔を見た瞬間、この間の出来事をルーカスは思い出した。
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