198 / 205
ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
179.予想できるか!! 一心視点
しおりを挟む
マスターに声をかける。
(「そのあほ共がいる国をどうにかするんでしょう?マスター。頑張ってくださいね。私も手伝いは致しますが、基本はマスターが中心ですよ。我ら人工知能は貴女の手足ですから。」)
違えてはいけない。我々はたとえマスターがどうお考えで在ろうとも、機械。
人工知能として主のために動く機械。
(マスターに命の危険が迫った場合、身代わりに死ぬべき存在。)
組み込まれたプログラムではなく、そう自分で答えを導いた。だから私が壊れそうなときにはそれ用にプログラムが働いてくれる。
そんなことを考えると、マスターが
(「気が重い………。」)
と呟いたマスターに報告を促され、連絡を続けていく。
(「毒物に侵されていたのは公爵と国王、また、騎士団員もほんのわずかにその傾向が見られます。ただ、副騎士団長は互いに状況を確認しあっていたためか、毒の影響が少ないようです。」)
(「一心今王城だよね?その二人と会合がしたいだけど、時間取れそう?」)
……
(この……マスター?!)
大急ぎで今後のスケジュールを確認し、どこか時間が取れそうな場所を急いで探す。
音が鳴り計算結果が出るが、結果は不可。今の状況ではどう頑張っても30分すら時間が取れない。
マスターの無茶を予想していたとはいえ、実際に言われると怒りに顔が歪みそうになる。怒りが声に伝わるが、気にせずマスターに答えを伝える。
(「マスター、明後日に夜会が控えているの覚えていらっしゃいますよね?限られた時間の中で国王が行うはずの執務を終え、王城の検査を終え、教育を施し、毒物の検査を行っている今の状況を、ご存じですよね?」)
(「でも、正気に近い人たちに今の状況を聞きたいんだよ。団長がアレな分、副団長はまともだっていう噂だし。」)
(「はぁ………。」)
理解はできるが、今の状況では無理だ。
……10分、10分ならば時間が作れるか……?
(「いいですかマスター。会合の予定を入れたいのであれば、入手した情報の整理を早めに終わりにしなければいけません。また、誰かに任せるというのも手ですね。ただ、神様は神々の領域にいらっしゃいますし、ウィール様が代役を務められるとは思えません。」)
(「ああ、それなら大丈夫。国王ガストロは明日から使えるから。」)
使える……?
国王は確か毒に長時間侵されていたはずだが…?
(「と、いいますと?」)
(「起きた。」)
(「は?」)
(「隠し持っていたネックレス型魔術具のおかげですっかり元気。もう意識ははっきりしているし、解毒も急激に行われてる。もう、明日には元気に動き回れるよ。」)
…………
(「………マスター、一時通信を切ります。すぐに繋ぎ直しますので、少々お待ちください。」)
(「りょーかい。」)
自分が出せる最高速度でニアがいる部屋に戻り、ノックの返事も待たずに扉を開けて防音魔法を張る。
驚き目を見開く赤の副騎士団長に詰め寄り、最低限の礼儀を持って問う。
「…………国王がつけていたという魔術具のネックレスについて教えてください。」
「へ、陛下の魔術具ですか……?申し訳ありません、私は存じ上げません。」
「では殿下、ご存じでしょうか。」
「申し訳ありません。ネックレスについては初めて知りました。」
(……使えない奴らめ。)
「…クソが。」
(ふざけるな。魔法だからと言って何をやってもいいとでも…?)
コンピューターを最高速度で動かし、今後の予定を組みなおす。こんなことならば、執務をマスターの代理として行うのではなく、部屋の確認や派閥系統の確認に動くべきだった。
行き所のない怒りを、壁にぶつけることでやり過ごす。
すさまじい破壊音が聞こえるし、何なら殿下達がドン引きしているが、すべてを無視してマスターへと連絡を入れた。
(「そのあほ共がいる国をどうにかするんでしょう?マスター。頑張ってくださいね。私も手伝いは致しますが、基本はマスターが中心ですよ。我ら人工知能は貴女の手足ですから。」)
違えてはいけない。我々はたとえマスターがどうお考えで在ろうとも、機械。
人工知能として主のために動く機械。
(マスターに命の危険が迫った場合、身代わりに死ぬべき存在。)
組み込まれたプログラムではなく、そう自分で答えを導いた。だから私が壊れそうなときにはそれ用にプログラムが働いてくれる。
そんなことを考えると、マスターが
(「気が重い………。」)
と呟いたマスターに報告を促され、連絡を続けていく。
(「毒物に侵されていたのは公爵と国王、また、騎士団員もほんのわずかにその傾向が見られます。ただ、副騎士団長は互いに状況を確認しあっていたためか、毒の影響が少ないようです。」)
(「一心今王城だよね?その二人と会合がしたいだけど、時間取れそう?」)
……
(この……マスター?!)
