異世界情報収集生活

スカーレット

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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)

88.第二回作戦会議 2

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(うん、45点。うちの5点は初心者得点ってことで。)

「策は練っていたけれど、私の策はまだ自慢できるようなものではありません。1年位前までは実行役でしたから。なので、策を本格的に練り始めて1年くらいでしょうか。」

「マスターは基本、敵の本拠地に出され(投げ捨てられ)て攻撃し、敵基地の破壊と怒りを煽ってくる係でしたよね。」

「ええ、そうなんですよ。あの時は楽しかったなぁ。」
(((敵に突撃するのが楽しかった思い出?)))

ヒクリと顔をひきつらせた3人と嘘だと思っている馬鹿を無視して、続ける。

「そう、ですから策を練っていたのは事実です。しかし、これは私が特別なわけじゃありませんし、私は作戦を立てることに特化した人間でもありません。ですので。」

鋭く王族を睨み、楽観的な考えを打ち砕くために口を開く。

「これくらいはできて当然です。王族として、国王として国を率いる立場で居たいのであればこれを逆手に取るくらいしてもらわないと困りますわ。」

ニコリと笑う千利とは対照的に、ゾクッとしたものを感じ冷や汗を出した。ぜひとも頑張ってほしいものである。
そんな王族と主を見てふと一心は思う。

(これくらいが出来ないのであれば、王族として生活できないようにしてやるという脅しに聞こえませんかね?マスターとしては、王族ならばこれくらいやって当然、せいぜい努力しろという意味なのでしょうが。)

冷静に状況と主の言葉を反芻して、一心は人知れず結論を出した。

(ふむ、王族がより努力するでしょうから問題ありませんね。マスターの為にも少しは賢くなっていただかないと困りますし。)

ふと王族達を見て、まだまだ能力が低いことを悟った一心はさらに考える。

(本人のやる気があるのであれば、マスターに関わる人間として相応しいように、私自ら公爵共々鍛えてさしあげましょう。)

誰かに届くことなく「容赦は必要ありませんね。」と呟かれ光る目に4人は助けを求めるが、この場にウィール様はいない。運がなかったか、二人が鬼畜なだけかはわからない。

(まぁ逃がす気ないけど/まぁ逃がす気はありませんが。)

冷や汗ダラダラな様子を隠しつつ、咳払いをして話を戻した殿下。

「話を戻します。今回の夜会は基本的に王家を見下している貴族は全員参加いたします。実際のところ、公爵家とその分家以外はほとんどの貴族に見下されているのですが。」

「王城でも情報収集して、それは実感しています。よくもまぁ堂々と王家の批判が出来るものですね。不敬罪や処分なんて考えていないのでしょう。」

「ええ、見くびられたものです。精霊妃様につきましては、王族を格下扱いしてくれた礼を自ら行いたいのですが、何か不都合はございますでしょうか。」

「こちらとしては、ニアを壊してくれた家の取り潰しと夜会を開いてもらえれば勝手に暴れますので、それさえ守っていただけるのなら構いません。」

「かしこまりました。では次に2日後の会合についてですが、公爵家の当主夫人から礼儀と規則などを学んでいただきます。なにぶん時間がありませんので、付け焼き刃となりますが、ご容赦ください。」

「仕方ありません。付け焼き刃でも十分ありがたいことですし、こちらでも完璧に見えるように演じますのでご心配には及びません。これでも上手なんですよ?演技。」

そういったとたん、ふと動いたレイピストが一枚の小さな紙を殿下に渡した。

「………………へぇ?」

興味深げにこちらと書類を見た後、にやりと悪い顔をしてこちらを向いた。

(………君ら主従?かどうかは放っておき、その悪い顔は3人そっくりだよ。)

「そう言えば先日、友人でもある隣国の国王ルイフェストルクから手紙の返事が届きまして。」

突然話題をかけたことを不思議に思いながらも、隣国の情報は得たいので返す。

「ああ、夜会の出席に関係するものですか。」

「ええ。その手紙には夜会関係に加えて、興味深いことが書かれておりました。内容は、王城勤めになるメイド候補の試験の事でして。」

(………なんとなくわかったかも。)
(マ・ス・ター?)

「メイドの試験は本人確認のために、申し込み用の書類を自ら持参してから予定を調整試験を受けるという仕組みだそうです。なので二度、王城のメイドに合うのですが、どうも一度目と二度目の印象が違ったようでして。」

「あら、不思議なことがあるのですね。試験で緊張したのでしょうか。」

(やっぱりぃ?!この前受けたメイドの試験の事じゃん!性格まねたよー?!)
(性格の把握ぐらいしてから変装してくださいよ馬鹿マスター。)

「ええ、不思議なこともあるものです。」

国王の身が分かっていないこの状況で、私は意地でも笑顔を崩さないことを決めた。

「「ブフッ/ククッ………」」

笑っている黒い息子と赤い騎士は無視しておこう。ついでに「?」となっている国王もポイですポイッ!

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