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番外編 たった一つ 2
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次の日は朝から忙しい日だった。
出勤してすぐ警察署のパソコンにサーバー攻撃があり、ものの一時間でパソコンは使い物にならなくなった。
そのうえあの男達が来て、俺たちのパソコンをいじらせなくてはいけなくなった。
「ウイルスが何の情報を持って行ったのかを調べ、その後修復を進めます。残念ですが、今日一日は何もできないと思ってください。」
そんなことを言って、パソコンを忙しそうにいじっている。
(ハッ。手の込んだ自作自演だことで。)
こいつが来てから、警察署のパソコンへの攻撃や脅迫状が増えたことは皆が知っていることだ。
だが、実際に何かがあったことは一度もない。つまりこいつらの自作自演だ。
(どうせこれも本当は、何も起きていないのだろう。)
パソコンをのぞき込めば、小さく真っ黒なウィンドウに英語が大量に流れている。
単語やWindowsなんちゃらは分かるものの、何をやっているかなどさっぱりだ。
(そもそも大学出身の俺が理解できないようなことを、俺よりバカそうなこいつらが分かるのか?)
知り合いのパソコンをいじっているのは、見るからに不良の男。隊長とかいう男と同じような画面で、キーボードを打っているが、どうせ適当に打っているのだろう。
(まぁ、どうでもいいか。)
こいつらに時間を割くことすらバカバカしい。
俺は、今できる仕事をし始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上から報告があった。パソコンからは警察官の巡視ルートや個人情報が取られ、パソコンは大元から破壊されていたそうだ。
「春原君は素晴らしいな。明日から昨日と同じように使えるそうだ。俺も試したが、何事もなかったように使えたぞ。」
揃って上の連中はあいつを認め、褒めている。だから、一度聞いたことがある。
「あいつの何がすごいっていうんです?猫かぶりと不良共の根城じゃないですか。」
一番仲のいい上司は、それを聞いて笑った。
「なに、簡単なことさ。春原君はあの鬼畜上官に育てられた愛弟子だぞ?あの人の容赦のなさはお前も知っているだろう。それにあいつは養子だ。春原家、知ってるか?」
「いえ………。」
「春原家は実力で成り上がった家でな、我が子に対する教育もひときわ厳しいと聞く。結婚相手すらそれと同程度を求められるんだ。………その春原家の当主夫妻の、お眼鏡にかなう優秀さをあいつは持っているんだよ。」
そう言われた。正直、それは春原でも小鳥美のほうだろう。
彼女は優秀な警察官で、あの男の部屋で事務作業をしている。
ぜひともわが部署に来てほしいところだが、病弱であまり出勤できていないらしい。
しかしそれを知ってなお、彼女を勧誘する部署は後を引かない。
(まったく、あの男も少しは彼女の真面目さを見習えばいいんだ。)
そう思っていた時だった。
パンッ
乾いた破裂音が響いて、怒号や悲鳴が聞こえ始めた。
俺の足元に、自分の血が全て落ちた血がした。
……ナニガ、オキテイル?
出勤してすぐ警察署のパソコンにサーバー攻撃があり、ものの一時間でパソコンは使い物にならなくなった。
そのうえあの男達が来て、俺たちのパソコンをいじらせなくてはいけなくなった。
「ウイルスが何の情報を持って行ったのかを調べ、その後修復を進めます。残念ですが、今日一日は何もできないと思ってください。」
そんなことを言って、パソコンを忙しそうにいじっている。
(ハッ。手の込んだ自作自演だことで。)
こいつが来てから、警察署のパソコンへの攻撃や脅迫状が増えたことは皆が知っていることだ。
だが、実際に何かがあったことは一度もない。つまりこいつらの自作自演だ。
(どうせこれも本当は、何も起きていないのだろう。)
パソコンをのぞき込めば、小さく真っ黒なウィンドウに英語が大量に流れている。
単語やWindowsなんちゃらは分かるものの、何をやっているかなどさっぱりだ。
(そもそも大学出身の俺が理解できないようなことを、俺よりバカそうなこいつらが分かるのか?)
知り合いのパソコンをいじっているのは、見るからに不良の男。隊長とかいう男と同じような画面で、キーボードを打っているが、どうせ適当に打っているのだろう。
(まぁ、どうでもいいか。)
こいつらに時間を割くことすらバカバカしい。
俺は、今できる仕事をし始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上から報告があった。パソコンからは警察官の巡視ルートや個人情報が取られ、パソコンは大元から破壊されていたそうだ。
「春原君は素晴らしいな。明日から昨日と同じように使えるそうだ。俺も試したが、何事もなかったように使えたぞ。」
揃って上の連中はあいつを認め、褒めている。だから、一度聞いたことがある。
「あいつの何がすごいっていうんです?猫かぶりと不良共の根城じゃないですか。」
一番仲のいい上司は、それを聞いて笑った。
「なに、簡単なことさ。春原君はあの鬼畜上官に育てられた愛弟子だぞ?あの人の容赦のなさはお前も知っているだろう。それにあいつは養子だ。春原家、知ってるか?」
「いえ………。」
「春原家は実力で成り上がった家でな、我が子に対する教育もひときわ厳しいと聞く。結婚相手すらそれと同程度を求められるんだ。………その春原家の当主夫妻の、お眼鏡にかなう優秀さをあいつは持っているんだよ。」
そう言われた。正直、それは春原でも小鳥美のほうだろう。
彼女は優秀な警察官で、あの男の部屋で事務作業をしている。
ぜひともわが部署に来てほしいところだが、病弱であまり出勤できていないらしい。
しかしそれを知ってなお、彼女を勧誘する部署は後を引かない。
(まったく、あの男も少しは彼女の真面目さを見習えばいいんだ。)
そう思っていた時だった。
パンッ
乾いた破裂音が響いて、怒号や悲鳴が聞こえ始めた。
俺の足元に、自分の血が全て落ちた血がした。
……ナニガ、オキテイル?
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