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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
118.主従は似るものです
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「…………千利。」
ふと神様が真面目な顔をして呟いた。
「何でしょう。」
「今、こちらとしてはライミリがいることで戦争を回避しているようなものだから、ライミリを滅ぼしてほしくないんだよ。」
そういえばライミリとマルクトリアとペカニブルで大国が三つだから、迂闊に戦争が出来ないのか。
戦争仕掛けたら勝っても負けても残りの大国に狙われる。小国はそもそも大国を相手にするのは大変だろうから自分達から戦争を仕掛けると考えにくい。
「あー―。精霊の土地があっても、戦争の防壁にはなりませんからねぇ。素通りされて終わりです。」
「ちゃんと分かっているじゃないか。じゃあ滅ぼさないでね?」
「私の支配下に置くのはいいですよね?」
とたんにグッとつまり、唸るように声を絞り出して呟いた。
「…………荒野に戻さなければ………いや、大国として戦争の防壁になるんなら、いいよ……………………………うん。」
そう神様が答えた瞬間、私は半ば叫んだ。
「一心!」
「録音済みです。」
「よっしゃぁ!言質貰いましたからね、神様。」
やってしまった……という様子の神様を横目にガッツポーズ。え?頭が痛い?神様も大変ですねぇ…。
「君のせいだよ……はぁ。」
最高神様がいる天を見上げて、遠い目をする神様。しばらく見上げた後に、ふと一心を見た。
「そう言えば君の評価は?聞いていなかったよね。」
意外だ、というように瞬きをして少し停止する一心。
「評価、ですか。」
不思議そうに小首をかしげた後にもしや、と呟いて機嫌のいい時の悪魔のように顔を変えた。
「礼儀もなっていない人の形をした獣の事でしょうか?マスターの手足としても玩具としても役に立ちませんから、さっさと大陸ごと荒野に戻すのがよろしいかと。」
もはや人間として評価を下していない一心の答えに笑顔がこぼれる。
「さっすが一心!分かってるぅ。」
「マスターの執事ですから。」
「そんなところで似なくたっていいんだよ!」
悲鳴に似た神様の叫びと共に私の頬は犠牲になった。
「どうして!君は!そうやってすぐに!国を!荒野に戻そうとするんだい!」
ぷぎゅと変な音が自分から出たのを自覚しながら、解放された口で抗議する。
「こちとら命を懸けて戦ってきたんですよ!?あんな馬鹿の国、私達が滅ぼさなくても数年もしたら滅びます!なら、精霊妃という権力を持った私達が不敬罪で処罰して、精霊妃権限で貴族全体を改革した方がいいじゃないですか!直ぐに荒野にしないだけ褒めてくださいよ!」
そう吠えれば、驚いた様子の神様。
「……なんです?真っ当なことを言っている自覚がありますがなにかぁ?」
睨みをきかせて凄むと、ポカーンとしたまま呟いた。
「君、考えてたんだね。」
えらいえらいと頭を撫でられる。………神様?その麗しい顔に息子と二人紅葉を付けたく存じます。
「というわけで平手打ちをしても?」
「訳が分からないから却下。……一心君?なぜ君は手を広げて笑顔でこちらを見ているんだい?」
「もちろん、神様の顔に紅葉を付けるためです。」
「却下!」
「「チッ」」
二人で舌打ちをしてウィール様に呆れられているが構うものか。
「ん?そういや神様さっきまで成人の姿じゃありませんでした?」
少年姿でここは届くのだろうかと神様の頭上に手を置く。ほれほれ、ほれほれ
「僕は猫か何かかい?」
「うん。」
ジトッとした目に確信をもって頷きを返せば、ヒクリと顔をひきつらせた。
「はぁ。ずいぶん前から成人前位の姿でいただろう?もう必要がないから戻っただけだよ。」
「そうでしたっけ?」
「そうだよ!僕は神なんだから姿を変えることくらい簡単なんだよ。前の幼い姿だと君の計画に支障が出る気がしたからね、変えておいたんだよ。ま、話し合いの場で君が実力行使に出た時に、この姿なら抑え込めるだろう?だからだよ。」
そう聞いて二人で顔を見合わせて瞬きを一つ。
「………?」
はぁ、とため息を吐いて神様に対するご報告を引き受けてくれた一心。
「神様、残念なお知らせです。」
「?」
「最高神様を含めた神様方が全員でかかってこられたら、私一人かニア一人は力ずくで抑え込めるかもしれません。しかし、マスターはたとえ一人でも無理です。」
「え゛っ?」
ふと神様が真面目な顔をして呟いた。
「何でしょう。」
「今、こちらとしてはライミリがいることで戦争を回避しているようなものだから、ライミリを滅ぼしてほしくないんだよ。」
そういえばライミリとマルクトリアとペカニブルで大国が三つだから、迂闊に戦争が出来ないのか。
戦争仕掛けたら勝っても負けても残りの大国に狙われる。小国はそもそも大国を相手にするのは大変だろうから自分達から戦争を仕掛けると考えにくい。
「あー―。精霊の土地があっても、戦争の防壁にはなりませんからねぇ。素通りされて終わりです。」
「ちゃんと分かっているじゃないか。じゃあ滅ぼさないでね?」
「私の支配下に置くのはいいですよね?」
とたんにグッとつまり、唸るように声を絞り出して呟いた。
「…………荒野に戻さなければ………いや、大国として戦争の防壁になるんなら、いいよ……………………………うん。」
そう神様が答えた瞬間、私は半ば叫んだ。
「一心!」
「録音済みです。」
「よっしゃぁ!言質貰いましたからね、神様。」
やってしまった……という様子の神様を横目にガッツポーズ。え?頭が痛い?神様も大変ですねぇ…。
「君のせいだよ……はぁ。」
最高神様がいる天を見上げて、遠い目をする神様。しばらく見上げた後に、ふと一心を見た。
「そう言えば君の評価は?聞いていなかったよね。」
意外だ、というように瞬きをして少し停止する一心。
「評価、ですか。」
不思議そうに小首をかしげた後にもしや、と呟いて機嫌のいい時の悪魔のように顔を変えた。
「礼儀もなっていない人の形をした獣の事でしょうか?マスターの手足としても玩具としても役に立ちませんから、さっさと大陸ごと荒野に戻すのがよろしいかと。」
もはや人間として評価を下していない一心の答えに笑顔がこぼれる。
「さっすが一心!分かってるぅ。」
「マスターの執事ですから。」
「そんなところで似なくたっていいんだよ!」
悲鳴に似た神様の叫びと共に私の頬は犠牲になった。
「どうして!君は!そうやってすぐに!国を!荒野に戻そうとするんだい!」
ぷぎゅと変な音が自分から出たのを自覚しながら、解放された口で抗議する。
「こちとら命を懸けて戦ってきたんですよ!?あんな馬鹿の国、私達が滅ぼさなくても数年もしたら滅びます!なら、精霊妃という権力を持った私達が不敬罪で処罰して、精霊妃権限で貴族全体を改革した方がいいじゃないですか!直ぐに荒野にしないだけ褒めてくださいよ!」
そう吠えれば、驚いた様子の神様。
「……なんです?真っ当なことを言っている自覚がありますがなにかぁ?」
睨みをきかせて凄むと、ポカーンとしたまま呟いた。
「君、考えてたんだね。」
えらいえらいと頭を撫でられる。………神様?その麗しい顔に息子と二人紅葉を付けたく存じます。
「というわけで平手打ちをしても?」
「訳が分からないから却下。……一心君?なぜ君は手を広げて笑顔でこちらを見ているんだい?」
「もちろん、神様の顔に紅葉を付けるためです。」
「却下!」
「「チッ」」
二人で舌打ちをしてウィール様に呆れられているが構うものか。
「ん?そういや神様さっきまで成人の姿じゃありませんでした?」
少年姿でここは届くのだろうかと神様の頭上に手を置く。ほれほれ、ほれほれ
「僕は猫か何かかい?」
「うん。」
ジトッとした目に確信をもって頷きを返せば、ヒクリと顔をひきつらせた。
「はぁ。ずいぶん前から成人前位の姿でいただろう?もう必要がないから戻っただけだよ。」
「そうでしたっけ?」
「そうだよ!僕は神なんだから姿を変えることくらい簡単なんだよ。前の幼い姿だと君の計画に支障が出る気がしたからね、変えておいたんだよ。ま、話し合いの場で君が実力行使に出た時に、この姿なら抑え込めるだろう?だからだよ。」
そう聞いて二人で顔を見合わせて瞬きを一つ。
「………?」
はぁ、とため息を吐いて神様に対するご報告を引き受けてくれた一心。
「神様、残念なお知らせです。」
「?」
「最高神様を含めた神様方が全員でかかってこられたら、私一人かニア一人は力ずくで抑え込めるかもしれません。しかし、マスターはたとえ一人でも無理です。」
「え゛っ?」
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