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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
133.予想外
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騎士二人が僅かに動いた途端、一心は二人の首を掴んで持ち上げた。
「ヤドゥール!レイピ…!」
「動くと死にますよ?」
思わず立ち上がった殿下の首にはナイフがピタリと当てられる。いうまでもなくニアだけれど、それよりも殿下の反応にため息が出る。
「殿下、守られる立場としての行動が出来ていません。今のように騎士二人が抑えつけられた場合、犯人の対応を見て時間を稼がなくてはいけません。出来なければ死ぬだけです。ニアが寸止めしてくれたから、貴方は今生きているんですよ。それを実感して理解してください。」
無意味に動くと死ぬことを実感させられただろうか。ニアに目を向けて、殿下を座らせる。
「一心、下ろせ。」
こちらも荒く離されドサッとソファーに落とされた二人は、首に手を当てて息を整えている。その腰に、長剣は無い。
「これは預かります。退出時に返しますが、それよりも前に返して欲しいのであれば実力でかかってきなさい。分かっているでしょうが、勝ち目はありませんし負けは死ですのでそのつもりで。」
反発するようにギロリと一心を睨んだレイピストのすぐ横にナイフを突き立てる。
「レイピスト=セルバ。私の新薬の実験室はまだ空きがある。そこに入りたいのであれば止めないがどうする。」
途端に青くなったレイピストと殿下だが、殿下を挟んだヤドゥールにはまだ脅しが足りないようだ。
「まだ力量の差が分からないかヤドゥール=ガディア。」
空間魔法で書類を取り出し、読み上げていく。内容は国が厳重に管理している本人の情報。
「…!なぜそカハッ!」
「黙って聞け。発言の許可は与えていない。」
お腹を蹴り飛ばした後頭に足をのせ、そのまま書類を全て読み上げる。
ちなみにこれには含まれていないが、いわゆる中二病が全開だったころにかかれたポエムも回収&複製してある。
わーハズカシハズカシ。
今は残念ながらシリアスな空気を霧散させたくないので今は読み上げないが、普段から隠し持っている武器の詳細まで読み上げられたことに驚きは隠せないようだ。
「情報収集の能力にも圧倒的な差がある事は分かったね?分からないなら救いようがない事も理解できるね?」
じゃあ次、と一心に問題集を配ってもらい解くように指示する。
「王族とその護衛騎士を名乗るのであれば当然解けなくてはいけない問題だよ。制限時間10分。」
急かすようにペンを握らせ、解答で埋まることを全く期待しないまま時間が過ぎるのを待つ。
体感では3分たったくらいだろう。
(………)
三人のペンは全く動く気配がない。今の彼らの様子を一言で表すのであれば、呆然。
「はぁ……そこまで。10分経過まで待つ必要もないでしょう。」
風を操り問題集を取り上げれば白紙が3つ。
「貴族に毒殺されなくてよかったですね。この程度も解けない知識量で毒殺されなかったのはウィール様の愛し子故でしょう。世界樹ウィール様に感謝しろ。」
彼らに渡したのは「この国」で一般的に使われる毒薬とその解毒薬に関すること。
毒薬に関することについては、貴族として生きるのであれば必須だろう。
毒薬の防ぎ方、使われた毒の見分け方、似ている毒の差異、毒薬の材料、一時的になら処方していい薬、絶対に飲ませてはいけない薬、毒に侵された者・物にしてはいけない行為などなど。
護衛騎士ならばこの知識を生かすことまでが必須。だというのに1問も解けないという現実は正直直視したくない。
そして王族!毒の防ぎ方知らないで本当によく死ななかったな?!溶岩に放り込んだらたまたまあった溶岩から突き出た平らな岩に着地したくらいの奇跡だぞ?!
「一心、ニア……。これ、教育できると思う?」
ポイッと投げれば一心は盛大に顔をしかめ、ニアは三人に凍える目線を投げた。
「マスター、処分は私にお任せください。」
どす黒い笑顔で笑う一心は既に私が見捨てることを前提に動き始める気だろう。
「………………………。」
一方ニアは無言でソファーにトスッ、トスッとナイフを投げ続けている。無表情だからとってもコワイネ!
「一心、ニア。」
しっかりと教育された二人はそれだけで動きを止めて、元の位置へと戻る。
「殿下、レイピスト、ヤドゥール、選択肢を提示しましょう。…………選べ。」
青い顔をする三人はやっと、やっっっと自分たちが貴族としてあり得ないほどの底辺にいることに気付いたらしい。
今までは公爵子息としての僅かな経験でカバーできていたのだろうが、これからは殿下が中心として動いてもらわなくては困る。
「ただし提示する選択はどれも文字通り、血反吐を吐くくらいまでの努力を強要するものですので、よく、お考え下さい。ものによっては精神的にも、体力的にも死ぬぎりぎりまで追い詰めますから。」
ニコリとわらうと彼らは歯をカチカチと鳴らし始めた。
そんなところで体力を使うなんて余裕だねぇ?あーもったいない!
