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仕事の準備を怠らないのは・・・大人として当然ですよね? 81
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第一章 七七話
「....ええ、ですが....これは、もっと詳しい話を聞かなければならない様ですね.....」
僕がこの世界に迷い込んだ日、この世界の神様は確かにこの世界には僕しか転移者は居ないと明言した。仮に僕よりも後に“転移”したとしても....僕が転移したのが2ヶ月前で“ディメンションキャスト”を展開したのが1ヶ月弱前の話だ。その間の僅か1ヶ月の間に新たな“次元連結”が発生したとは考えにくい....
「そりゃあ詳しい話を聞きたいのは私も同じだけど....ここでそんな話を始めちゃあマズいんじゃ....」
彼女がそんな事を言った時だった....ギドルガモンの居たエルグラン山脈の方角から微かな音が響く、と同時に山脈方面の空がにわかに曇りだし....周囲に薄い魔力が立ち込める。
『セルディック4世の失脚を邪魔した男を追ってみれば....とんでもない事を考えておったようだな....それにそこの女は恐らく“始祖”の......まったく、グラムの暴れん坊だけなら嫌がらせで終わらせるつもりだったんだが....』
?! 今度こそ何処にも気配はない ! 突然会話に割って入った嗄れ声の主はいったい....
{ミネルヴァ!}
{索敵範囲には声の主は居ません! 遠隔で周囲の空気を振動させて音声を送っていると思われます!}
?! 突然の声にも驚いたがそんな高度な魔法を行使する存在が? そこまで考えてクレオール枢機卿と謎の少女をもう一度見ると二人も顔を見合わせて怪訝な表情をしている。と、言うことは“声の主”はグラム神聖国とも関わりない“謎の存在”という事か?
『.....ふむ。まぁしかたあるまい....少々面倒ではあるが全部まとめて始末してやる、特にそこの女には生きていて貰っては困るのでな』
「....それはどういう意味です? あなたはいったい??」
「フハハハッ! それを知っても意味はあるまい! どうせ誰にも語れんのだからな! ワシの目的はお主ら全てが髑髏となった後にゆっくり遂げさせて貰おう!」
謎の存在がそう言った途端、空気を振動させていた謎の魔力が霧散する。と、同時に凄まじい速さで黒雲がグランヴィアに迫る! 刻一刻と迫り来る黒雲は次第にその形をハッキリさせていき.....
{ミネルヴァ! あれは一体....}
{あれは....竜翼魔鶏の大群です!! 数およそ3000! 現在の速度で会敵まで420秒!}
ーーーーーーーーーー
突然現れた竜翼魔鶏の群....明らかに謎の声の主が仕掛けたものだろうが....今はそれを追求する余裕はない!
「クレオール卿! 勿論アレは見えていますね? どう見てもアレが友好的な輩には見えません!! 今後の結論は後回しにして御自分達の身を守る事に専念して下さい!」
「....お主らだけでアレに対処すると? 確かにお主らの召喚したサラマンダーならばコカトリスにもそう遅れは取るまいが....それも1対1ならばだろう? 10倍近い数の奴等に対抗する術はあるのか?」
「....正直に申し上げれば、“かなりキツい”でしょうね....ですがあなた方は基本的に陸上戦力です。対空戦力は多くは無いでしょう?」
「....確かに。だが何も手が無い訳ではないぞ?」
そう言ってその右腕を高々と挙げる。俄かに彼の背後に複数のローブ姿が現れた。
「クレオール家直属の超越者級達だ。あの程度の魔獣に簡単に遅れを取る様な半端者はおらん!」
見回すと昨日もめたガスパール君も居る。なる程....彼等ならば確かにあの魔獣の群れにもひけはとるまいが.....
「....有り難いお話ですが、やはり彼等にも防衛に専念して頂きましょう」
「しかしあれだけの大群を....」
....まだ言い募るクレオール枢機卿を制する様にグラブフットが、
「フェルディナン!! いいからコイツに任せろ! コイツはお前らが足手まといだって言ってる訳じゃねぇよ。ただ....お前たちが居たら巻き込んじまうだろ?」
「?!....いったい何をするというのだ?」
それ以上クレオール枢機卿と会話を続けるほど時間に余裕は無い。そっちはグラブフットに任せて僕のほうは....
