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本編
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しおりを挟むここ数話誤字が多くて大変申し訳ありません·····。
「オリビア、お前も屋敷に一緒に帰るぞ。」
はっきりと言われたその言葉にオリビアは固まった。
今まで父親は自分のお願いなどを断ったことがない。なのになぜ、自分の話を聞いてくれないのかとオリビアは戸惑う。
「あの·····お父様?先程言った通り私はこの屋敷を離れるつもりは無いのですが?」
「オリビア、お前も屋敷に帰るのだ。これは決定事項だ。」
なぜ、父親はここまで自分を屋敷に帰りたがらせるのかオリビアには理由がわからなかった。
「なぜ、お父様は私を屋敷に連れ帰りたいのですか?」
「オリビア、お前はここにいてはならん。」
「えっ·····?」
ここにいてはいけないという言葉にオリビアは怒りを感じた。
「何故ですか?なぜ、私がここにいてはいけないのですか?」
「言わなきゃわからんか?」
「だって、私はここの女主人です。それに社交界の事だって!」
オリビアが自分がここにいなくてはいけない理由を述べる。だが、その理由を聞いてもルイスは納得したような顔を見せなかった。
「女主人?社交界?お前がここにいなくてはいけない理由はそれだけか?」
「愛する人だってここにいます!離れられるわけないじゃないですか!」
「はぁ·····」
ルイスのため息にオリビアはビクッと肩を震わせる。今まで父親と話してきてこんな反応を見せることは無かった。
「オリビア·····メルヴィルがここにいるのもわかる。社交界のこともわかる。だが、お前には3人の子供がいるはずだろう?その子の世話や教育はどうしているのだ?」
「えっ·····」
父親の前では良い母親を演じてきた。父親の今までの反応を見る限りバレた様子はなかった。
なのに今は何故か全てがバレている·····そうオリビアは感じた。
「せっ·····世話だって、教育だってやってます!」
オリビアは何故か真実を話すのではなく自分を守るための言い訳を並べだした。
「嘘をつくな!!!!」
ルイスの一喝にオリビアはサッと血の気が引いた。段々と指先が冷たくなるのを感じる。
「うっ·····嘘·····なんて」
「黙れ!!」
叱られてもなお、真実を言わないオリビアにルイスは叱咤する。
「お前が言ってることが嘘だということくらいわかっている!それでもお前は嘘をつくのか!?」
「そっ·····そんなつもりは」
「じゃあ、なんなのだ!?嘘じゃなく事実を述べろ!!」
ルイスのその言葉にオリビアは黙り込んでしまう。その様子を見てルイスはまたため息をつく。
「オリビアお前はもう大人だろ?それなのになんだ?黙ってれば許されるとでも思っているのか?」
なぜ、こんなにも怒られるのか。どうして自分は悪者にされているのか。オリビアの頭の中はパニックになっていく。
そして、隣に座っていたメルヴィルに助けを求める。
「ねっ、ねぇメルヴィル?」
「··········」
オリビアの問いかけをメルヴィルは無視する。事前の打ち合わせでメルヴィルはルイスからオリビアが助けを求めてきても反応するなと伝えられている。
メルヴィルのその態度にオリビアは涙が溢れてくる。
「泣くな!助けを求めるな!オリビアお前はもう子供じゃないんだ·····!」
涙を流すオリビアの姿はまるで子供のようだった。それでもルイスは甘やかすことなく叱咤する。
「なっ·····なんで、私が悪いんですか!?確かに子育てだって手を抜いた所も·····「手を抜いた?」·····っ!」
「手を抜いたでは無いだろう?お前は全く子育てをやってこなかったではないか!」
「だって·····それは」
「だって·····だと?」
何かを発すればその度に怒られる。オリビアは経験したことの無い状況に戸惑う。そして、流れる涙は止まることがない。
「ルーカスを見てみろ?何故こんなに細い?軽いのだ?カトラリーの使い方、人との関わり方、嬉し事も楽しい事もこの子は何も知らないじゃないか!?」
「·····っ!だってそれはこの子が気味が悪いのがいけないのです!」
オリビアはとうとう逆ギレした。
「左目は気持ち悪いし、1人だけ髪色が明るい。それにいつも下を向いている!本当にこの子は我が家の子なのでしょうか?」
その言葉を聞いていたルーカスはグッと手を握った。母親から嫌われているのはとっくに知っていた。だが、改まって言われると知っていても流石に傷つく。
(この容姿は俺のせいじゃない·····)
握った手の上にポタポタと涙が落ちて視界がぼやける。
「なんで、アンタが泣くのよ!·····っ、アンタがいるからわた·····っ·····!」
パンッ··········!!
その言葉を言い切る前に談話室に頬を叩く音が響く。叩かれたオリビアは頬を抑えながら叩いた人を見る。
「おっ··········かあ·····さま?」
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