大急ぎで今後のスケジュールを確認し、どこか時間が取れそうな場所を急いで探す。
音が鳴り計算結果が出るが、結果は不可。今の状況ではどう頑張っても30分すら時間が取れない。
マスターの無茶を予想していたとはいえ、実際に言われると怒りに顔が歪みそうになる。怒りが声に伝わるが、気にせずマスターに答えを伝える。
(「マスター、明後日に夜会が控えているの覚えていらっしゃいますよね?限られた時間の中で国王が行うはずの執務を終え、王城の検査を終え、教育を施し、毒物の検査を行っている今の状況を、ご存じですよね?」)
(「でも、正気に近い人たちに今の状況を聞きたいんだよ。団長がアレな分、副団長はまともだっていう噂だし。」)
(「はぁ………。」)
理解はできるが、今の状況では無理だ。
……10分、10分ならば時間が作れるか……?
(「いいですかマスター。会合の予定を入れたいのであれば、入手した情報の整理を早めに終わりにしなければいけません。また、誰かに任せるというのも手ですね。ただ、神様は神々の領域にいらっしゃいますし、ウィール様が代役を務められるとは思えません。」)
(「ああ、それなら大丈夫。国王ガストロは明日から使えるから。」)
使える……?
国王は確か毒に長時間侵されていたはずだが…?
(「と、いいますと?」)
(「起きた。」)
(「は?」)
(「隠し持っていたネックレス型魔術具のおかげですっかり元気。もう意識ははっきりしているし、解毒も急激に行われてる。もう、明日には元気に動き回れるよ。」)
…………
(「………マスター、一時通信を切ります。すぐに繋ぎ直しますので、少々お待ちください。」)
(「りょーかい。」)
自分が出せる最高速度でニアがいる部屋に戻り、ノックの返事も待たずに扉を開けて防音魔法を張る。
驚き目を見開く赤の副騎士団長に詰め寄り、最低限の礼儀を持って問う。
「…………国王がつけていたという魔術具のネックレスについて教えてください。」
「へ、陛下の魔術具ですか……?申し訳ありません、私は存じ上げません。」
「では殿下、ご存じでしょうか。」
「申し訳ありません。ネックレスについては初めて知りました。」
(……使えない奴らめ。)
「…クソが。」
(ふざけるな。魔法だからと言って何をやってもいいとでも…?)
コンピューターを最高速度で動かし、今後の予定を組みなおす。こんなことならば、執務をマスターの代理として行うのではなく、部屋の確認や派閥系統の確認に動くべきだった。
行き所のない怒りを、壁にぶつけることでやり過ごす。
すさまじい破壊音が聞こえるし、何なら殿下達がドン引きしているが、すべてを無視してマスターへと連絡を入れた。
0
お気に入りに追加
23
あなたにおすすめの小説
スコップ1つで異世界征服
葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。
その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。
怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい......
※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。
※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。
※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。
※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります
ベルピー
ファンタジー
幼い頃にラッキーは迷子になっている少女を助けた。助けた少女は神様だった。今まで誰にも恩恵を授けなかった少女はラッキーに自分の恩恵を授けるのだが。。。
今まで誰も発現したことの無い素質に、初めは周りから期待されるラッキーだったが、ラッキーの授かった素質は周りに理解される事はなかった。そして、ラッキーの事を受け入れる事ができず冷遇。親はそんなラッキーを追放してしまう。
追放されたラッキーはそんな世の中を見返す為に旅を続けるのだが。。。
ラッキーのざまぁ冒険譚と、それを見守る神様の笑いと苦悩の物語。
恩恵はガチャスキルだが99.7%はパンが出ます!

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる