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100話達成記念 魔王と微笑む子供 ①
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師匠の過去のお話です。血が多いのでご注意を。
「ERROR-起爆装置が作動しました。直ちに避難を開始してください。」
モニター全てが真っ赤な画面に白い文字を映し続ける。
(眩しくてかなわねぇな。)
監視カメラの画面をモニターの一つにまとめて映す。複数ある出入り口の前には一つの例外もなく、責任から逃れようと逃げ惑う人々が映し出される。マイクを入れれば、聞こえてくるのは怒号や悲鳴や罵声。
(醜いこった。下らねぇ。)
いつからか通り名になった「魔王。」それをどこからか聞きつけた馬鹿に頼まれた馬鹿の殺害依頼と破壊依頼。
「そこにある『全てを』破壊して欲しい。」
そう金を積まれて頼まれた。
正直どうでもいいが「こせき」なるものを持っていない自分が稼ぐ手段はこれぐらいしかないことくらいは、分かっている。
殺しで生活をすることを決めた日に少しの期待を寄せていた戦闘は、もとよりナイフを握った事すらないだろう馬鹿ばかりのこの国では期待した戦闘はできそうもない。
その上馬鹿を殺しまくったところで、もはや病気に近い強敵との戦闘を求める衝動が収まるわけもなく。
(命を懸けた戦闘がしたい。)
陰謀と金のために行われている殺戮の中、そんなことを思った。
互いの力が拮抗した状況で、命を懸けた殺し合い。終わるのが惜しいほど高揚した中での殺し合いは、きっと、この上なく楽しいだろう。
そんな叶いもしねぇことを思いながら、部屋にある全ての機械を粉々にしていく。
「…。」
しばらくして、誰かが歩いてきた。
逃げ惑う奴等なら走って来るだろう。だが、歩いてやがる。
念のため静かに手を止めて、天井に身を潜める。呼吸すら聞こえなくなったこの場所にどんな奴が、何の用で来るのやら。
「………。」
鍵が必要な扉を難なく開け、歩いてきたのはガキだった。
「………。」
微笑みを顔に浮かべて何も言わずに、生き残っているコンピューターを探しては分解して部品を取り出していく。
(何やってんだあいつ。)
全く意図が読めねぇ。この建物の外に繋がる出入り口は全て電子ロックを掛けた上でハッキングし、アナログな鍵は全て閉じてから鍵を燃やした。
これで俺以外は全員出れないはずだが…。分からねぇことを目の前でやられるのは、いい気分じゃねぇな。
(ひとまず、放っておけばそのうち死ぬだろう。)
ガキを放って、別の部屋のコンピューターや電子ロックのマスターキーを持っている奴等を片付けに行った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「や、やめてくれ。そうだ!実験体たちをやろう。全てだ!だから……」
ヒィッ!と声を上げて震える奴を片付け、渡されたリストに斜線を入れる。
(これで殺しは最後か。じゃあ後は機械類の破壊だけだな。)
書類を燃やして、静かになった建物に爆薬を仕掛けながら近くの部屋に入っては、機械らしきものを端から壊していく。
殴って机から落としては踏みつけ、頑丈そうな物は蹴り飛ばす。
ガラクタになった機械を見て、使えねぇことを確認した後に頭の地図に斜線を引いた。
(そういやまだ行ってないとこがあったな。)
何かと難癖をつけて金を払おうとしない奴らの事だ、このあたりを爆破したとしても馬鹿な理由を付けてくるに決まっている。
(めんどくせぇが、仕方ねぇ。)
死体を軽く避けながらその場所に向かい、電子ロックに阻まれて一度足を止める。
「チッ。めんどくせぇ…な!」
横から殴ればあっけなく電子ロックの機械は外れ、扉と壁の隙間にナイフを入れて動かせば扉は開いた。
手前から奥へと次々についていく灯りは、部屋の中にある鉄格子を照らしだしていく。
「胸くそわりぃ場所だ。」
軽く見ても20はある鉄格子のなかにはガキどもがいて、皆同じように虚ろな目でこちらを見ている。
そしてふと思い出す。…………おかしなことをしていたガキは、ここから逃げた?
