異世界情報収集生活

スカーレット

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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)

82.当然の事

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「ねぇ、君らは何をしに来たのさ?」

そう言えば、さらに小さくなる陛下。そんなことはお構いなしに、口から毒を吐いていく。

「伯爵家と王妃の処罰に関する情報を手に入れて確認させてもらったよ。そっちの考えでは王妃は離宮に追いやって政治に関する権利の取り上げ、伯爵家は政治の中心から遠ざけて罰金。」

一度切り上げ、鋭く睨みつける。

「これ、ただの国の膿出しだよね?そんなこと、国で勝手にやってくれる?精霊妃である私に関係ない。これは、私達のことが無くても、やって当然の事。」

「……仰る通りです。」

何とか声を出した国王の目には、まだ、甘えが見える。

「私達が出る夜会で行うべきはこれと、精霊妃に関する処罰。ロウ伯爵家の次男が精霊妃の側近を害し、状況把握のための話し合い中に許可を得ていないロウ伯爵令嬢が乱入して精霊妃に茶器を投げて侮辱した。謝罪のための夕食会に王妃は勝手に参加し、精霊妃の側近を男娼扱いした。あとは、未だに緑のドレスを纏うご令嬢が存在していることでしょうかね。それら纏めて処罰を頼みますよ。」

立ってニヤリと笑う顔を四人に見せつけ、一心の肩を叩く。

「嫌ならばやらなくていいですよ?私と一心で責任をもって国を荒野にしますから。」

一瞬目を見開いた一心は、女性を赤面させる爽やかな顔を作りのった。

「もとは貴族のほとんどを締め上げてマスターに逆らわないようにする予定でしたが、マスターの手を煩わせる面倒な処罰も必要ないでしょう。マスターがお望みになるのでしたら、一夜にして国ごと荒野に変えて見せましょう、我が主。」

跪き、私の手に口付けた一心。
傍から見ればロマンチックな主従だが、観客にそんな余裕はないようだ。うーん、残念!

「分かりました!直ぐに策を見直し、必ず精霊妃様もご納得いただける厳格な処罰をいたしますので、どうか荒野に戻してくださいますな!」

「あら、楽しみにしていますわ。」

「マスター、紅茶をどうぞ。皆様も慌てているようですし、一息つきましょう。」

これ見よがしに二人で余裕を見せつけ、紅茶を飲む。

そうして五寸釘を追加でスコココンと打った後、陛下とウィール様は自分の部屋に帰っていった。

「………一応言っておきますと、このような深夜に高貴なる陛下をお一人で返すはどうかと思いますよ?」

「影が付いておりますゆえ、ご安心を。」

「でしょうね。ああ、この宿に付けるのは構いませんが、面倒になったらまきますののでご了承くださいね?今日のように私達に付けても構いませんが、私達よりも弱い護衛は不必要です。見張られるの、嫌いですし報告されるのも嫌なので。」

「………陛下に進言しておきましょう。」

「進言ではなく、こう伝えてください。『そちらの騎士が纏めてかかっても、私より弱い一心すら倒せませんので、そんな護衛は不必要です。また、騎士と同レベルのバレバレな影はうっとうしいので目障りです。移動記録はそちらに一心が送りますので、護衛と影は引かせて下さい。』と。」

「……………………かしこまりました。」

そう始まった、第一回作戦会議
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