異世界情報収集生活

スカーレット

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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)

184.逆転する主従関係(よくあること)

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やっと戻れた王城の、殿下達の勉強部屋に入る途端、ニッコリと青筋を浮かべた一心と目が合う。

本能的な危険を感じて反射的に扉を閉める。大きな音が鳴ってしまったが知ったことか。
絶対に今はそれどころじゃない。

少したってから扉を少し開け、隙間から部屋の中をのぞき込む。
が、それよりも先に一心の手が扉をつかんだ。

一心が、こちらを、とてもきれいな顔で、笑顔を浮かべている。

「………」

「………」

扉を開かれて招きされて、おとなしく部屋に入って………。


土下座した。


そこからはもう………怖かったとしか言えない。

「…………。」

「………ごめんて。」

「おやこれはおかしなことを。私はまだ何も言っておりませんよ、マスター。ただ、ええただお伝えしたいことがあるだけでございます。」

「はい………。」

「一日は、24時間です。」

「すみませんでした。」

「報告、連絡、相談は行ってください。」

「はい。」

「陛下が回復されたことについて、また執務が可能であることについて、報告してください。」

「……はい…。」

こうして、一心と私による質問の嵐が始まった。

「―――については。」

「これがーーなってこっちとこうーーー。」

その後逆に報告を受けて、気になった点を質問していく…。

「……で、これはーーー?」

「そうです。――――になって。こちらはーーー。」

ふと気が付いた時にはあたりが暗くなっていて、殿下達は自分達で勉強をしていた。

「……ところで、君がザール君?」

ずっと殿下達のそばにいた、赤が目立つ洋服の男に声をかければ、姿勢を正してこちらに向き直った。

「挨拶が遅れ申し訳ありません。ザール=スガリトと申します。精霊妃様が宿泊なされている宿の当主の息子で、赤の副騎士団長を務めております。今回、我が国の者達が起こした数々の非礼に対する謝罪のひとかけらとして、宿の方に贈り物をさせていただきました。後ほどご確認ください。」

「そう。それで、君が一心に頼まれて殿下達に教育をしてくれたの?ありがとうね。こっちは手一杯でさ。君が引き受けてくれて助かったよ。」

「滅相もございません。精霊妃様が我々に受けた仕打ちに比べれば、これぐらいのことはして当然です。」

言い終わってもビシッとして、姿勢を崩さないザール。

「別に国の上昇部が腐っているのなんか、こっちも同じだから気にしなくていいよ。」

手をヒラヒラさせて気軽に言えば、何とも言えない顔をこちらに向けて、

「……笑えません…。」

といった。

とりあえず緊張はほぐれたようで何より。

それからは、堅苦しい感じはあるものの楽に話ができるようになった。
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