〔ヴィルヘルムさん!! それに冒険者の皆さん!! そちらからも見えていると思いますが今、大量の魔獣がグランヴィアに迫っています!〕
〔ああ……まったくナンなんだ? エルグラン山脈方面にあの様な竜翼魔鶏が生息するなどとは聞いた事もないぞ?〕
〔....検証は後日です! アルバの冒険者の皆さんには大聖堂に張った結界内に下がって貰います! グラム神聖国の人間相手ならいざ知らず、あんな獣相手に命を張る意味は有りません!!〕
〔分かった!! 竜翼魔鶏には紫炎有翼竜をあてればいいな?〕
〔ええ! 暫くで構いません!! 足留めをお願いします!〕
〔....ああ、分かった。こっちの制御は任せろ。〕
その返答とほぼ同時に“エクスチェンジ”を行使して冒険者達を大聖堂に戻す、
〔マルグリット様!〕
〔はいっ!? 何でしょう??〕
〔これからコカトリスの迎撃に魔力を大きく消費する筈です! 領民達からの集積のコントロールはお任せしますので、皆さんに無理はさせないで下さい!〕
〔...分かりました!!!〕
良し!これで暫く時間は稼げた、あとは....
{ミネルヴァ! 神聖国軍2000に照準していた例のヤツを竜翼魔鶏へ移すのにどれくらいかかる?}
{広範囲電磁波探索魔法を併用しながらの個別照準になります! 250秒下さい!}
{分かった!! 僕自身の魔力の残量に問題は?}
{ありません!!}
{分かった....始めてくれ!!}
{了解! 敵個体別照準を開始します!!}
返答と同時にミネルヴァが“仮想コイル”を複数展開し敵の識別を始める。そこで、コレまでの様子を黙って見ていたカズミが....
「....なる程、そんな風に使ってるワケね....」
「....ええ、ですが....これは、もっと詳しい話を聞かなければならない様ですね.....」
僕がこの世界に迷い込んだ日、この世界の神様は確かにこの世界には僕しか転移者は居ないと明言した。仮に僕よりも後に“転移”したとしても....僕が転移したのが2ヶ月前で“ディメンションキャスト”を展開したのが1ヶ月弱前の話だ。その間の僅か1ヶ月の間に新たな“次元連結”が発生したとは考えにくい....
「そりゃあ詳しい話を聞きたいのは私も同じだけど....ここでそんな話を始めちゃあマズいんじゃ....」
彼女がそんな事を言った時だった....ギドルガモンの居たエルグラン山脈の方角から微かな音が響く、と同時に山脈方面の空がにわかに曇りだし....周囲に薄い魔力が立ち込める。
『セルディック4世の失脚を邪魔した男を追ってみれば....とんでもない事を考えておったようだな....それにそこの女は恐らく“始祖”の......まったく、グラムの暴れん坊だけなら嫌がらせで終わらせるつもりだったんだが....』
?! 今度こそ何処にも気配はない ! 突然会話に割って入った嗄れ声の主はいったい....
{ミネルヴァ!}
{索敵範囲には声の主は居ません! 遠隔で周囲の空気を振動させて音声を送っていると思われます!}
?! 突然の声にも驚いたがそんな高度な魔法を行使する存在が? そこまで考えてクレオール枢機卿と謎の少女をもう一度見ると二人も顔を見合わせて怪訝な表情をしている。と、言うことは“声の主”はグラム神聖国とも関わりない“謎の存在”という事か?
『.....ふむ。まぁしかたあるまい....少々面倒ではあるが全部まとめて始末してやる、特にそこの女には生きていて貰っては困るのでな』
「....それはどういう意味です? あなたはいったい??」
「フハハハッ! それを知っても意味はあるまい! どうせ誰にも語れんのだからな! ワシの目的はお主ら全てが髑髏となった後にゆっくり遂げさせて貰おう!」
謎の存在がそう言った途端、空気を振動させていた謎の魔力が霧散する。と、同時に凄まじい速さで黒雲がグランヴィアに迫る! 刻一刻と迫り来る黒雲は次第にその形をハッキリさせていき.....
