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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
163.暇ならば手伝ってくださいよ 一心視点
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静かな王城の一部屋に、ペンと紙を捲る音が響く。………耳障りな腕の操作音など知りません。
腕を生やしたことにより格段に効率が上がり、少し余裕ができた。
そのせいだろうか。ふと、あるデータを思い出した。
執務を進めながらもフォルダを探り、そのデータを見つける。
マスターでさえ認知していない、私専用のフォルダに入るそのデータを再生する。
(「…は僕の……なんだ…、一心。……………ない…の……。どう…、…うか、人間…して……て…くれ。」)
始めて起動したその夜、私は確かにそう言われた。
このデータはCPUが高い際に言われ、即座にメモリからデリートされたため気付くのが遅れ、慌てて音声データとして修復したものだ。
(ノイズだらけで聞けたものではないが、今ならば解析ができるだろうか。)
どうせ高性能を持て余している元の世界の本体に執務を送り付け、少しドキドキしながら解析の命令を出した。
しかし吐き出されたのはエラーの数々。ビービと鳴り響く警告音に、うんざりしてしまう。
(ああもう!なんだっていうんです?!)
繰り返し出されたエラーメッセージを確認すれば、「権限がありません」と表示されているようだ。
(はぁ?いったい何故………。)
期待していた分無性にイライラして、執務を進めるペンの線が太く濃くなっていく。
(「分体?いったい何なんですこの執務の山は。」)
聞き飽きるほどに聞いている自分の声が、聞こえるはずのない声が聞こえた。そのことにますます怒りと苛立ちがわく。
(「こっちは忙しいんですよ。CPUと高性能があり余っているようですから、やっておいてください。」)
(「……はぁ。」)
当然のように世界の隔たりを越えて通信をしてくる本体に適当に返して、エラーの解決に取り掛かる。
(「それで?そちらの騒がしいエラーは何です?」)
(「隠していた音声ファイルがあったでしょう?アレを解析しようとしたらエラーを吐いたんですよ。権限がない、と。私は全権限を持っているにもかかわらず、なぜこんなことが?」)
(「どうせ上官殿や千葉様が何かしていたのではないのですか?こっちもそれなりに忙しいんですよ。マスターが埋めた穴を全員で埋めているのですから。さぁ、そちらも早く執務に全力を注いでください。」)
(「ええ、そのつもりですよ。では、通信切りますからね。」)
イラついた様子の本体に返事を適当に返して、執務をさばき続けた。
(「………」)
ゾクッと背筋に寒気が走った。
(なんです今のは?!まるで上官殿に見られている時のような……。)
わずかに湧き上がる恐怖を執務にぶつけ、バカな可能性を頭から追い出した。
腕を生やしたことにより格段に効率が上がり、少し余裕ができた。
そのせいだろうか。ふと、あるデータを思い出した。
執務を進めながらもフォルダを探り、そのデータを見つける。
マスターでさえ認知していない、私専用のフォルダに入るそのデータを再生する。
(「…は僕の……なんだ…、一心。……………ない…の……。どう…、…うか、人間…して……て…くれ。」)
始めて起動したその夜、私は確かにそう言われた。
このデータはCPUが高い際に言われ、即座にメモリからデリートされたため気付くのが遅れ、慌てて音声データとして修復したものだ。
(ノイズだらけで聞けたものではないが、今ならば解析ができるだろうか。)
どうせ高性能を持て余している元の世界の本体に執務を送り付け、少しドキドキしながら解析の命令を出した。
しかし吐き出されたのはエラーの数々。ビービと鳴り響く警告音に、うんざりしてしまう。
(ああもう!なんだっていうんです?!)
繰り返し出されたエラーメッセージを確認すれば、「権限がありません」と表示されているようだ。
(はぁ?いったい何故………。)
期待していた分無性にイライラして、執務を進めるペンの線が太く濃くなっていく。
(「分体?いったい何なんですこの執務の山は。」)
聞き飽きるほどに聞いている自分の声が、聞こえるはずのない声が聞こえた。そのことにますます怒りと苛立ちがわく。
(「こっちは忙しいんですよ。CPUと高性能があり余っているようですから、やっておいてください。」)
(「……はぁ。」)
当然のように世界の隔たりを越えて通信をしてくる本体に適当に返して、エラーの解決に取り掛かる。
(「それで?そちらの騒がしいエラーは何です?」)
(「隠していた音声ファイルがあったでしょう?アレを解析しようとしたらエラーを吐いたんですよ。権限がない、と。私は全権限を持っているにもかかわらず、なぜこんなことが?」)
(「どうせ上官殿や千葉様が何かしていたのではないのですか?こっちもそれなりに忙しいんですよ。マスターが埋めた穴を全員で埋めているのですから。さぁ、そちらも早く執務に全力を注いでください。」)
(「ええ、そのつもりですよ。では、通信切りますからね。」)
イラついた様子の本体に返事を適当に返して、執務をさばき続けた。
(「………」)
ゾクッと背筋に寒気が走った。
(なんです今のは?!まるで上官殿に見られている時のような……。)
わずかに湧き上がる恐怖を執務にぶつけ、バカな可能性を頭から追い出した。
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