異世界情報収集生活

スカーレット

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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)

141.ウィール様は意外とお怒りだったらしい

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一心の足音を合図に目を開き、直後に聞こえた声に返事を返した。

相変わらずジャラジャラと重い緑のドレスを身に纏いながら、一心にそういえばと伝える。

「朝食、マナー確認に使うからフルコースにしてくれる?」

「かしこまりました。」

朝食らしくないメニューだが仕方ない。出来る限り優雅に食べて、毒入りの紅茶を飲み干す。

「ニア、今日から夜会までの期間は殿下達の教育を中心にお願い。殿下には威圧と威厳をはったりでいいから仕上げて。騎士達には殺気と威圧を中心に自分の意志で出せるようにしといて。よろしく!」

「かしこまりました。」

「一心は私についてきて。精霊王達は殿下達の護衛をお願い。」

「ああ。」

「かしこまりました、姫。」

「………(コクリ)」

「分かった。」

「かしこまりました、マスター。」

「じゃあ、移動しようか。ダーネス、お願い。」

「任せろ。」

「ラトネス、殿下達もう起きてる時間だから昨日の部屋に来るよう伝えて。」

「ええ、お任せください。」

「じゃあ、レッツゴー!」

堂々と城門前に移動し、精霊王達を従えて騎士に話しかける。

「通してくださいませ。精霊妃の、小鳥美です。」

「っ…確認してまいります。少々お待ちください。」


名乗ったとたんに途端にドタバタと走っているけどさ、何を確認するの?今日の予定?
来城予定はあったけど……公爵夫人含めた高位貴族って、ウィール様にあげてからどうなってんだろ?

そう思っている間に騎士の一人が帰ってきて、ピカピカの剣の位置を戻して告げる。

「殿下よりご来城予定があるとのご報告がありました。精霊妃小鳥美様、側近の一心様、ニア様どうぞお通り下さい。精霊王様方につきましてはもとより規則外となりますので、ご自由にお通り下さい。」

(つまり、公爵夫人たちの勉強会の予定は取り消されていて、私は用が無ければ出入りすらできない。はぁ。連絡もよこさずに一方的に破棄とは、なんとまぁ。ま、そもそも本来は、精霊妃も規則外なんだけれどね。)

「ご苦労様です。皆、行きましょう。」

「「「「「「はっ。」」」」」」

恭しく差し出された一心の手を取って、残る方の見張りの騎士にニコリとほほ笑む。

先導する騎士の後ろで、気持ち小さめの歩幅で城内を進む。

(「一心、どうやら貴族がごっそりいないらしい。足音が格段に少ないし、気配も従者たちばかりだ。」)

(「ウィール様が連れて行ったのかと思われます。」)

(「………全部?」)

(「全部。」)

(「………」)

(「………」)

(「放置で。」)

(「異論ありません。」)

((触らぬウィール様にたたりなし/ですね。))

そんなことを小声で話しながら、殿下のいる部屋につく。

「レイピスト様。精霊妃小鳥美様、ならびに、精霊王様方と小鳥美様の従者の皆様がお着きになられました。」

「精霊妃小鳥美様方、お待ちしておりました。どうぞお入りください。殿下がお待ちです。」

ノックの音で中から出てきて、そう言ったレイピスト。

(どうです?) 

なんて言いたげな顔をしていたので、その横を通り過ぎるときに

「40点」

と言っておいた。
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