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ライミリ精霊信仰国編(ライミリ編)
61. 青の暗躍? ヤドゥール視点
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今日は護衛対象であるカリストロ殿下から休暇をもらい、異世界人と思われる者と会うことにした。それとは別件で、異世界人の力によってカリストロ殿下の病が治ればいいと思っているが、希望は薄い。
どうやら情報屋として異世界人は活動しており、精度がいいともっぱらの評判だ。
基本的には三人で活動しており、店番をしているのが千利の側近一心。食料の買い出しを主に担当しているのが同じく側近のニア、情報収集や商談を担当しているのが、主の千利らしい。
しかし、どうやら様子がおかしい。あらかじめ根回ししてから店に来たが、千利は居ないという。
「どういうことだ?」
申し訳なさそうな顔をしている一心は、お詫びと言って情報を書いた紙を差し出しながら言う。
「申し訳ありません。我が主は、側近である我らの命をとても大切に思ってくださっているのですが……。」
人がいないことを確認した後、声を潜めて耳打ちをした。
「どうやら、側近のニアが誘拐されたようでして。大層お怒りなのです。我が主はニアを取り戻しに行ってしまいました。本当に、申し訳ない。」
ごく自然に、しかしわざと切り上げられた詳細を聞くために金貨を一枚投げ、詳細を促した。
「どうやら王城に勤める青の騎士団員が、ニアを誘拐したらしくて」
(チッ。よりにもよって俺の部下が邪魔を……。)
「そのうえ研究のためと言って、ニアを分解していると聞きました。」
「待て、分解だと?ニアは人間ではないのか?」
思わず話を遮る。そんな情報は一つも……。
「ええ、魔術具です。ですから、研究のために一部ですが分解されてしまいました。」
それはぜひとも俺も研究を……いや、今異世界人に嫌われるのは得策ではないな。
仕方がない、今はあきらめよう
「それを知り激怒した主が、王城からニアを取り戻しに行ったのです。」
「それは…………心配になるな。」
「ええ心配です。」
主を心配する思いは一緒だろう。
私とて、カリストロ殿下がいつ魔力を溢れさせて、そのお心を痛めるのか心配している。
そして、陛下と殿下の身の安全が心配だな。騎士として、王城で暴れる可能性がある者を放っておくことはできない。
「いないのなら仕方がない。また予定を伝えよう。では俺はこれで。」
「ああ、少々お待ちを。」
「?」
おとなしく待っていると、黒い石と紙を渡された。
「こちらが次回の店の場所になります。また、今回はこちらの都合により予定を変更させてしまいましたので、お詫びとなります。」
「……………………先ほど、詫びは受け取ったが?」
毒が塗られていないことを確認した後、奇妙に思い質問する。
少し不気味にほほ笑んだ一心は、口を開いた。
「先ほどのお詫びは、『青の騎士団団長』にお渡ししたもので、今のお詫びは、『ヤドゥール=ガディア』様にお渡ししたものでございます。」
………つまり、先に渡した物は騎士として報告しなければならないが、この石の事は個人で判断しろということだろう。そして、一つも漏らしていない俺の正体を知っている
「もらっておこう。」
ニッコリと再び笑った食えない男は「またのお越しを、お待ちしております。」と言った。
その後に何か呟いていたようだが、それよりも陛下方が心配だ。
私は急ぎ、陛下たちの元へ向かった。
どうやら情報屋として異世界人は活動しており、精度がいいともっぱらの評判だ。
基本的には三人で活動しており、店番をしているのが千利の側近一心。食料の買い出しを主に担当しているのが同じく側近のニア、情報収集や商談を担当しているのが、主の千利らしい。
しかし、どうやら様子がおかしい。あらかじめ根回ししてから店に来たが、千利は居ないという。
「どういうことだ?」
申し訳なさそうな顔をしている一心は、お詫びと言って情報を書いた紙を差し出しながら言う。
「申し訳ありません。我が主は、側近である我らの命をとても大切に思ってくださっているのですが……。」
人がいないことを確認した後、声を潜めて耳打ちをした。
「どうやら、側近のニアが誘拐されたようでして。大層お怒りなのです。我が主はニアを取り戻しに行ってしまいました。本当に、申し訳ない。」
ごく自然に、しかしわざと切り上げられた詳細を聞くために金貨を一枚投げ、詳細を促した。
「どうやら王城に勤める青の騎士団員が、ニアを誘拐したらしくて」
(チッ。よりにもよって俺の部下が邪魔を……。)
「そのうえ研究のためと言って、ニアを分解していると聞きました。」
「待て、分解だと?ニアは人間ではないのか?」
思わず話を遮る。そんな情報は一つも……。
「ええ、魔術具です。ですから、研究のために一部ですが分解されてしまいました。」
それはぜひとも俺も研究を……いや、今異世界人に嫌われるのは得策ではないな。
仕方がない、今はあきらめよう
「それを知り激怒した主が、王城からニアを取り戻しに行ったのです。」
「それは…………心配になるな。」
「ええ心配です。」
主を心配する思いは一緒だろう。
私とて、カリストロ殿下がいつ魔力を溢れさせて、そのお心を痛めるのか心配している。
そして、陛下と殿下の身の安全が心配だな。騎士として、王城で暴れる可能性がある者を放っておくことはできない。
「いないのなら仕方がない。また予定を伝えよう。では俺はこれで。」
「ああ、少々お待ちを。」
「?」
おとなしく待っていると、黒い石と紙を渡された。
「こちらが次回の店の場所になります。また、今回はこちらの都合により予定を変更させてしまいましたので、お詫びとなります。」
「……………………先ほど、詫びは受け取ったが?」
毒が塗られていないことを確認した後、奇妙に思い質問する。
少し不気味にほほ笑んだ一心は、口を開いた。
「先ほどのお詫びは、『青の騎士団団長』にお渡ししたもので、今のお詫びは、『ヤドゥール=ガディア』様にお渡ししたものでございます。」
………つまり、先に渡した物は騎士として報告しなければならないが、この石の事は個人で判断しろということだろう。そして、一つも漏らしていない俺の正体を知っている
「もらっておこう。」
ニッコリと再び笑った食えない男は「またのお越しを、お待ちしております。」と言った。
その後に何か呟いていたようだが、それよりも陛下方が心配だ。
私は急ぎ、陛下たちの元へ向かった。
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