「おい。」
話しかけると、口を開いては閉じて何かを言った。
「わりぃな、読唇術はこれからなんだ。」
そう言えば骨と皮で出来た腕を上げて、奥の扉を指差した。
当たり前の様に鍵がかかっていたので、同じように壊して奥に入る。
「…ッ」
顔をしかめて、部屋の中央にいる見覚えのあるガキの近くに寄った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
続きます。
「ERROR-起爆装置が作動しました。直ちに避難を開始してください。」
モニター全てが真っ赤な画面に白い文字を映し続ける。
(眩しくてかなわねぇな。)
監視カメラの画面をモニターの一つにまとめて映す。複数ある出入り口の前には一つの例外もなく、責任から逃れようと逃げ惑う人々が映し出される。マイクを入れれば、聞こえてくるのは怒号や悲鳴や罵声。
(醜いこった。下らねぇ。)
いつからか通り名になった「魔王。」それをどこからか聞きつけた馬鹿に頼まれた馬鹿の殺害依頼と破壊依頼。
「そこにある『全てを』破壊して欲しい。」
そう金を積まれて頼まれた。
正直どうでもいいが「こせき」なるものを持っていない自分が稼ぐ手段はこれぐらいしかないことくらいは、分かっている。
殺しで生活をすることを決めた日に少しの期待を寄せていた戦闘は、もとよりナイフを握った事すらないだろう馬鹿ばかりのこの国では期待した戦闘はできそうもない。
その上馬鹿を殺しまくったところで、もはや病気に近い強敵との戦闘を求める衝動が収まるわけもなく。
(命を懸けた戦闘がしたい。)
陰謀と金のために行われている殺戮の中、そんなことを思った。
互いの力が拮抗した状況で、命を懸けた殺し合い。終わるのが惜しいほど高揚した中での殺し合いは、きっと、この上なく楽しいだろう。
そんな叶いもしねぇことを思いながら、部屋にある全ての機械を粉々にしていく。
「…。」
しばらくして、誰かが歩いてきた。
逃げ惑う奴等なら走って来るだろう。だが、歩いてやがる。
念のため静かに手を止めて、天井に身を潜める。呼吸すら聞こえなくなったこの場所にどんな奴が、何の用で来るのやら。
「………。」
鍵が必要な扉を難なく開け、歩いてきたのはガキだった。
「………。」
微笑みを顔に浮かべて何も言わずに、生き残っているコンピューターを探しては分解して部品を取り出していく。
(何やってんだあいつ。)
全く意図が読めねぇ。この建物の外に繋がる出入り口は全て電子ロックを掛けた上でハッキングし、アナログな鍵は全て閉じてから鍵を燃やした。
これで俺以外は全員出れないはずだが…。分からねぇことを目の前でやられるのは、いい気分じゃねぇな。
(ひとまず、放っておけばそのうち死ぬだろう。)
ガキを放って、別の部屋のコンピューターや電子ロックのマスターキーを持っている奴等を片付けに行った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「や、やめてくれ。そうだ!実験体たちをやろう。全てだ!だから……」
ヒィッ!と声を上げて震える奴を片付け、渡されたリストに斜線を入れる。
(これで殺しは最後か。じゃあ後は機械類の破壊だけだな。)
書類を燃やして、静かになった建物に爆薬を仕掛けながら近くの部屋に入っては、機械らしきものを端から壊していく。
殴って机から落としては踏みつけ、頑丈そうな物は蹴り飛ばす。
ガラクタになった機械を見て、使えねぇことを確認した後に頭の地図に斜線を引いた。
(そういやまだ行ってないとこがあったな。)
何かと難癖をつけて金を払おうとしない奴らの事だ、このあたりを爆破したとしても馬鹿な理由を付けてくるに決まっている。
(めんどくせぇが、仕方ねぇ。)
死体を軽く避けながらその場所に向かい、電子ロックに阻まれて一度足を止める。
「チッ。めんどくせぇ…な!」
横から殴ればあっけなく電子ロックの機械は外れ、扉と壁の隙間にナイフを入れて動かせば扉は開いた。
手前から奥へと次々についていく灯りは、部屋の中にある鉄格子を照らしだしていく。
「胸くそわりぃ場所だ。」
軽く見ても20はある鉄格子のなかにはガキどもがいて、皆同じように虚ろな目でこちらを見ている。
そしてふと思い出す。…………おかしなことをしていたガキは、ここから逃げた?
「おい。」
話しかけると、口を開いては閉じて何かを言った。
「わりぃな、読唇術はこれからなんだ。」
そう言えば骨と皮で出来た腕を上げて、奥の扉を指差した。
当たり前の様に鍵がかかっていたので、同じように壊して奥に入る。
「…ッ」
顔をしかめて、部屋の中央にいる見覚えのあるガキの近くに寄った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
続きます。
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