異世界情報収集生活

ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)

85．第一回作戦会議 ３

「ひとまず、こちらで用意が必要なことは報告していただけませんか？」

「うーん。そっちで必要なのはとりあえず3つかな？まず公爵三家と非公式の会合がしたい。記録は残さずにできる限り秘密裏に、ね。後は一応、王族からの命令として緑のドレスの廃棄命令をだして。最後に、王族主催の夜会なんだから不審物の持ち込みは強化してね？伯爵家の馬鹿が毒持ってくるかもしれないし。」

ピクリと反応を示したヤドゥールが殿下に耳打ちをする。

おそらく、こちらが確かな情報を得ていることに気が付いたのだろう。チラリと殿下の目線がこちらに来たことからも、それは裏付けられる。

「分かった、毒の件については特に伯爵家を注意しておこう。」

真面目に返す殿下。

正直あまり期待はしていない。その日の扉の警護に付くのは、伯爵家の手下の予定だし。

「それから公爵達との会合の件だが、公爵家の当主より自国の貴族の非礼を詫びたいと申し出があった。それを受け入れる形で実現は可能かと。」

ちょうどいいな。
まぁ自国が滅ぼされる事態になるのであれば、自分達が出て謝罪するよな。

その力が精霊妃にはあるし、私単体の力だけでも可能だからな。それにしても……。

わざとらしく敬語を使って、チクリと棘を刺す。

「あら？なぜそのように大事なことを国王陛下は仰ってくださらなかったのでしょう？」

「その………。」

騎士二人が気まずそうに目を逸らして、殿下に頼みの視線を向ける。

？暗黙の了解だろうけど、予想は付くからさっさと話してくれないかなぁ。