「ヤドゥール!レイピ…!」
「動くと死にますよ?」
思わず立ち上がった殿下の首にはナイフがピタリと当てられる。いうまでもなくニアだけれど、それよりも殿下の反応にため息が出る。
「殿下、守られる立場としての行動が出来ていません。今のように騎士二人が抑えつけられた場合、犯人の対応を見て時間を稼がなくてはいけません。出来なければ死ぬだけです。ニアが寸止めしてくれたから、貴方は今生きているんですよ。それを実感して理解してください。」
無意味に動くと死ぬことを実感させられただろうか。ニアに目を向けて、殿下を座らせる。
「一心、下ろせ。」
こちらも荒く離されドサッとソファーに落とされた二人は、首に手を当てて息を整えている。その腰に、長剣は無い。
「これは預かります。退出時に返しますが、それよりも前に返して欲しいのであれば実力でかかってきなさい。分かっているでしょうが、勝ち目はありませんし負けは死ですのでそのつもりで。」
反発するようにギロリと一心を睨んだレイピストのすぐ横にナイフを突き立てる。
「レイピスト=セルバ。私の新薬の実験室はまだ空きがある。そこに入りたいのであれば止めないがどうする。」
途端に青くなったレイピストと殿下だが、殿下を挟んだヤドゥールにはまだ脅しが足りないようだ。
「まだ力量の差が分からないかヤドゥール=ガディア。」
空間魔法で書類を取り出し、読み上げていく。内容は国が厳重に管理している本人の情報。
「…!なぜそカハッ!」
「黙って聞け。発言の許可は与えていない。」
お腹を蹴り飛ばした後頭に足をのせ、そのまま書類を全て読み上げる。
ちなみにこれには含まれていないが、いわゆる中二病が全開だったころにかかれたポエムも回収&複製してある。
わーハズカシハズカシ。
今は残念ながらシリアスな空気を霧散させたくないので今は読み上げないが、普段から隠し持っている武器の詳細まで読み上げられたことに驚きは隠せないようだ。
「情報収集の能力にも圧倒的な差がある事は分かったね?分からないなら救いようがない事も理解できるね?」
じゃあ次、と一心に問題集を配ってもらい解くように指示する。
「王族とその護衛騎士を名乗るのであれば当然解けなくてはいけない問題だよ。制限時間10分。」
急かすようにペンを握らせ、解答で埋まることを全く期待しないまま時間が過ぎるのを待つ。
体感では3分たったくらいだろう。
(………)
三人のペンは全く動く気配がない。今の彼らの様子を一言で表すのであれば、呆然。
「はぁ……そこまで。10分経過まで待つ必要もないでしょう。」
風を操り問題集を取り上げれば白紙が3つ。
「貴族に毒殺されなくてよかったですね。この程度も解けない知識量で毒殺されなかったのはウィール様の愛し子故でしょう。世界樹ウィール様に感謝しろ。」
彼らに渡したのは「この国」で一般的に使われる毒薬とその解毒薬に関すること。
毒薬に関することについては、貴族として生きるのであれば必須だろう。
毒薬の防ぎ方、使われた毒の見分け方、似ている毒の差異、毒薬の材料、一時的になら処方していい薬、絶対に飲ませてはいけない薬、毒に侵された者・物にしてはいけない行為などなど。
護衛騎士ならばこの知識を生かすことまでが必須。だというのに1問も解けないという現実は正直直視したくない。
そして王族!毒の防ぎ方知らないで本当によく死ななかったな?!溶岩に放り込んだらたまたまあった溶岩から突き出た平らな岩に着地したくらいの奇跡だぞ?!
「一心、ニア……。これ、教育できると思う?」
ポイッと投げれば一心は盛大に顔をしかめ、ニアは三人に凍える目線を投げた。
「マスター、処分は私にお任せください。」
どす黒い笑顔で笑う一心は既に私が見捨てることを前提に動き始める気だろう。
「………………………。」
一方ニアは無言でソファーにトスッ、トスッとナイフを投げ続けている。無表情だからとってもコワイネ!
「一心、ニア。」
しっかりと教育された二人はそれだけで動きを止めて、元の位置へと戻る。
「殿下、レイピスト、ヤドゥール、選択肢を提示しましょう。…………選べ。」
青い顔をする三人はやっと、やっっっと自分たちが貴族としてあり得ないほどの底辺にいることに気付いたらしい。
今までは公爵子息としての僅かな経験でカバーできていたのだろうが、これからは殿下が中心として動いてもらわなくては困る。
「ただし提示する選択はどれも文字通り、血反吐を吐くくらいまでの努力を強要するものですので、よく、お考え下さい。ものによっては精神的にも、体力的にも死ぬぎりぎりまで追い詰めますから。」
ニコリとわらうと彼らは歯をカチカチと鳴らし始めた。
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