異世界情報収集生活

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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)

151.思わず手がでちゃった

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その後も次々に部屋を調べて、やっと端まで終わったころ。

(さて一心に連絡……)

「姫様―。」

「ひめさまー。」

窓の隙間から入り、私の周りを飛び回る下級精霊たち。

「ん?どうした?」

「ウィール様からねー。」

「でんごん!でんごん!」

「あのねあのね!」

「「「「王様起きた!!」」」」

「は?」

「起きた!起きた!」
「おっきた♪おっきた♪」
「おうさまおっきた♪」

…………………

…………………

…………………

中級精霊に乗ってきた小精霊のダンスがすごく可愛い。

………じゃなくて!!

「は?」

(「こちら一心です、マスターご用件は?」)

「ごめんちょっと出るから、お城関連よろしく。」

(「はぁ?!マスター、どうい」)

ブチッ

………

「ごめんて……。」

さすがに少し罪悪感がわく。しかし、これは許してほしい。

(おうさまおきた?どう考えても、王様が起きた。だろうけれど、起きるわけがないんだよねぇ。)

兎にも角にも確認しなければならないだろう。

まぁ、本当に目が覚めただけでもいいさ。脳に直接話しかけて、印鑑の場所を聞かないといけないからね。


(これは小一時間の説教が決定したなぁ)なんてことを思いつつ光魔法で姿を消す。

辺りに気配がない事を確認した後、窓を開け黒いローブを身に纏い目指すはリーザルの家。

思った以上に早い再会になりそうが、国王の回復が予想より早かったのは嬉しい誤算だ。

明後日の夜会には出てもらえるだろうか。

(いや、さすがにそれは無理だろうな。直ぐに体が動くわけがないし、意識がはっきりしているだけで儲けものだろう。)

国王ガストロの体に使われていた毒は、意識を朦朧とさせる物を元に麻痺や思考力の停止があった。

私に同じ毒が同じ時間盛られたと仮定しても、歩けるようになるまで最低3日はかかる。
だから、どれだけ国王が強い毒物体制を持っていたとしても、即日回復は無理だろう。

(今後の予定に変更はなさそうだ。)

そう思ってリーザルの家に着いたのに。

「おあああ?!!精霊妃様?!精霊妃様でいらっしゃいますよね!私はライミリ精霊信仰国で国王をしておりますガストロ=ライミリと申します!!あああ存命中にお会いできましたこと光栄で」

「うっさい!!」

「グフッ!」

反射で思わずパンチをしてしまったが、一ミリたりとも後悔していない。

「ダレコレ。」

知っている顔だけれどさ、これ、なに?

「このはぁはぁしているおっさん誰?!!」


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