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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
96.師匠=上官=魔王=?
しおりを挟む「おい。」
「はい。」
「人が送ったメールを一つも返信しないで、久しぶりにこの俺がパソコンいじって自分から電話をしてやったというのにその態度たぁ、どういう頭してんだてめぇ。あ゛ぁ?」
「いや~。すいませんね。でもほら、師匠も人の息子勝手にいじるのはどうかと…………ね?」
「うるせぇ。証拠は消したらから問題ねぇだろ。」
「問題大ありですって。」
「知るか。さっさと帰ってきて変態ども締めやがれ。」
「思い出させないでくださいよ!せっかくイケメンに囲まれて幸せライフを送っていたというのに!」
「ここよりも居心地いいとでも言いたいのか?」
「そんなわけないでしょう。どんな変態でも、私の隊員で大切な部下です。変態ですけど。」
「そんな変態どもの事よりも、だ。」
(あんたの部下で、あんたが振った話でしょうが………。)
「てめぇ今どこに居やがる。さっさと帰ってこいや。」
「無理です。異世界来たんで。」
「アホか。さっさとその異世界の神を殺して世界滅ぼして帰ってこいや。そうすりゃ帰ってこれるだろ。」
「無理やり連れてこられた方の人間にアホて。それに、その世界の神を殺したら私も世界の滅亡に巻き込まれて死んじゃうでしょ。人簡単に殺さないでください。」
「どうやっても帰ってこい。」
「無茶ですって。一応神殺し試したものの、一番偉い神様が帰れないって言ったんですから。」
「嘘の可能性だってあるじゃねぇか。」
「脈で調べました。嘘じゃありませんでしたよ。」
「そうか。」
そういったきり、師匠は黙ってしまった。
書類を片手に耳を傾けていると、数分経ったくらいに呟きが聞こえた。
「………………………一心は?」
「いますよ。かわりましょうか?」
「ああ。あと、神に知り合いはいるか?そいつとも話してぇ。」
「分かりました。今は分かれて行動してますけど、まぁ、どうにかして引っ張ってきますよ。」
「頼む。」
普通に考えれば反射で言っていてもおかしくないお礼の言葉なのに、なぜか胸が痛んだ。
案外、師匠も弱っているのかもしれない。でも、師匠は師匠でいて欲しい。
(……………………これは、私の我儘だ。)
「師匠。必ず帰ります。私の居場所は師匠の左ですから。もちろん、右は千葉です。絶対に二人でまた、依頼をこなしに行くんですから。それまで師匠は、師匠らしくしぶとく生きてくださいよ?」
「………………………当たり前だ。馬鹿野郎。」
嫌いな湿っぽさを感じたので、一心に電話を放り投げてウィール様の元へ向かった。
ウィール様なら神様たちがいる領域への入り方を知っているかもしれない。
「あ、いたいたウィール様。」
「あれ、小鳥美?もう師匠さんとの電話はいいのかい?」
「その師匠が神様と話したいって言いまして。神様の元へ突撃できませんかね?」
「突撃って……まぁ、君ならできそうだけどね。正直、こっちからは行きようがないんだよ。だからまぁ、頑張って?」
「頑張って?って………。上空から急降下したら入れますかね?」
「やってみたら?私も方法知らないから、試すしかないよ。」
仕方がないので軽く男装して、窓からフヨフヨ浮いて上空に移動した。
(…………ラトネスの気が利いてる。すっかり忘れてたよ。)
無言で私の姿を消してくれたラトネスに心の中でお礼を言って、隠密スキルを使った。
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