異世界情報収集生活

スカーレット

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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)

94.買い物

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どうも皆様、おはようございます。睡眠時間三時間の千利でございます。

「………ねむい。」

「覚醒作用のある紅茶です。これを飲んだら、お風呂に入ってはいかがです?多少眠気はとぶでしょうから。」

「……りょうかい。そうする。」

服を脱いでいる間にもでる欠伸あくびの連発を何とか抑え、お風呂に入る。

(………この状態で湯船に入ったら寝る。絶対寝る)

シャワーで済ませて、洋服を一心から受け取る。

「…………またドレス?」

若干見たくもない緑のドレスを受け取り、後ろのファスナーを一心に閉めてもらう。

「仕方がないでしょう。今日は昼頃から公爵達と会合がありますから。それに、この国にわざわざ正式入国したのは、精霊妃が来たことをアピールするためでしょう?」

「そうだけど……。慣れん。」

「貴方、女性でしょう?」

「一年の大半を男として過ごしている、女だよ。」

「こっ?!小鳥美!?一心と何してるのさ?!」

(聞き逃した)ノックの後に入って来たウィール様。入って来るなり驚愕の顔で一心と私を見た。

(……神様の首とれそう。)

「着替えですが、…?何か?」

キョトンとして答えると、脱力して一心を睨んだウィール様。

「一心?君、淑女らしくとか小鳥美に言っているくせに、女性の着替えを見るのかい?」

「もとより、私は人工知能です。人工知能が人間の着替えを手伝って何の問題がありましょう」

「それでも君には男としての感情が備わっているだろう?!」

「だから何です?母親ともいえるマスターに欲情するはすがないでしょう。」

きっぱりと返す一心を見て説得を諦めたのか、私にターゲットを変えた。

「小鳥美~。君から何かないのかい?肌着姿を見られている本人だろう?」

「どうでもいいです。一心、さっさと着替えてご飯食べよご飯。お腹すいた。」
同じくスパッと切ると、信じられないものを見るような目を向けられた。

(拷問中なんて、基本裸だからなぁ。)

そんなことを思いつつ、着替えを終えて朝食を食べる。

今日はクラムチャウダー風のリゾット。うん、うまい。
(にんじん………?ま、こんなもんか)

覚えたてのお貴族様用マナーで食べ進め、宿を出る。


朝は時間があるので、街を軽く回る。

近くに並ぶ見るからに高い服屋にいくつか入り、「兄へのプレゼント」と言っていくつかの男性用の服を買う。

「…………なぜ、試着が私なのでしょう?」

「兄と体格が似ているから、ですわ。」

「……………。」

「次、こっち着てくださいな。」

「はぁ。かしこまりました。」

一心に問答無用で着せ、洋服を確保する。

なお、自分用は全て「緑のドレスがありますから」で断った。

緑のドレス以外?ウィール様が作った緑の生地(超激レア)と精霊石(激レア)と精霊達の精霊石から作られた糸での刺繍(激レア)が施されたコレに、並ぶものあります?

そう仄めかせば、青い顔をしておとなしくなった。

アクセサリー類は全て断り、食料と刺繍用の糸を買って宿に帰った。

「マスター、刺繍用の糸ならば精霊達に作ってもらえばいいのでは?」

「そうだよ小鳥美。私だって糸くらい作るよ?」

精霊に頼めばOK!な感じになっている二人の言葉に首を振り、唇を尖らせる。

(すっかり精霊頼みになってないか?あまりいい考え方ではないな。)

「それだと、一心とニアの贈り物には使えないでしょう?侍従には贅沢だと他の貴族に取り上げられる可能性がある物を贈るなんて、ごめんですわ。」

「……………………まったく、貴女と言う人は。」

「……あ、一心顔赤」
「何のことでしょう。」

「一心、真っ赤d。」
「うるさいですよ馬鹿マスター。」

八つ当たりなのか、結構な速さで刺繍用の道具を投げつけられた。パシリと受け止めたこれは……?

名前何だっけ?刺繍枠だっけこれ。まぁ、いいか。

って?!

「針投げないの一心!危ないあぶ、危ないって!」

「全部受け止めているようなので、まったく問題ありません。ああ、そうそうマスター。」

「なに?!………はぁ、まったく危ないな~針を投げるなんて。私じゃなければ死んで」
「上官殿からメールが数百件届いていました。」

ガシャリと攻撃に使われた針を落とし、思考ごと止まった。

「……はいぃ?」
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