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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
170.貴方の物ではありません 一心視点
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「失礼いたしますよ。我が主の愛娘、ニアの部品を返していだたけますね?」
入るや否やそう言って、会話をしていた二人の机に向かう。
「いきなりなんだ!無礼者め!私を誰と心得る!私は………。」
「精霊妃小鳥美様の執事、一心です。妹の部品がここにあるのは分かっています。」
そういえば口を開いていた方は驚愕し、後ろの乗り気じゃなかった方は青ざめた。
「さぁ、部品をこちらに。」
カタカタと歯を鳴らしているが、ニアの部品の方が圧倒的に大切だ。
「さぁ。」
圧を強めて机の前から退くように誘導する。
それでももう一人は納得できないらしい。
「……うるさい!!この私の!クィラッツ伯爵家の次男であるこの私の役に立てるのだぞ?!部品の一つや二つ、おとなしく私に捧げないか!」
「お断りいたします。」
ヒートアップしているところ申し訳ないが、私の感想はただ一つだ。
(どうでもいいから早く返してくれ。)
早くニアの部品を返してもらわなくては。
そもそも、なぜマスターが大切にしているニアの部品をこんな奴に渡さなければいけないのだ。
「その部品は貴方の研究のために砕いていいものではございません。精霊妃様の愛娘であり、世界樹様もニアのことを大切に思っております。そのお二人の怒りを買いたいのですか?その場合、現在と同じ生活を維持できるかは補償いたしかねます。ああ、もしや今後の一生よりも次の研究の方が大切でしょうか。」
そういえば少し押し黙る馬鹿二人。その隙にニアの部品を奪い取る。
「何を…!」
傷がないかを確認していると、案内役の騎士が口を開いた。
「こちらは精霊妃様の愛娘の一部。返却命令が出ていたはずですよ。自身の研究のためにと砕くなど言語道断。」
「ハッ。エセ精霊妃の魔術具なんてどうだっていいだろうに。」
「では、世界樹様が嘘をおっしゃったと?」
「それは……。」
細かい傷はあるようだが、これならば修復できるだろう。
「この部屋にもう部品はないようです。副騎士団長殿の部屋へ案内をお願いします。」
「かしこまりました。………この件は騎士団長方に報告いたします。追って沙汰を下します。それまで二人とも、自室にて謹慎するように。」
チッ
子供のような苛立ちを背中に受けて、私たちは扉へと向かった。
入るや否やそう言って、会話をしていた二人の机に向かう。
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「精霊妃小鳥美様の執事、一心です。妹の部品がここにあるのは分かっています。」
そういえば口を開いていた方は驚愕し、後ろの乗り気じゃなかった方は青ざめた。
「さぁ、部品をこちらに。」
カタカタと歯を鳴らしているが、ニアの部品の方が圧倒的に大切だ。
「さぁ。」
圧を強めて机の前から退くように誘導する。
それでももう一人は納得できないらしい。
「……うるさい!!この私の!クィラッツ伯爵家の次男であるこの私の役に立てるのだぞ?!部品の一つや二つ、おとなしく私に捧げないか!」
「お断りいたします。」
ヒートアップしているところ申し訳ないが、私の感想はただ一つだ。
(どうでもいいから早く返してくれ。)
早くニアの部品を返してもらわなくては。
そもそも、なぜマスターが大切にしているニアの部品をこんな奴に渡さなければいけないのだ。
「その部品は貴方の研究のために砕いていいものではございません。精霊妃様の愛娘であり、世界樹様もニアのことを大切に思っております。そのお二人の怒りを買いたいのですか?その場合、現在と同じ生活を維持できるかは補償いたしかねます。ああ、もしや今後の一生よりも次の研究の方が大切でしょうか。」
そういえば少し押し黙る馬鹿二人。その隙にニアの部品を奪い取る。
「何を…!」
傷がないかを確認していると、案内役の騎士が口を開いた。
「こちらは精霊妃様の愛娘の一部。返却命令が出ていたはずですよ。自身の研究のためにと砕くなど言語道断。」
「ハッ。エセ精霊妃の魔術具なんてどうだっていいだろうに。」
「では、世界樹様が嘘をおっしゃったと?」
「それは……。」
細かい傷はあるようだが、これならば修復できるだろう。
「この部屋にもう部品はないようです。副騎士団長殿の部屋へ案内をお願いします。」
「かしこまりました。………この件は騎士団長方に報告いたします。追って沙汰を下します。それまで二人とも、自室にて謹慎するように。」
チッ
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