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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
138.とりあえず
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教育と言う名の「常識一夜漬け会」は夜まで続き、殿下はやっと無意識でも他国の王族レベルで立ち振る舞いが出来るようになってきた。
長い戦いだった……。この様子だと一心は1,2回はブチギレてぶん殴ってるかな。
そんな予想が立つくらいだから、一心からの通信が切れていた時間もあったけれどあまり気にしていない。せいぜい証拠が残らないように気を付けて欲しいなと思うくらいだ。
「そう言えば殿下、私が最初にした質問の答えは分かりました?」
「…確か、会話の中の矛盾点を答える問題ですよね。それならば、『公の場以外で敬語を使わない許可』を求めた事ではないでしょうか。そもそも公の場でも私に対して敬語を使う必要はありませんよね?」
「そ。ちゃーんと頭に入っているようでよかったよかった。」
夕飯代わりの軽食を倉庫から取り出して、マナーの確認も併せて食べさせる。
「……うん。まだ粗いけど大丈夫そうだね。じゃ、少し待ってて。一心達呼んでくる。」
「かしこまりました。」
殿下を放り隣へとつながる扉をノックして声をかけるも、中はシーンと静まり返っている。
「……。」
ドアノブに手を書けるとごく僅かだけど違和感がある。どうせ一心が防音結界でも張ったのだろう。
「………。」
3秒だけ考えて強制的に破壊して中に入る。イェーイ!
「やーどうもどうも気分的には数日経っている千利だよ!癒しが足りないのでニアを抱きしめる予定さニア―、ニアカモン!ちなみに防音結界は破壊しましたノックに気付かない一心が悪いようん。」
クルリと一回転してニアを抱きしめ、一心にジトッとした目を向ける。
「で、この状況イズ何?」
壁に壊された痕跡はないものの、防御結界を何度も使用した後が見て取れる。そして被害者であろう騎士二人は床に正座の上、三分の一くらいに縮こまってお勉強中。
なにがあった?
「…………とりあえず一心、ニア、怪我は?」
「ありません。」
「外傷、内傷ありません。」
「そっか、ならいいや。」
「全くもってよくありません精霊妃様!私の護衛にいったい何があったというのです?!」
死んでないよな!?やおい、おい正気に戻れ?!と友人兼護衛の名前を必死な形相で呼ぶ殿下。
その努力もむなしく返って来るのはブツブツと紡がれる呪文のような言葉。耳をすませば、自白の様な懺悔の様な内容を言っていることが分かる。
「やだなぁ、私の優秀で有能で(思考回路が)美しい息子と娘が殺しなんてするわけないじゃないですか。死んでませんよ生きてる生きてる。」
とりあえず一心達を殺人犯にされるのは我慢ならないので否定しておく。
「精霊妃様!そういうことではありません!五体満足で生きていることは最低条件です!」
「うるさいよー殿下。」
とっても便利な魔法で強制的に黙らせ、ニアをぬいぐるみ代わりに膝に乗せ抱える。
少しの間ニアで癒しを堪能したのち、騎士二人の意識が正常に戻ったことを確認して一心に問う。
「で?」
一言で場の空気を変えて息子と母親から執事と主へと戻る。
「私が不在だった時の状況の報告を。」
「かしこまりました。」
ニアが何か言いたげにしている騎士たちを一睨みするのを合図に、一心は淡々と事実のみを語り始めた。
長い戦いだった……。この様子だと一心は1,2回はブチギレてぶん殴ってるかな。
そんな予想が立つくらいだから、一心からの通信が切れていた時間もあったけれどあまり気にしていない。せいぜい証拠が残らないように気を付けて欲しいなと思うくらいだ。
「そう言えば殿下、私が最初にした質問の答えは分かりました?」
「…確か、会話の中の矛盾点を答える問題ですよね。それならば、『公の場以外で敬語を使わない許可』を求めた事ではないでしょうか。そもそも公の場でも私に対して敬語を使う必要はありませんよね?」
「そ。ちゃーんと頭に入っているようでよかったよかった。」
夕飯代わりの軽食を倉庫から取り出して、マナーの確認も併せて食べさせる。
「……うん。まだ粗いけど大丈夫そうだね。じゃ、少し待ってて。一心達呼んでくる。」
「かしこまりました。」
殿下を放り隣へとつながる扉をノックして声をかけるも、中はシーンと静まり返っている。
「……。」
ドアノブに手を書けるとごく僅かだけど違和感がある。どうせ一心が防音結界でも張ったのだろう。
「………。」
3秒だけ考えて強制的に破壊して中に入る。イェーイ!
「やーどうもどうも気分的には数日経っている千利だよ!癒しが足りないのでニアを抱きしめる予定さニア―、ニアカモン!ちなみに防音結界は破壊しましたノックに気付かない一心が悪いようん。」
クルリと一回転してニアを抱きしめ、一心にジトッとした目を向ける。
「で、この状況イズ何?」
壁に壊された痕跡はないものの、防御結界を何度も使用した後が見て取れる。そして被害者であろう騎士二人は床に正座の上、三分の一くらいに縮こまってお勉強中。
なにがあった?
「…………とりあえず一心、ニア、怪我は?」
「ありません。」
「外傷、内傷ありません。」
「そっか、ならいいや。」
「全くもってよくありません精霊妃様!私の護衛にいったい何があったというのです?!」
死んでないよな!?やおい、おい正気に戻れ?!と友人兼護衛の名前を必死な形相で呼ぶ殿下。
その努力もむなしく返って来るのはブツブツと紡がれる呪文のような言葉。耳をすませば、自白の様な懺悔の様な内容を言っていることが分かる。
「やだなぁ、私の優秀で有能で(思考回路が)美しい息子と娘が殺しなんてするわけないじゃないですか。死んでませんよ生きてる生きてる。」
とりあえず一心達を殺人犯にされるのは我慢ならないので否定しておく。
「精霊妃様!そういうことではありません!五体満足で生きていることは最低条件です!」
「うるさいよー殿下。」
とっても便利な魔法で強制的に黙らせ、ニアをぬいぐるみ代わりに膝に乗せ抱える。
少しの間ニアで癒しを堪能したのち、騎士二人の意識が正常に戻ったことを確認して一心に問う。
「で?」
一言で場の空気を変えて息子と母親から執事と主へと戻る。
「私が不在だった時の状況の報告を。」
「かしこまりました。」
ニアが何か言いたげにしている騎士たちを一睨みするのを合図に、一心は淡々と事実のみを語り始めた。
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