{ミネルヴァ! あれは一体....}
{あれは....竜翼魔鶏の大群です!! 数およそ3000! 現在の速度で会敵まで420秒!}
ーーーーーーーーーー
突然現れた竜翼魔鶏の群....明らかに謎の声の主が仕掛けたものだろうが....今はそれを追求する余裕はない!
「クレオール卿! 勿論アレは見えていますね? どう見てもアレが友好的な輩には見えません!! 今後の結論は後回しにして御自分達の身を守る事に専念して下さい!」
「....お主らだけでアレに対処すると? 確かにお主らの召喚したサラマンダーならばコカトリスにもそう遅れは取るまいが....それも1対1ならばだろう? 10倍近い数の奴等に対抗する術はあるのか?」
「....正直に申し上げれば、“かなりキツい”でしょうね....ですがあなた方は基本的に陸上戦力です。対空戦力は多くは無いでしょう?」
「....確かに。だが何も手が無い訳ではないぞ?」
そう言ってその右腕を高々と挙げる。俄かに彼の背後に複数のローブ姿が現れた。
「クレオール家直属の超越者級達だ。あの程度の魔獣に簡単に遅れを取る様な半端者はおらん!」
見回すと昨日もめたガスパール君も居る。なる程....彼等ならば確かにあの魔獣の群れにもひけはとるまいが.....
「....有り難いお話ですが、やはり彼等にも防衛に専念して頂きましょう」
「しかしあれだけの大群を....」
....まだ言い募るクレオール枢機卿を制する様にグラブフットが、
「フェルディナン!! いいからコイツに任せろ! コイツはお前らが足手まといだって言ってる訳じゃねぇよ。ただ....お前たちが居たら巻き込んじまうだろ?」
「?!....いったい何をするというのだ?」
それ以上クレオール枢機卿と会話を続けるほど時間に余裕は無い。そっちはグラブフットに任せて僕のほうは....
〔ヴィルヘルムさん!! それに冒険者の皆さん!! そちらからも見えていると思いますが今、大量の魔獣がグランヴィアに迫っています!〕
〔ああ……まったくナンなんだ? エルグラン山脈方面にあの様な竜翼魔鶏が生息するなどとは聞いた事もないぞ?〕
〔....検証は後日です! アルバの冒険者の皆さんには大聖堂に張った結界内に下がって貰います! グラム神聖国の人間相手ならいざ知らず、あんな獣相手に命を張る意味は有りません!!〕
〔分かった!! 竜翼魔鶏には紫炎有翼竜をあてればいいな?〕
〔ええ! 暫くで構いません!! 足留めをお願いします!〕
〔....ああ、分かった。こっちの制御は任せろ。〕
その返答とほぼ同時に“エクスチェンジ”を行使して冒険者達を大聖堂に戻す、
〔マルグリット様!〕
〔はいっ!? 何でしょう??〕
〔これからコカトリスの迎撃に魔力を大きく消費する筈です! 領民達からの集積のコントロールはお任せしますので、皆さんに無理はさせないで下さい!〕
〔...分かりました!!!〕
良し!これで暫く時間は稼げた、あとは....
{ミネルヴァ! 神聖国軍2000に照準していた例のヤツを竜翼魔鶏へ移すのにどれくらいかかる?}
{広範囲電磁波探索魔法を併用しながらの個別照準になります! 250秒下さい!}
{分かった!! 僕自身の魔力の残量に問題は?}
{ありません!!}
{分かった....始めてくれ!!}
{了解! 敵個体別照準を開始します!!}
返答と同時にミネルヴァが“仮想コイル”を複数展開し敵の識別を始める。そこで、コレまでの様子を黙って見ていたカズミが....
「....なる程、そんな風に使ってるワケね....」
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